週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2015年 1月 28日号
スーパーボウル、両チームの賭け率はほぼ互角
スーパーボウル、スポーツブック  今年もまたスーパーボウルの季節がやってきた。2月1日、アリゾナ州フェニックスで開催される。
 「スーパーボウル」 とは、アメリカン・フットボールのプロリーグ NFL のチャンピオン決定戦のことで、全米最大のスポーツイベント。
 7試合制の大リーグ野球のワールドシリーズとは異なり、1試合だけの一発勝負のためか、その注目度は半端ではなく、もはや冬の風物詩ともいえるアメリカの国民的行事だ。
 一方、日本人にとってはダルビッシュや田中がプレーする大リーグ野球とはちがい、日本人選手がだれも参加していないので、それほど関心が高いとは思えないが、なぜか民放のスポーツニュースはおろか NHKの一般のニュースでも大きく報道されているというから驚くばかり。
 というわけで、ここの読者の中にもこのビッグイベントに興味がある人がいそうなので、ラスベガスのカジノにおける賭け率や賭け方について取り上げてみたい。

スーパーボウル、スポーツブック  試合当日は、アメリカ国民の多くがテレビ観戦をすることになるわけだが、ギャンブル都市ラスベガスにおいては観戦するだけでなく、地元民はもちろんのこと観光客も、そして日ごろ賭けごとやフットボールにまったく縁がない者までもがカジノへ足を運ぶ。
 その過熱ぶりはすさまじく、カジノ側も元スター選手を招いての解説や予想イベント、そして大型スクリーンでの観戦パーティーなどを競って開催するなど、年に一度のビジネスチャンスに余念がない。チーム名すら知らない者や、ひいきチームを持たない者までもが楽しめるようにさまざまな賭けが用意され、この日ばかりは老若男女がお祭りムードに酔いしれる。もちろんギャンブルなので、「若」 と言っても未成年 (21歳未満) は対象外であることは言うまでもない。
 なお、青少年も観戦する神聖なるスポーツを賭けの対象にすることに対して、主催者である NFL組織が強く反対している関係で、Super Bowl という固有名詞をカジノ内で使うことが法律論争になりやすく、近年カジノでは Pro Football Championship という表現を使う傾向にある。したがって、現場の電光掲示板などでスーパーボウルに関する情報を探す際は注意が必要だ。(右下の写真においても、Super Bowl の代わりに Pro Football Championship が使われていることが見て取れる)

スーパーボウル、スポーツブック  今年の対戦カードは 「ニューイングランド・ペイトリオッツ 対 シアトル・シーホークス」。
 ラスベガスのカジノにおける両チームの下馬評は、まったくの互角か、ごくわずかだけペイトリオッツが有利と見られており、具体的なハンデ (現場では 「ポイント・スプレッド」 と称されることが多い) は 「PICK」 から 「ペイトリオッツのマイナス 1.5点」 までの間で推移している。(右上の写真は、ペイトリオッツに対してマイナス 1点 のハンデを付けているカジノのオッズ掲示)
 ちなみに PICK とは、カジノ用語でハンデ無しのこと。そして 「ペイトリオッツのマイナス 1.5点」 の意味は、ペイトリオッツに賭けた者は、ペイトリオッツが 2点差以上で試合に勝たなければカジノでの賭けは勝ちにならないことを意味し、逆にシーホークスに賭けた者は、実際の試合でシーホークスが負けても 1点差であれば、カジノでは勝ちになり払戻金を受け取れることになる。
 なおこのハンデの数値は各カジノによって異なり、また時間と共に変化し得るもので固定的なものではない。ちなみにこの試合のカードが決まった直後の 1月18日の時点では、シーホークスのほうが有利と見られており、「シーホークスのマイナス 2.5点」 といった瞬間もあったが、27日現在、シーホークスにマイナスハンデを付けているカジノは見当たらない。
 このようなハンデ込みの賭けの場合の払戻金は、原則としてどちらのチームに賭けても同じ倍率になるのが普通で、つまり 100ドル賭けた場合は、自分の賭け金も含めて 200ドル戻ってくることが期待されるが、実際にはカジノ側が手数料を取るので 200ドルよりやや少なくなる。(その手数料率はカジノによって異なるが、以下で示す 「マネーライン」 でいうところの -110 か -105 に設定しているカジノが多い)

スーパーボウル、スポーツブック  「的中しても、賭け金が倍になる程度ではおもしろくない」 という人には、配当金が高倍率になるような賭けも用意されており、また逆に、「配当倍率は少なくてもかまわないので、高い確率で的中する賭けがいい」 という人のための賭けもある。
 右の写真がそれらの賭けで、たとえば一番下の2つ、つまり整理番号 7123 と 7124 が高勝率と高倍率の賭けだ。
 その 7123 と 7124 の賭けの意味は、シーホークスにマイナス 14.5点という条件を付けて勝敗を当てる賭けで、その条件でペイトリオッツに賭けて的中した場合の配当倍率は -900、シーホークスに賭けて的中した場合の配当倍率は +550 ということになる。
 これだけでは何のことだかわからないはずなので説明すると、このプラスやマイナスの記号には、数量の大小など数学的な記号としての意味はない。単なる印だと考えればよい。プラスが付いている賭けのほうを 「アンダードッグ」(underdog)、マイナスが 「フェイバリット」(favorite) と呼び、それぞれ負けそうなほう、勝ちそうなほう、と考えればよい。
 そしてその記号のあとに続く数字については、プラスの記号が付いた勝ちそうもないほうの数字が 「100ドルを賭けて的中すると、その金額を受け取ることができる」 ということを意味し、マイナス記号が付いた勝ちそうなほうの数値は、「100ドル勝ちたかったらその金額を賭けなさい」 という意味だ。
  つまり 7123 と 7124 の場合であれば、シーホークスにマイナス 14.5点という条件でシーホークスに $100 賭けて的中すると (シーホークスが実際の試合において 15点以上の差を付けて勝つと)、$550 受け取れる。つまり賭け金も含めれば $650 払い戻されることになる。逆に、ペイトリオッツに $900 賭けて的中すると (実際の試合において勝つか、負けたとしても 14点差以内であれば)、$100 の利益と $900 の元金、合わせて $1000 が戻ってくる。
 なにやらわかりにくい表示方法だが (この表示方法が伝統なので仕方がない)、参考までに、マイナスで表示されるフェイバリット側の賭けの数値の絶対値 A から、一般的な表記の払い戻し倍率 B を求める計算式は、 B = (100 / A)+ 1 で、今回のこの 7123 の賭けの場合は 1.11倍ということになる。なおアンダードッグの数値の場合は倍率そのままなので計算式で換算するまでもない。

 その他にもたくさんの賭けが用意されているので、自分に合った賭けを選ぶとよいだろう。たとえば、どちらのチームが強いのか弱いのか、もしくはどちらのチームが好きか嫌いかなどにまったく興味がない人たちに人気があるのが Over / Under という賭けだ。今年のスーパーボウルにおけるこの数値は現在 48 となっている。
 これはどちらかのチームに賭けるというものではなく、両チームの合計得点がこの数値を超えるか超えないかを当てる賭けだ。これに賭けた場合の試合観戦スタイルは、「どっちのチームでもいいから、とにかく早くたくさん点を取ってくれ!」、もしくはその逆に 「点を取るな!」 といったカタチで応援することになる。
 配当倍率は、Over も Under も -110 が一般的。つまり 100ドル勝つためには 110ドル賭けなければならない。(カジノによっては -105 の場合もある)
 どの賭けに参加するにせよ、その方法は非常に簡単で、各カジノのスポーツブックの窓口に出向き、賭けの整理番号と金額を告げるだけ。この時期にラスベガス滞在を予定している人は、せっかくなのでぜひ参加してみるとよいだろう。大勢の人たちと大画面の実況中継を見ながら盛り上がる興奮とスリルは、勝っても負けても思い出に残ることうけ合いだ。



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