週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2015年 8月 5日号
必見! 市川染五郎が演じる超巨大な 『鯉つかみ』
 すでに日本でも広く報道されている通り、8月14、15、16日の夜、歌舞伎役者の市川染五郎と中村米吉が、ゴージャスな噴水ショーでお馴染みのベラージオホテルの前庭にある広大な池で超巨大な 『鯉つかみ』 を演じる。

歌舞伎 at ベラージオ  これがとにかくすごい。いや、まだ当事者たちも 「やってみなければわからない」 とのことなので、すごいことになりそうだ、というのが正しいかもしれない。
 とにかく実際の舞台の規模も環境も、さらには発想も技術も、すべてこれまでの歌舞伎の概念や伝統を超越したものになるとのことで、歌舞伎ファンのみならず、そして日本人のみならず、人種、年齢、性別、国籍を問わず、当日ラスベガスにいる者は絶対に観るしかない壮大なスペクタクルになることはほぼまちがいないだろう。

歌舞伎 at ベラージオ  日本の伝統エンターテインメントの代表格である歌舞伎を、世界のエンターテインメントの中心地ラスベガスのど真ん中で演じるという日本人としては何とも誇らしい今回の企画。
 実現にはさまざまな難題や困難があったようだが、それらを乗り越えて現実のものにしてくれた興行主の松竹、そして技術面での全面サポートに名乗りを上げてくれたパナソニック、場所を提供してくれたベラージオホテル、さらには世界に冠たる目抜き通りザ・ストリップを4日間にわたり3車線閉鎖という舞台設営のための工事を許可してくれたラスベガスの関係当局、すべてに敬意を評したい。

歌舞伎 at ベラージオ  先週その工事が終わり、音響、照明、噴水などを制御する専門スタッフ用のブースも設営されたので、はたしてどのような演出がなされるのか、8月2日、それを聞くためにさっそく現場へ取材に行ってみた。(右の写真は松竹提供)
 しかし残念ながら、現時点で現場に入っているのは技術部門のスタッフがほとんどで、松竹の主要関係者はまだ日本でリハーサル中らしく、役者の動きなど台本的なことに関する情報を得ることはできなかった。
 ただ言えることは、あまりにも大掛かりな舞台環境であることから、関係者のだれひとりとして、まだ本番と同じ状態でリハーサルをしていないため、何がどうなるかまったくわからないということ。
 ちなみに舞台の大きさは上手(かみて:右端) から下手(しもて:左端)まで 50メートル。これだけでも歌舞伎座などでの通常の公演ではあり得ない巨大サイズだが、なんとそれに幅200メートル近い噴水のスクリーンが加わる。

歌舞伎 at ベラージオ  ちなみに実際の歌舞伎公演で『鯉つかみ』を観た経験がある者にとっても、今回の舞台のサイズや設備ではどのような演出になるのか、まったく予想できないという。(右の写真内の噴水の手前に見えている部分が今回設置された舞台)
 また、巨大であることや噴水をスクリーンに使うという部分以外にも、現時点におけるこの舞台には花道や大臣囲い(だいじんがこい)などが見当たらず、また迫り(セリ)もこのあと設置されるのかどうかもわからないため、役者がどこからどうやって登場し、池の水をどのように使うのかなども想像しにくいようだ。さらに広大かつ騒々しい屋外なので拍子木なども含めた音の演出も今の時点ではまったくわからない。
 松竹側の広報資料などによると、米吉が赤い衣裳の姫から青い衣裳の鯉に変身するところが見どころらしいが、その鯉の大きさも、いかほどか。まったく想像できない。
 想像できないといえば、当日の混雑度合いもまったく予測不能で、関係者はかなり心配しているようだ。というのも、屋外で演じられることから入場料など一切ないため、身動きができないほどの大混雑も予想される一方、歌舞伎などにはほとんどだれも興味を示さず、平常時の噴水ショーとほとんど変わらない人出ということもあり得るからだ。

 いずれにしても、何もかもがわからないことだらけのこの『鯉つかみ』。日本の伝統芸能と最先端のテクノロジー、それに広大な池という3つの要素がそろって実現するラスベガスならではの壮大かつゴージャスなスペクタクルになることはまちがいないので、ぜひ足を運んでいただきたい。
 上演時刻は 8月14日が 21:15、15日と16日が 21:15 と 23:30 の計5回。それぞれの上演継続時間は 20分少々。
 なお、今回の5回の上演は、「Japan KABUKI Festival in Las Vegas 2015-2016」 のオープニングイベントという位置づけで、2016年5月に予定されている劇場版の歌舞伎公演のテストでもある。すべての成功を祈りたい。

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