週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2016年 6月 29日号
独立記念日の花火大会、ストリップ地区は前日に開催
独立記念日花火大会 at ラスベガス  7月4日は "Independence Day" こと、アメリカの独立記念日。
 毎年この時期になると必ず花火大会に関する問い合わせが寄せられるので、過去記事と同じ内容になってしまうが、今年もその話題を取り上げてみたい。
(右の写真は過去の独立記念日にシーザーズパレスから打ち上げられた花火。以下の写真もすべて過去のもの)

 今年は曜日の並びの関係で、観光客中心のストリップ地区では 1日早く 7月3日に打ち上げられる予定だが、まずはこの独立記念日と花火について。
 アメリカ国民にとっての、この日の意味は大きい。そもそもこの国には全国規模の祝祭日が少なく、その数はせいぜい日本の半分程度。
 「日本人は働きすぎ、諸外国は休みが多い」 といわれて久しいが、それはフランス、ドイツ、イタリアなど、おもにヨーロッパ諸国の話であって、アメリカの一般労働者にとって (特に、その職場において勤続年数が少ない労働者)、有給の夏休みなどはないに等しく、ゴールデンウイークも年末年始の長期休暇もない。
 そして数少ない祝祭日も、神聖かつ厳粛なクリスマスをはじめ、サンクスギビングデー、メモリアルデー(戦没者記念日) といった具合に宗教色が濃かったり追悼が目的だったりで、1月1日のニューイヤーズデーを除けば楽しく派手な気分になれる祝祭日はほとんどない。

独立記念日花火大会 at ラスベガス  そんな中、独立記念日だけはさん然と輝く "祝日中の祝日" とでもいうべきめでたい日で、老若男女が祝賀気分に酔いしれ自国の建国独立を祝う。(右の写真はストラトスフィア・ホテルから打ち上げられた花火)
 また、ただ単にめでたいというだけでなく、多種多様な人種や文化で構成されているアメリカにとっては、日本における桜、富士山、独自の食文化、皇室といった国民が共有しやすい価値観のようなものが少ないため、この独立記念日はバラバラになりがちな国民の意識をひとつにまとめる貴重な機会でもあり、愛国心の高揚や人種を超えた結束の日という意味合いも強い。
 もちろん過度なナショナリズムの鼓舞に批判的な意見を持つ者もまったくゼロというわけではないが、少なくとも日の丸や君が代の論争に明け暮れ素直に祝いにくい日本の建国記念日とは大違いで、大多数のアメリカ国民はこの日を単純かつ素直にめでたい祝日として受け止めている。

独立記念日花火大会 at ラスベガス  そんな彼らにとって、建国を祝うスタイルはいつも決っている。Fireworks、つまり花火だ。
 季節を感じるイベントが少ない米国において、この日の花火大会は完全に夏の風物詩として定着している。(右の写真はシーザーズパレス)
 全米の子供たちが自宅の庭などで花火を楽しみ、自治体や企業はそれぞれの地域で花火大会を主催する。その数、大小合わせて全米で1万を超えるというから半端ではない。
 さらに最近は、家庭での花火による火災事故などを防ぐ目的から、全米各地の市や消防当局が、「花火は自宅でやらずにコミュニティーなどが主催する花火大会を見に行くように」 と、家庭での花火を条例などで禁止し、花火大会を奨励する傾向にあるため花火大会の数は年々増えているという。
 ちなみに、家庭花火を規制する市が多いなか、ここラスベガス市は容認派で (といっても原則として独立記念日以外は禁止)、毎年この時期になると街中のいたるところに即席の 「花火売りスタンド」 (写真右下) が姿を現す。買っても当日まではやってはいけないルールになっているので、子供たちにとって独立記念日は指折り数える待ち遠しい祝日だ。(今年のラスベガス地区での販売解禁日は 6月28日。販売免許を持った約300のスタンドが一斉に営業を開始した)

独立記念日花火大会 at ラスベガス  さてラスベガスおよびその近郊における花火大会に関してだが、小さい規模のものも含めると、その数は40以上といわれている。
 地元の新聞やテレビなどで紹介される花火大会の数はせいぜい十ヶ所程度だが、実際に小高い丘の上などに行くと、盆地になっている街全体を見渡すことができ、とてつもない数の花火大会が同時並行的に行われていることに気づく。
 ただ、それだけの数があっても、基本的には他の都市と同様、地元民向けのイベントであるため、その大部分はホテル街から遠く、一般観光客がアクセスすることはむずかしい。レンタカーがないと無理だろう。
 そうはいってもここは観光都市ラスベガス。観光客の存在を無視することはできず、毎年ストリップ地区のホテル街でも必ずどこかのホテルが花火を打ち上げる。したがってレンタカーなどなくても楽しむことが可能だ。
 なお、今年の独立記念日は月曜日。土、日、月の3連休を利用してラスベガスにやって来る多くの観光客にとって、月曜日はホテルをチェックアウトして帰路につく日。
 そういった状況への配慮から、冒頭でもふれたとおり、観光客のために開催されるストリップ地区での今年の花火大会は1日早めに開催されるので(マンダレイベイはさらにその前日にも)、日時を間違えないよう注意が必要だ。
 ちなみに以下が現時点で公表されている主要花火大会のリスト。上の4つ (印) がストリップ地区のホテル街での開催。(カッコ内は打ち上げの日時)

 Mandalay Bay, Mandalay Bay Beach (7/2、20:30)
 Mandalay Bay, Mandalay Bay Beach (7/3、20:30)
 Stratosphere (7/3、21:00)
 Caesars Palace (7/3、21:10)
 Lake Las Vegas (7/3、21:00)
 Cashman Field (7/4、野球の試合終了後)
 Green Valley Ranch Resort (7/4、21:00)
 Red Rock Casino Resort (7/4、21:00)
 Boulder City, Veterans Memorial Park (7/4、21:00)
 City of Henderson, Mission Hills Park (7/4、21:00)

以下はラスベガスから少々離れた都市での開催:
 Laughlin Riverwalk (7/2、21:00)
 Mesquite, Eureka Casino Resort (7/4、21:00)
 Pahrump, Petrack Park (7/4、21:00)

 ストリップ地区で開催される上記の4つの花火大会の中では、シーザーズパレスが内容的にも位置的にも断然おすすめだ。
 というのも、建国のみならずシーザーズパレス開業50周年も祝うとのことで、例年になく内容の濃い打ち上げになると事前発表しているからだ。位置的にもホテル街の中心地でアクセスしやすい。
 ストラトスフィアとマンダレイベイは繁華街から遠く、群衆も少なく盛り上がりに欠けるばかりか、特にマンダレイベイの場合(写真右下)、一般の群衆相手というよりは、同ホテル内の野外コンサート客を相手にしたイベントであるため、会場の外からは楽しみにくい。またコンサートの進行と関係してくるので打ち上げ時間も大きくずれる可能性がある。
独立記念日花火大会 at ラスベガス  一方、意外と評判がよく毎年人気が高いのが、野球場キャッシュマンフィールドで開催されるトリプルA リーグの試合終了後の花火大会だ。ちなみに今年の対戦カードは、ラスベガス 51s 対 ソルトレイク Bees。
 球場の外からでも見えるが、試合のチケット($15〜$30)を買って球場内から見たほうが圧倒的に楽しめることは言うまでもない。

 なお、アメリカの花火大会は日本の納涼花火大会と違って1時間も2時間もやらない。10分以内が普通で、大都市での大規模な花火大会でもせいぜい 30分、今回のシーザーズパレスも、内容が濃いとされているものの 10分程度と決して長くはない。
 したがって、少しでも遅刻すると見損なう可能性があるので、タクシーやバスでの移動を考えている場合、交通渋滞には十分な注意が必要だ。また徒歩で行く場合でも、歩道橋などが非常に混雑する可能性があるので、十分余裕を持って早めに現場へ行くようにしたい。
 「他国の建国を祝ってどうする」 という意見もありそうだが、少なくとも旅行期間中はその 「他国」 にいるわけで、そこの国民と一緒に慶事に参加し、祝賀ムードを共有することは決して無駄な体験ではないだろう。

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