週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2015年 2月 4日号
シーザーズ社の倒産、一般の利用者には特に影響なし
シーザーズパレス  全世界で38ヶ所、そしてラスベガスでも9軒のカジノホテルを持つ世界最大のカジノ運営企業シーザーズ社が、このたび正式に倒産した。
 日本の経済ニュースなどでも報道されているのか、多くの読者から 「すでに宿泊予約をしてしまっているが、大丈夫か?」 といった問い合わせが寄せられている。
(右上の写真は 2月3日に撮影、クリックで拡大表示。この写真内の広告塔の通り、同社の旗艦ホテルであるシーザーズパレスでは、ロッド・スチュワートのコンサートが平常通り開催されている)

シーザーズパレス  結論から先に書くならば、一般の利用者にとっては特に大きな影響はないと考えてよいだろう。つまり、あえて別のホテルに予約を切り替えたりする必要はない。ちなみに同社がラスベガスで運営しているカジノホテルは、右の地図のグリーンで示された9ヶ所。

 日本円換算で2兆円を超える借金の返済に行き詰まり、アメリカで俗にいうところの 「チャプター・イレブン」(Chapter 11: 米連邦破産法第11章) によるヒヤリングが、今週の月曜日からシカゴの裁判所で始まるなど、かなり大きなニュースになっているが、日本の会社更生法や民事再生法に近い倒産処理と考えれば、短期間のうちにホテルやカジノが閉鎖されるような大きな変化はないはずだ。
 日本航空が倒産した際、飛行機は飛び続けたのと同じと考えればよいだろう。
 つまり、被害を被るのは社債保有者、金融機関、納入業者などを中心とする債権者 (シーザーズ社から貸付金や売掛金を回収する権利がある者) であって、宿泊予定者が予約時に支払っているデポジットなどが回収不能になったり、営業停止で宿泊できないといったトラブルに遭遇する可能性は限りなくゼロに近い。

 ただ、長期的にはどうなるかわからない。特に今回の騒動は、単なる資金不足だけでなく、倒産の回避を目的に子会社を設立し、運営権、資産、債務、債権を複雑に移し替えたりしたことに対する法的な論争も含まれているなど、主要債権者側の主張や争点が通常のチャプター・イレブンとは少々異なっており、思いもよらぬ方向に進む可能性はある。
 債権放棄の範囲はもちろんのこと、受け皿となる企業が現れるのかどうか、新たな経営陣はどのような形になるのかなども含めて、まったく見通しが立っていないというのが、業界関係者の見方だ。
 一般消費者はほぼ間違いなく保護されるとはいえ、予約していたホテルの運営が一時的に滞るなどの不便に遭遇しないとも限らないので、半年後や来年などの長期的な予約は、しばらく様子を見てからにしたほうがよいかもしれない。



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