週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2015年 7月 29日号
お盆休み期間中のコンサートはオリビア・NJで決まり!
 日本人観光客にとって、ラスベガスでナイトショーといえばシルク・ドゥ・ソレイユばかりが人気のようだが、「お盆休みにラスベガスへ行ったらスーパースターのコンサートを観てみたい」 と思っている人も少なくないはず。
 そんな人におすすめなのが、オリビア・ニュートン・ジョンのコンサートで、公演スケジュールは日本の夏休みにピッタリ合わせたような 8月4日から8月22日まで。(ただし日曜日と月曜日は除く)

オリビア・ニュートンジョン  このコンサートはフラミンゴ・ホテルにて昨年4月以降、常駐公演に近い形で頻繁に開催されており、決して珍しいわけではないが、なかなか日本の休暇の時期と合わなかったりすることが多かったので、この時期にベガス旅行を予定している人にとって今回の8月の公演はまたとない絶好のチャンスだ。
 チケット料金も良心的なので (後述する方法で買えば $47)、せっかくの機会、ぜひ会場に足を運んでみるとよいだろう。

 なお、全盛時代のオリビアを知らない若年層には楽しめない可能性があるので要注意。あくまでも彼女に思い入れのある中高年世代のためのナイトショーと考えたい。
 というのも、他のスーパースター、たとえばセリーヌ・ディオン、マライア・キャリー、エルトン・ジョン、ブリトニー・スピアーズなどのコンサートと比べると、会場も舞台設備も演出も非常にシンプルで、オリビアそのものを楽しむ以外には、他の部分で楽しめる要素が少ないからだ。
 ちなみに衣装すらほとんど変えることがない。最後の2〜3曲の部分で一度だけ簡単に着替えるものの、最初から最後まで黒のジャケットと黒のパンツ姿 (羽織る上着だけ、ときどき着たり脱いだりすることがある) という実に質素ないで立ちで歌い続ける。
 つまりこのコンサートには、「次はどんな衣装で登場するのだろう」 といった楽しみはほとんど期待できないし、また期待する必要もない。舞台設定もこれといった派手な装飾やからくりなど一切なしで、こちらも一度も変わることなくシンプルな白一色の生バンド用の数段のステップが用意されているだけだ。
 バックダンサーなどもまったくのゼロ。着替えや舞台セットのチェンジがないので、合間に行なう余興のようなものも一切不要。彼女以外に登場するのは楽器奏者とボーカルの合計 7人だけだ。

オリビア・ニュートンジョン  では何がよいのか。それはもう単純明快で、彼女ほどのスーパースターに至近距離で会えるということ。それに尽きる。
 そもそもこのショーは、オリビア・ニュートン・ジョンという人物だけの直球勝負の飾り気なしのコンサート。その主役を近くで見ることができればそれで十分というわけだ。
 ちなみにベガスで開催されている他のコンサート(前述の4人など)の会場は 4000席もあるような巨大なシアターで、そこではとんでもなく高いチケットを買わない限り、スターの顔は豆粒ほどの大きさにしか見えない。
 一方、こちらの会場は、ほとんど使用していない2階席を含めても 800席程度の小さなサイズで、通常は 300〜400人ほどしか入れていない。

 そんな会場で、「撮影禁止」などの場内のアナウンスが一切ないまま彼女が突然前ぶれもなくステージに登場。いきなり至近距離から観客一人ひとりの目を見ながら手を振ってくれたりする。中央付近よりも前の席であれば、彼女と視線が合う瞬間もハッキリと体感できるはずだ。
 ファンであればまさに至極の一瞬ではあるが、多くの人はそこで、「彼女は本当に本人なの? そっくりさんのショーではないのか...」 と半信半疑で自分を疑うことになる。ここベガスには、そっくりさんのショーが多いので無理もない。チケットの値段が他のコンサートの3分の1以下となればなおさらのことだ。

 1970年代から80年代にかけてイギリス、オーストラリア、アメリカで一世を風靡していたスーパーアイドル時代のオリビアを知るファンにとって、彼女は青春時代の偶像であり、絶対に会えることのない夢の中の妖精のようなもの。
 そんな彼女が自分の目の前にいることなど、にわかに信じられるはずもないのか、会場内の大多数を占める中高年の観客は、彼女がいきなり歌い始めた「Have You Never Been Mellow」(日本名: 「そよ風の誘惑」) に先制パンチを食らったかのように呆然としながら頭の中が現実と青春時代を行ったり来たりしているように見える様子がおもしろい。
 すぐに彼女は、「私は本物よ、これを聴けば青春時代を思い出すでしょ」 と言わんばかりに、彼女の黄金期の曲、「ザナドゥ」 と 「マジック」 を立て続けに当時と同じアレンジで歌い始める。
 「あのオリビアと同じだ! やっぱり本物だ!」 と気づくと、会場内全体が過去にタイムスリップしたかのように興奮の渦に巻き込まれ、一部のファンは早くもスタンディング・オベーションに。

 その後は彼女のトークを交えながら、ジョン・トラボルタと共演した映画 「グリース」 など過去の輝かしい時代の映像をバックに数々のヒット曲を熱唱してくれる。
 もちろん彼女が得意とするところのカントリーのコーナーもあり、自身お気に入りのジョン・デンバーのカバー曲 「Take Me Home, Country Roads」(日本名: 「故郷に帰りたい」) なども熱唱。そして 「You're the One That I Want」(同: 「愛のデュエット」) で場内の興奮はピークに達する。

 このコンサートの良いところは観客との一体感だろう。というのも、セリーヌ・ディオンやマライア・キャリーなど、全盛期もしくは全盛期を過ぎてまだ時間がそれほど経っていないスターの場合、幅広い世代の間で名前が知られているため、特にファンでもないという人でも、「名前だけはよく知っている。せっかくラスベガスに来てそれを聴くチャンスがあるのなら...」 といった流れで会場に足を運んでしまいがちで、そのような人たちにとっては披露される曲の多くを知らないことになり、結果として会場全体が盛り上がりにくい。
 一方、このオリビアの場合、全盛期を過ぎてかなり時間が経過しているため、世代が異なると知名度が低く、知らない人は足を運ばない。結果的に会場にいるのはファンばかりということになり、曲もほとんどすべて知っているため盛り上がる。
 もちろんファンばかりのコンサートはぜんぜん珍しいことではないし、むしろそれが普通であるが、このコンサートにおいてはそのファンが中高年ばかりということ。そんな雰囲気を承知の上で行くぶんにはかなりコストパフォーマンスの高いすばらしいショーといってよいのではないか。

 ちなみにこの夏休み時期、日本人の間でも知られる有名どころの常駐コンサートのスケジュールはあまり入っていない。
 セリーヌ・ディオンは 8/27 から始まり、ロッド・スチュワートの 8月公演は土、水、日のみ、ブリトニー・スピアーズもお盆時期は水、金、土だけで、エルトン・ジョンは 10月まで出演予定はなく、マライア・キャリーもしばらく予定は入っていない。

 オリビアの公演スケジュールは冒頭でもふれた通り、日曜日と月曜日を除く 8/4〜8/22 の 7:30pm 開演。場所はフラミンゴホテルのカジノフロア内にあるシアター。
 チケット料金は、食事や彼女の写真がセットになったVIPチケットなどいくつか種類があるが、ショーを観るだけであれば、劇場が狭いので一番安い席で十分。公式サイトでは $70 以上するが、Tix 4 Tonight で買えば、税金や手数料などすべて込みで 47ドル。なお、Tix 4 Tonight で買ったチケットは実際のチケットではなく引換券なので、一度フラミンゴのボックスオフィスへ出向きチケットに交換する必要がある。
 チケットには座席番号などが印刷されているが、実際には指定席ではなく Maitre によるエスコート制だ。5ドルでも 10ドルでも手渡せば良い席に案内してもらえる可能性が高い。(このエスコート制に関しては [ナイトショー]セクションの最上段にある 「ナイトショーに関する一般知識」内に掲載)
 ボックスオフィスはチェックインカウンターからカウンターに対して直角の方向に 20m ほど進んだ付近の左側。Tix 4 Tonight に関する詳しい情報は、このラスベガス大全のバックナンバー第912号に掲載。

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