週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2015年 12月 16日号
ウィンの The Buffet が改装リニューアル・オープン
ウィンのバフェ  高級カジノホテル・ウィン(写真右、クリックで拡大表示) の中にある食べ放題の店 「The Buffet」 が先月末、約1ヶ月の期間と約360万ドル(4億円以上)を費やしたとされる改装工事を終え、リニューアル・オープンを果たしたというので、さっそく行ってきた。
 なお、訪問したのは平日のディナー・タイム。したがって、以下に書かれていることは、朝や昼の時間帯、そして週末(料金も内容もやや異なる)の状況とは必ずしも一致するとは限らないので、そのつもりで読んで頂ければ幸いだ。

ウィンのバフェ  結論から先に書くならば、総合的な料理のレベルが高く、内装も明るく上品で、ゆったりした気分で食事ができるなど、なかなかいい感じにまとまっている、というのが正直な感想で、他のホテルの高級バフェィと比べてもトップ集団に入るレベルといってよいだろう。(右はこの店の入口付近の様子)
 では今回のリニューアルで、どこがどのように新しくなったのか。ホテル側の説明によると、食事を楽しみながら心地よいBGMが聴けるように最新鋭のスピーカーを 177台設置するなど、改装費用の大部分はダイニングルームの装備や内装、それに調理場の器具といった、おもにハード面に使われたとのこと。
 だとすると、料理そのものには大きな改善が見られないようにも思えてしまうが、そうでもないので安心してかまわない。料理の部分で一番重点を置いた改善点は、ライブ・クッキングとスモール・サイズとのことで、たしかにそれなりの成果があらわれていた。

ウィンのバフェ  ライブ・クッキングとは、あらかじめ別の調理場で作った料理を陳列台に並べるのではなく、客の目の前で調理してサーブするスタイルのこと。(右の写真はライブ・クッキングになっている寿司セクション)
 朝食のオムレツやクレープなどで以前から見られる方式だが、「作りたて感」があるばかりか、演出としても見ていて楽しいので、最近はどこのホテルでも幅広い料理のジャンルで採用されるようになり、高級バフェィにおけるトレンドとなっている。
 もちろんこの店では改装前からさまざまな料理セクションで見られたが、それをさらに増やして、ほとんどの料理がライブ・クッキングに切り替わっており、その比率はラスベガスで一、二を争うレベルといってよいだろう。

ウィンのバフェ  スモール・サイズはその名の通り、小さなサイズのことで、日本の小鉢料理のような少なめの盛り付けで出されるサーブ方式。たくさんの量を食べられない人にとってはありがたいことで、結果的に多くの種類を楽しめることになり、一般的には極めて評判が良い。
 が、よく考えるとそれは論理的には矛盾する。なぜなら、通常の盛りつけスタイル、つまり大きな容器に盛られている料理を、トングを使って好きなだけ自分の皿に取る方式でも、いくらでも少ない量にできるからだ。
 じつはこの小鉢スタイル、店側にとっては洗うべき皿が増えるだけであまりいいことはないが(小鉢に入っていても、大きな受け皿に乗せて取るので、使用する皿の数は増える)、客にとってはいくつかの利点がある。
ウィンのバフェ  まずなんといっても見た目がきれいということ。サラダなど、大皿から無造作に自分で取って盛り付けても美しくない。
 右の写真のように(これは野菜サラダ)、小さなガラス容器などに盛り付けられていると、見ているだけで食欲をそそられる。料理は見た目も重要だ。
 また、従来のように大きな皿に複数の料理を取って盛り付けるとソースなどが混ざってしまい、見た目のみならず実際の味も悪くなる。
 それだけではない。衛生面でも小鉢スタイルはメリットがあるとされている。なぜなら、何十人、何百人もの不特定多数の人がさわったトングを使う必要が無いからだ。手で食べる料理も少なくないことを考えると、これは大きな利点といってよいだろう。
 というわけで、トング方式と比べて量を調節できないという欠点はあるものの、盛り付けの量が少なければさまざまな利点があるのが小鉢スタイルだ。

ウィンのバフェ  さて料理のジャンルについてだが、考えつく料理のほとんどすべてがあると思ってよい。(右の写真はメキシコ料理のセクションでタコスを焼いているところ)
 無いものを考えたほうが早いぐらいで、その無いものをあえて思い出すならば、アリア・ホテルのバフェィにはあるインド料理、それにプラネットハリウッド・ホテルにある中東料理ぐらいか。
 それほど多く存在する料理のすべてにコメントするわけにはいかないので、日本人にとって気になる寿司、シーフード、ラーメン、中華、ステーキに話を絞って説明すると、寿司とシーフードはラスベガスの他のホテルの高級バフェィと比べて標準以上、ラーメンは標準かそれ以下、中華は標準よりやや上、ステーキは最高レベル、といったところか。

ウィンのバフェ  平日のディナー・タイムにおける寿司は巻物が中心で、にぎり系の寿司は原則として週末だけとのこと。同様にシーフード・セクションにおける生ガキも原則として週末のみで、平日のシーフードのメインはカニということになる。
 そのカニのレベルが高い。他の多くのホテルにおけるカニは、やや小ぶりのズワイガニ系のスノー・クラブであるのに対して、この店のカニはそれよりも大きいオピリオ種の本格ズワイ。それに、いわゆるストーン・クラブと非常に似たジョウナ・クラブ(Jonah Crab)もあり、高級品とされるキング・クラブ (タラバガニ系) こそなかったものの、カニ好きにはたまらない充実した内容となっている。

ウィンのバフェ  ラーメン(もちろんライブ・クッキング、写真右)は醤油、味噌、豚骨の3種類のスープを選ぶことができ、スープの味もそれぞれかなりまともなレベルにあるが、残念ながら麺にコシがない。
 麺そのものの質が悪いというよりも、あらかじめ火を通してある麺を、湯に30秒ほど通して温めてサーブするという方式のためだ。客を待たせない配慮であることは理解できるが、この方式では本格的なラーメンは期待できない。
 とは言っても、日本の味が恋しくなった際にはそれなりに楽しめるので、オーダーしてみるのも悪くはないが、その際に注意したいのは麺の量。黙っていると一人前の麺をたっぷり盛られてしまうので、他の料理も食べたい場合は、麺を少なめにするように申し出たほうがよい。チャーシュー、コーン、ネギなどのトッピングの選択は、指をさして示せばわかってもらえる。

ウィンのバフェ  中華は蒸篭に入った蒸し物系のみならず、中華鍋に入った炒めモノ系もかなり充実している。
 ただし、炒めモノ系は、常時陳列されている数は4種類前後に限られており、食べたい料理があったらその場で取るようにしないと、すぐに別の料理に置き換わってしまうので要注意だ。
 たとえばマーボー豆腐が入った鍋があったかと思うと(写真右上、料理が換わるたびに名前も張り替えられる)、それがいつの間にかチンジャオロースに置き換わっていて、次にマーボーが出てくるのは2時間後であったりする。
ウィンのバフェ  中華といえば、この店の宣伝広告などで盛んに紹介されているライブ・クッキングの北京ダック(写真右)についてひとこと言っておきたい。
 北京ダックといえば、パリパリに焼いたダックの皮が特徴的な味を醸し出しているわけだが、黙って作ってもらうと皮がまったく含まれていない肉ばかりのダックを薄餅(バオビン: 白いふんわりとしたパンのようなもの)に挟んで出してくるので、皮を希望している場合は、それをきちんと申し出たほうがよい。(なお右上の写真内に小さく書かれているとおり、シラントロやネギを入れるかどうか、そしてソースの種類などを指定できる)
 ステーキは種類が豊富で(韓国焼き肉のカルビもある) 肉質も良いだけでなく、ソース類もさまざまなものが用意されており、かなりレベルが高い。切り分けてくれる肉の焼き方の選択肢も広く、バフェィの肉料理としては十分満足できるレベルにあるといってよいだろう。

ウィンのバフェ  デザート類はまさにスモール・サイズなので(右の写真では大きく見えるかもしれないが、実際はかなり小さい)、たくさんの種類を楽しみたいスイーツ・ファンにとってはありがたい。種類も豊富で、ケーキ類、アイスクリーム、クレープ、マカロン、一通りのものはなんでも揃っている。
 また、アメリカのスイーツとしては総じて甘さ控えめになっており、日本人の味覚からそれほど大きくかけ離れていないところもうれしい。

ウィンのバフェ  料金や時間帯は、月曜日から金曜日の朝(8-11am)が $23.99、昼(11am-3:30pm)が $26.99、日曜日から木曜日の夜(3:30-10pm)が $42.99、金曜日と土曜日の夜(3:30-10pm)が $49.99、土曜日と日曜日のブランチ(8am-3:30pm)が $34.99。
 ビールやワインは追加料金 $18 で飲み放題だが、酔っ払いすぎた客には現場の責任者からストップがかかり、それ以上は飲むことができない。

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