週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2016年 3月 30日号
市川染五郎のアメリカ版ハイテク歌舞伎 「獅子王」
 昨年8月にベラージオ・ホテルで開催された歌舞伎の屋外公演「鯉つかみ」が好評だったことをうけ、今年もベガス歌舞伎公演第2弾として、ゴールデンウィークの 5月3日から 7日までの 5日間、MGMグランドホテルにて、ハイテクを駆使した歌舞伎演目 「獅子王」(英語タイトル: KABUKI LION)が上演される。そしてそのチケット販売が、3月19日から松竹の英語版公式サイト、および MGMの公式サイトで始まった。

歌舞伎  昨年の「鯉つかみ」はベラージオ・ホテルの噴水ショーの場所を借りての水上公演だったが、今年の「獅子王」の会場は MGMのデイビッド・カッパーフィールド・シアター、つまりマジシャンのカッパーフィールド氏が日ごろ使用している劇場内での開催となる。屋外と屋内というまったく異なる環境での公演ということで、昨年とはちがった演出が期待できそうだ。
 その見どころに関しては、主催者である松竹株式会社、経営企画部の石毛氏の説明によると、「昨年の公演は広大な池におけるウォータープロジェクションを多用した演出だったため、ダイナミックさや大きさをウリにしていたが、今回は舞台と客席が近いことから、間近で歌舞伎の良さを楽しめるところに注目して頂きたい」 とのこと。細かい所作や顔の表情までが気になる本格的な歌舞伎ファンにとっては昨年以上に楽しめるのではないか。
 また今回は前回と比べると、歌舞伎俳優の数もかなり増えており、「歌舞伎本来の要素がたくさん詰まった舞台になるはず」 とのことなので、その内容の充実ぶりにも期待してよさそうだ。

歌舞伎  主演は前回同様、市川染五郎(写真右)。そして昨年も出演した中村米吉、さらに今年は中村歌六、市川高麗蔵、中村歌昇、大谷廣太郎、中村隼人も加わり、役者の数は大幅にアップ。今回の公演に対する本気度や意気込みの大きさがうかがえる。
 多彩な顔ぶれによる伝統的な演技も見どころだが、これまでの形式にこだわらず、アメリカの観客に合わせた工夫もなされているというから、その未知の演出も楽しみだ。
 特にハイテクの導入による映像描写がすごいことになっているらしい。具体的な部分はまだ公表されていないが、パナソニックNTTなどのサポートによる最新の映像技術を駆使した早替りなど、日本を代表するハイテク企業の先端技術と、日本の伝統芸能である歌舞伎の古典的な演技手法の融合が、なにやら世界に例のない画期的な舞台をクリエイトしてくれるようだ。
 今回の公演が成功裏に終わり、アメリカのメディアも今まで以上に大きく取り上げてくれるようになれば、第3弾、第4弾と続き、やがてこの種の海外向けハイテク歌舞伎は、まったく新しいエンターテインメントのジャンルを創造することになるかもしれない。そんなことに期待を寄せながら鑑賞してみるとよいだろう。

 公演の日時は、5/3、5/4、5/5、5/6 が 8:00pm 開演、5/7 が 7:00pm と 10:00pm の2回。チケット価格は税金および手数料込みで、A席 $217.10、B席 $162.60、C席 $97.20、D席 $69.95。
 詳しくは松竹のサイト http://www.kabuki-bito.jp/japankabuki/en/ もしくは MGMのサイト https://www.mgmgrand.com/en/entertainment.html まで。
 なお、この開催期間中、「Japan KABUKI festival in Las Vegas 2016」 として、ベラージオホテルの噴水ショーなどでも歌舞伎に関するアトラクションが予定されているようだが、具体的な詳しい内容はまだ公表されていない。

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