週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2015年 10月 14日号
円ドル交換レート、空港は 137円、各カジノホテルは?
外貨交換  「ラスベガスでの円ドル交換はどこが有利?」
 件数的にはそれほど多くはないものの、長年に渡り季節などに関係なく読者から寄せられる昔ながらの質問だ。
 結論から先に書くならば、ラスベガスで交換すべきではない。つまり日本で済ませておくべきで、以下は、「ラスベガスで交換するとこんなに損をする」 という実態報告だ。

 外貨交換といえば、だれもが思いつくのが訪問国の空港や現地の市内にある両替所。特に発展途上国などへ行く場合は、出発前の自国内ではその国の通貨を取り扱っている金融機関が少ないため、到着してから両替することになりやすい。
 そんな経験が記憶の中に残っているからか、アメリカを訪れる際にも、現地で交換すればいいと思っている人も少なくないようだ。しかしその発想はとんでもなく損をすることになる。

外貨交換  決して多くはないものの、他の国と同様、ラスベガスにも空港や市内に両替所が存在している。しかしその交換レートはあまりにもひどい。
 右の写真はラスベガス国際空港第1ターミナル到着ロビーにある両替所 「Travelex」 における 10月12日 12:25pm の交換レートだ。
 写真をクリックして拡大させると右上に小さく読み取れるが、ここに示されている数字は、「500ドルを買うために必要な各国の通貨」 で、日本円の場合の 68,639円は 1ドルに換算すると 137.27円 になる。
 同じ日の成田空港などでのレートが 122円前後であることを考えると、暴利をむさぼっているかのようにも見えるが、利用客が少なく、場所代や人件費を考慮すると、妥当なレートといえなくもない。
 そもそも、どこの国よりもクレジットカードが使いやすいアメリカでは多額の現金を必要としないため、外貨交換の需要が少なく、また両替で買い取った外貨の流動性も低いためその在庫リスクもあり、この程度のレートにしないと商売としては成り立たないだろう。
 とはいえ、成田空港などでのレートよりも 1ドルにつき 15円も多く払わなければならないことは事実で、できることならこの種の両替所の利用は避けるようにしたい。
 というわけで、あえて場所を覚える必要はないが、ちなみにこの Travelex は、ファッションショー・モールやプレミアム・アウトレットのフードコート内にもある。同じ時刻であれば、どの店舗もレートは同じだ。

外貨交換  さて、外貨交換は空港や市内の両替所が一般的であることは今書いてきたが、ここラスベガスには他の都市では見られない特殊な両替所がある。カジノ内のキャッシャーだ。
 もともとは、ギャンブルに勝った者がカジノチップを現金に換金するための施設であり、わざわざ外貨交換のために場所や人材を確保しているわけではないので、経費的な部分での経営環境は空港や市内の両替所よりも恵まれており、「ついでにやっているサービス」と考えれば、なにがなんでも外貨交換で利益を出す必要はない。さらに、「良心的なレートでドルを安く提供し、それをカジノで使ってもらえればそれでよい」 という思惑もあるだろう。
 結果的に、良心的なレートを出しやすい環境にあるため、空港や市内の両替所よりも 1ドルにつき 10円ほどドル安いレートになっているのが普通だ。

 具体的にそのレートを調べてみた。調査の対象としたのは次の4つのカジノホテルで、ラスベガスで最大勢力を誇るMGM系列のホテルの代表としてベラージオ、シーザーズ系列の旗艦ホテルであるシーザーズパレス、それに独立系の高級ホテルとしてベネチアンとウィン。
 以下がそれらホテルで 1万円紙幣を1枚両替した結果だ。調査日は 10月 12日。なお、現場で受け取るレシートに記載されているレート表示は 「1ドルが何円」 ではなく 「1円で何ドル買えるか」 になっているので、その数値も示してみた。

外貨交換  シーザーズパレスとベネチアンの1円に対するレートが端数切捨てのドンブリ勘定的な数字になっていることがやや気になるが、この水準であればどこも良心的といってよいのではないか。
 とはいえ、日本で両替したほうが有利であることに変わりはないので、ホテルでの両替はドルがなくなってしまった緊急事態のときだけと考えるようにしたい。
 ちなみに、この日のレートだけで判断するのであれば、ウィンが一番有利ということになるが、交換する日本円の金額が小さい場合は時間の節約という意味で、わざわざ遠いホテルまで出向くことなく最寄りのホテルで交換すべきだろう。
 なお、外為市場のレートが短期間に大きく変動した場合の各ホテルの対応の時間差は気になるところで、もし実際に大きく変動した場合は、対応前のホテルと対応後のホテルでかなりの差が生じることになるので、ウィンが一番有利と決め込むのではなく、各ホテルのレートを真剣に調べたほうがよいかもしれない。

以下は参考情報:
成田空港などに窓口を持つ一般の銀行よりも大手金券ショップのほうが有利なレートになっていることがある。ただし交換する金額が小さい場合はあまり気にする必要はない。
ドルの現金よりもトラベラーズチェックのほうがレートが良いことが少なくないが、アメリカにおいてトラベラーズチェックが使える店は年々減ってきているので不便な思いをする可能性がある。ただし、多くのカジノホテルではトラベラーズチェックを換金してくれるので、ラスベガスにおいてはまだ不便とは言い切れない。アメリカ以外からも消えつつあるトラベラーズチェックだが、手元に残っている古い物があったりした場合、ラスベガス旅行のついでに使ってしまうとよいだろう。
上記4つのカジノホテルの交換レートは、一般の人たちが利用する一般向けのレートであり、ハイローラーなどが巨額を換金する場合はそのレートとは異なる可能性もある。

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