週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2015年 9月 02日号
ダーク・アーサー、大きな会場に引っ越し心機一転
ダークアーサー  トラやヒョウなど動物を使ったイリュージョンでお馴染みのマジシャン、ダーク・アーサーのマジックショーが、8月24日、ウェストゲート (旧 LVH・ラスベガスヒルトン、写真右) のメイン・シアターで始まった。
 これまでのリビエラ・ホテルの会場が非常に狭かっただけに、心機一転の再出発に期待がかかる。さっそく観に行ってきた。

 じつはこのマジックショー、週刊ラスベガスニュースで取り上げるのは4回目で、3回目は昨年の12月、つまり前回からまだ一年も経っていない。
 なぜこのマジシャンばかりをひいきにしているのか、と思われるかも知れないが、特に意識的に応援したりしているわけではない。ただ、ひんぱんに取り上げる理由はある。
 それは、マジックショーであるということ。そしてこれまで何度も公演会場が変わり、そのつどショーの内容も会場のサイズなどに合わせて変化しているからだ。

ダークアーサー  マジックショーは、言葉がわからなくても楽しめるという意味で、さまざまな国から観光客がやってくるこの街にとってはナイトショーの王道といってよい。
 しかしながら、シルク・ドゥ・ソレイユの勢力があまりにも大きくなってしまったためか、ランス・バートン、ジークフリード&ロイといった花形マジシャンがいた時代に比べ、最近はマジックショーの存在感が相対的に低下傾向にあるのも事実で、デイビッド・カッパーフィールドやクリス・エンジェルがなんとか頑張ってはいるものの、全体としてマジックショーはあまり目立った存在ではなくなってきている。
 それでも日本からの観光客にとってマジックショーは、シルク・ドゥ・ソレイユを除けば最も親しみやすい人気ジャンルのようで、「おすすめのマジックショーは?」 といった質問は今も昔も少なくない。

ダークアーサー  そのようなわけで、今までのリビエラホテルの会場からウェストゲートへ移籍したのを機に、また新たにこのショーを取り上げるわけだが、結論から先にいってしまえば、これまで彼がさまざまな会場で演じてきた公演の中で一番出来が良いと思われる。また、現在ラスベガスで公演されているすべてのマジックショーと比較しても、最も日本人に適したショーといってよいのではないか。
 ちなみに3週間前のこのコーナーで、同じくマジシャンのマット・フランコを取り上げたが、ダーク・アーサーと彼は、内容的にまったく異なる対極的なポジションにいる。マット・フランコは手先の器用さを活かしてトランプなどを華麗に操るマジシャン、こちらダーク・アーサーは大掛かりな仕掛けを使って人間や動物を瞬時に出したり消したりするビッグ・イリュージョン系のマジシャンだ。
 どちらがいいかは好みの問題で意見が分かれるところだろうが、大多数の一般的な観光客は後者のほうを好むのではないか。豪快なイリュージョンのほうが華やかなラスベガスの雰囲気に合っているからだ。そう考えると、このショーはベガスを代表する日本人向けのショーと位置づけていいような気がする。

 さて気になるショーの内容についてだが、それを具体的に細かくコメントしていると、「ネタバレになる」といったお叱りを受けることになるので、あえて細かい部分に関しては割愛するとして、とにかくすごい大魔術のような出し物が多く、ビックリさせられることが非常に多いのがこのショーの特徴だ。
 ちなみに登場するのはトラだけではない。ヒョウ、黒ヒョウ、アヒル、ハト、ニワトリと多彩だ。またトラも、通常のトラだけではなく、ホワイトタイガーも登場する。そしてこれら動物のほとんどすべてが、瞬時に現れたり消えたりするからなんとも不思議だ。

ダークアーサー  ダーク・アーサーのこれまでのショーを観たことがある人は、「それら動物は以前からも登場しているので何も変わっていないのではないか」と思うかもしれないが、そうではない。
 今回の会場は、かつてのラスベガスヒルトンのメインシアターで、バリー・マニロウなどがコンサートを行っていた立派な会場。逆にこれまでのダーク・アーサーが使ってきた会場は、シルバートン、オーシェーズ、リビエラなどの場末風の非常に小さな劇場だったため、今回の移籍で物理的な条件が大きく改善したことになる。当然のことながら仕掛けの規模なども変わってくるので、披露できる演目の幅も広がってくる。実際に従来の会場に比べて、はるかにのびのびと演じているように見受けられた。
 さらに、今までと異なるのは仕掛けなどの物理的な条件だけではない。彼が飼育している動物の中から新たに子供が生まれることもあり、その場合、その成長とともにステージに上がれるようになるため、出演動物の顔ぶれも変わってくる。今回も2歳になったホワイトタイガーが新たにデビューした。

 そのようなわけで、従来バージョンをすでに観ている人にとっても新鮮な気持ちで楽しむことができる。もちろんこれまでと重複している出し物も少なくないが、どれもタネがわかりにくいものばかりなので、何度観ても飽きることがない。ストリップ地区のホテル街の中心地からはやや遠いという不便さはあるが、観に行って後悔するようなショーではないので、ぜひ足を運んでいただきたい。
 公演は、日曜日を除く毎日午後4時開演。チケットは 65ドル〜110ドル(税・手数料込み)となっているが、どのチケットを買っても会場の中心付近に座れるようになっているので (2階席もある大きなシアターだが、すいているため、結局全員を1階の中央付近に案内してくれる)、一番安いチケットでよい。
 チケット売り場は、ウェストゲートの正面玄関を入ってカジノフロアの左奥、シアターの位置は右奥。念のため、ディスカウントチケットショップ Tix 4 Tonight で販売されるかどうか確認したほうがいよいだろう。

バックナンバーリストへもどる