週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2014年 12月 03日号
Le Rêve、300万ドルのリニューアルで新たに噴水ショーを追加
ラ・レヴ, ラレヴ, ルレヴ  先週の月曜日、ラスベガス屈指の規模を誇る大型高級ナイトショー Le Rêve がリニューアル・オープンを果たした。
(Le Rêve はフランス語、意味は夢。日本語では 「ル・レヴ」 と表記されることが多いようだが、フランスでの発音はともかく、ラスベガスにおける英語での発音は 「ル・レヴ」 よりも 「ラ・レヴ」 に近いので、以下 ラ・レヴと表記)

ラ・レヴ, ラレヴ, ルレヴ  ラ・レヴは9年前、高級ホテル、ウィン・ラスベガス内の専用シアターで始まった水上 & 空中ショーで、とかくシルク・ドゥ・ソレイユの 「オウ」 と対比されることが多い。どちらのショーも水上と空中を使った演出になっているからだ。
 「オウとまったく同じ」、「ほとんど同じ」 といった酷似論から、「似て非なるもの」、「ぜんぜんちがう」 といった相違論まで意見はさまざまだが、水をたたえたプールがステージそのものというコンセプトの部分はまったく同じといってよい。
 したがって、細かいところにこだわらなければ、両者はたしかに類似しているが、決定的なちがいもある。それはシアター全体の形状で (写真右上、クリックで拡大)、ラ・レヴのステージは円形になっており、客席はその外周に存在。つまり全体が円形であるため、ステージに向かって端の席とか、ステージの一部が見えないといったいわゆる悪い席がなく、結果的にチケットを買う際に悩む必要がほとんどない。これはオウに対するこのショーの最大のアドバンテージといってよいだろう。

ラ・レヴ, ラレヴ, ルレヴ  そんな ラ・レヴの今回のリニューアル。来年の10周年に合わせての改良とのことだが、かかった費用は約300万ドル。これを大きいと見るか小さいと見るかは意見が分かれるところだが、他のショーにおけるリニューアルと比べて注目したい点は、その費用の大部分がハードの刷新につぎ込まれているということ。
 つまり、一般のショーのリニューアルでは、演目の入れ替えなどソフト的な部分が中心となりがちだが、今回の場合は、172機の噴水装置、16機の火炎放射器、120機のLED照明をそれぞれ新設するなど、装置や施設の改良に重点が置かれている。当然のことながら物理的な環境が変われば演目も刷新されるのが普通であり、このたびのリニューアル・オープンは各方面から大いに注目されていた。

ラ・レヴ, ラレヴ, ルレヴ  さて実際にオープンしてみてどうだったのか。結論から先にいうならば、全体としてはあまり大きな変化は見られず、一ヶ所だけが劇的に変わったといった感じで、改良箇所は思ったほどは広範囲ではなかった。
 もう少し正確に表現すると、新たに導入された装置の利用により全体の演目に対する表現が大きく変わったのではなく、多くの演目はこれまでとほぼ同じ形態のままで表現され (もちろん多少の変更は見られるが)、まったく新しい演目が一つだけ追加された、ということになる。つまり、300万ドルの装置は、その演目のためだけに導入されたといっても過言ではない。

ラ・レヴ, ラレヴ, ルレヴ  ではどんなものが追加されたのか。それはずばり噴水。時間にして約4分。
 エンディングの直前に披露されるその演目には Denouement というタイトルが付けられており、フランス語で、大詰め、結末、終局、さらには大団円といった意味もあるというから、まさにこの上なくドンピシャリのネーミングだ。
 残念ながらこの Denouement の写真はまだ用意されていないので、ここで披露することはできないが (右上の写真は Denouement ではない)、水はもちろんのこと光や煙も使った華麗な演出にはだれもが感動するはずだ。
 この噴水ショーを詳しく表現するのはむずかしいが、ベラージオホテルの前庭で行われている噴水ショーとどことなく似ているので、それを観たことがあれば、その屋内版と考えるとよいかもしれない。もちろん屋内なのでベラージオのものよりも規模は小さいが、こちらの光は多彩なカラー、さらに火も加わっているので、内容では負けていない。

ラ・レヴ, ラレヴ, ルレヴ  ベラージオに似ていると書いたが、それもそのはず、新たな装置や演出を手がけたのは、ベラージオの噴水をデザインしたWET社で、さらに今回のリニューアル計画にはこのホテルの主であるスティーブ・ウィン氏も関わっているという。
 ちなみにウィン氏はベラージの噴水、そしてベラージオホテルそのものをクリエイトした張本人。そしてシルクのオウをベラージオに誘致したのもウィン氏だ。(現在のベラージオはMGM社が所有しており、ウィン氏のものではない)
 もはやラ・レヴも、その中の一部である Denouement も、そしてオウもベラージオの噴水も、すべてウィン氏がかかわっていたわけで、似ていること自体なんら不思議ではない。

ラ・レヴ, ラレヴ, ルレヴ  ここまで読んだ時点で、ラ・レヴとオウ、どっちを観るべきか、悩んでいいる人も多いにちがいない。その悩みは質問となって、こちらにもしばしば寄せられるわけだが、好みは人それぞれなので、甲乙を付けるのはむずかしい。つまりラ・レヴ派もいれば、オウ派もいて評価は分かれている。
 ただチケットの売り上げ的にはオウのほうが明らかに上で、知名度もオウのほうが高い。その差が内容の差から来ているのか、シルクというブランドの差によるものなのかは何ともいえないが、内容に大きな差があるようには見えないので、たぶんブランドの差と思われる。ブランドにこだわらず、良い席で観たいという場合は、ラ・レヴのほうがお勧めかもしれない。

ラ・レヴ, ラレヴ, ルレヴ  公演は水曜日と木曜日を除く毎日 7:00pm と 9:30pm。チケット売り場はウィン・ラスベガスのこの劇場のすぐ手前。
 チケット料金は、大多数の部分を占める Premium Seat と呼ばれるセクションが $134、最前列2列の Splash Zone 席が $105、一番外側の外周部分にあるゴージャスなソファー席 (写真右) の VIP セクションが $195 (シャンペンとチョコレートが座席のテーブルに運ばれてくる)、VIP セクションと同じ席だがミネラルウォーターしかサーブされない Dream Seat と呼ばれる席が $159。
 それぞれの料金にチケット発行手数料 $7.50 が加算され、さらにその合計に 10% のライブ・エンターテインメント税が加わる (その代わり消費税は無い)。
 どの席からもステージは良く見え、悪い席は基本的に存在しないが、一ヶ所だけ避けたほうがよいかもしれない場所がある。それは2列ある Splash Zone のうちの最前列。そこの座席からは、目の前にある直径80cmほどの球形の照明装置が視界に入り気になる。
 なお、Splash と名前が付いていても、わずかに水しぶきを浴びることがある程度で、びしょ濡れになるような席ではない。したがって視界はどこもほとんど同じという前提で、料金的なことを考えると、Splash Zone の2列目がベストということになる。



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