週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2014年 02月 19日号
ロカビリーがテーマで、小麦粉と大きさが自慢のピザ店
Pin-Up Pizza  先週のこのコーナーでは、「日本人の味覚に合う洋食の代表格」 としてハンバーガーを取り上げたが、今週は、ハンバーガーと双璧をなすほど日本に定着している洋食、ピザの話題をお届けしたい。

 「洋食に飽きてもピザなら食べられる」 という人はかなり多いのではないか。そんな人に朗報となりそうなのが、今月7日、ストリップ地区のほぼど真ん中にオープンしたピザ店 Pin-up PIZZA だ。(仮オープンは先月末)
 プラネットハリウッド・ホテル前の歩道に面した絶好のロケーションにあり、日本人観光客がよく利用するベラージオ、パリス、コスモポリタンなどの各ホテルからも近い。なおこの店は単独店であって、チェーン店ではない。

Pin-Up Pizza  宣伝文句をそのまま紹介するならば、この店の特徴は次の3つ。
 ロカビリーをテーマにしていること、ピザのサイズがストリップ地区で最大であること、そして使用している小麦粉のブランドだ。
 順を追って説明すると、まずはロカビリー。ロカビリーとは 1950年代のアメリカの音楽文化で、広義の意味では音楽そのものだけでなく当時の衣装なども含めて称することもあるわけだが、この店がいうには、女性店員の衣装がレトロなロカビリースタイルになっているとのこと。
Pin-Up Pizza  たしかにそのピンナップがこの店の看板のデザインになっており(写真右上)、なおかつ店名にもなっているわけだが、実際の店員の衣装はどうかというと、あえて意識してみない限り、看板ほどレトロな雰囲気は伝わってこない。(写真右)
 「宣伝に偽りあり!」 とモンクのひとつも言いたくなるが、レトロ感の演出には衣装よりもヘアスタイルのほうが大きく影響したりすることもあるので、これ以上つっ込むのは酷かもしれない。それでもやはりせっかくコンセプトを打ち出したのであれば、ヘアスタイルにもこだわってほしかった、というのが多くの人の感想ではないか。

Pin-Up Pizza  次はサイズ。生地の重さ4ポンド(約1.8kg)、直径30インチ(約76cm)とされるこのピザは(写真右)、「The largest slice on the Strip」 とのこと。
 slice ということは、「ストリップ地区最大」 なのは、4ポンド、30インチのピザ全体ではなく、一切れのサイズのことと思われるが、念のためどちらなのか確認しようと店員にたずねてみたところ、だれもわからず、広報部門に問い合わせてみても返事は返って来なかった。
 もっとも、ピザ全体が最大であれば、一切れも最大になるのが普通なので、そんなことはどっちでもいいことなのかもしれない。

Pin-Up Pizza  ちなみにカットは、一般的に多く見られる 8枚切りではなく 10枚切り。それが理由なのか、1枚のサイズは largest という言葉ほどは大きいという印象は受けない。(右の写真内のピザの欠けている部分が1枚のサイズ)
 また見た目のみならず実際の量という意味でも、いわゆるシカゴ・スタイルと称される生地がぶ厚く周囲の土手も高いアメリカによくありがちなピザとはちがい、薄いナポリ・スタイルを標榜しているのでそれほどボリュームがあるわけではなく、小柄な日本人でも軽く食べ切れるサイズと考えてよいだろう。
 ということでロカビリー同様、サイズも 「大げさに宣伝しているほどでもない」 というのが正直な印象だ。

Pin-Up Pizza  さて最後は小麦粉。この店で使われているのは、本場ナポリの老舗製粉会社、カプート社の "00" というもので、おもに麦の中心部分にこだわった有名な小麦粉らしい。小麦の表皮の部分も多く含まれている "0" と比べると、より白く、よりなめらかな食感に仕上がるのが特徴のようだ。
 残念ながら不勉強なため、この "00" の使用がアメリカのピザ業界では珍しいことなのか、それともどこの店でも当たり前のように使われているのかわからず、この店の誇れる点として高く評価してよいものかどうか判断できないが、食べてみた限りの印象としては、かなり満足できるレベルのものだった。
 なめらかでありながら、サクッとした食感、つまり宣伝文句をそのまま借りるならば、smooth texture と crispy crust の両立を実現しており、この小麦粉に関しては 「宣伝に偽り無し」 と考えてよさそうだ。
 ただその評価も個人の好みでどうにでも変わってしまうもので、モチモチした食感を好む者にとってはマイナス点となってしまう可能性がある。

Pin-Up Pizza  店の形態は、きちんとしたレストランではなく、座席すらない超カジュアルな狭いファーストフード店だ。つまりその場で立ち食いか、持ち帰るしかない。
 したがってレジでは、「ここで食べていくのか、持ち帰りか?」 と、つまり 「Here or to-go ?」 と尋ねられることになるが、どちらにするにせよ、to-go と応えたほうがよいだろう。
 なぜなら、Here にすると、決して大きいとは言えない皿に乗せて出されることになり、ピザが大きすぎて皿からかなりハミ出し、扱いづらいばかりか、テーブルに接して不衛生だからだ。
Pin-Up Pizza  一方、to-go にすると、右の写真のような三角形の箱に入れてもらえる。
 「箱がムダになる!」 というエコロジスト以外は断然このほうが便利だろう。ちなみに皿を選んだとしても、それも使い捨てなので、決して環境にやさしいわけではない。
 とは言っても、皿よりも箱のほうがコストがかかっていそうなことはほぼ間違いないので、「その場で食べることがわかっているのに箱を使わせるのは店側に対して失礼」 という発想は正論だろう。各自の判断に任せたい。

Pin-Up Pizza  さて立ち食いといえば、その立ち食い用の細長いテーブルは店内のみならず店外にもある。(写真右)
 そしてその店外にあるテーブルは、ピザのスライスの形状をモチーフした三角形に配置されているとのことなので (角度が少々異なっているが、たしかにそのように見えなくもない)、それを意識しながら利用してみると楽しいかもしれない。
Pin-Up Pizza  またそのテーブルは人通りが激しい歩道に面しており、行き交う人々を見ながら食べるという一般の店にはない楽しみ方があったり、かなり手の込んだカラフルな広告が次から次へと切り替わるアリア・ホテルの巨大な電光広告塔(右上の写真内の黄色く見える部分)が目の前に見えたりするので、外で食べたほうが退屈しないはずだ。すっかり春めいてきたこれからの季節、ぜひ屋外で食べてみることをおすすめしたい。
 なお店内で食べていると、右上の写真のようなピザ生地を回すパフォーマンスを見せてもらえるので、店内にもそれなりのメリットはある。

 ピザの種類は、White、Cheese、Margherita、Pepperoni、Sausage、Artichoke、Meatball Parm の7種類。値段は1スライス、White と Cheese が $4.75、それ以外は $5.50。超一等地という立地条件を考えると、良心的な価格と言ってよいのではないか。
 コーラなどのソフトドリンクはサイズ順に $3.00、$3.50、$4.00。ビールは良心価格とは言えないが、米国産 $6.00、輸入モノ $7.00。
 営業時間は午前11時から深夜2時まで、金曜日と土曜日の夜は翌朝4時まで。場所は前述のとおりプラネットハリウッド・ホテルに面した歩道で、この店のとなりには、かの有名な Pink's Hot Dogs (バックナンバー 661号に詳細情報) がある。



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