週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2013年 10月 09日号
Playmate of the Year によるセクシーなショー PIN-UP
 先週取り上げた国立公園閉鎖の問題は、10月8日の時点で、まだ何も解決していない。その結果、グランドキャニオンやザイオンなど大自然系の景勝地を訪れるつもりでラスベガスに来た人たちの多くが、突然の事態に頭をかかえている。
 行きたかった場所へ行けないのは非常に残念だが、代替の行動プランを考えなければならないのも、これまたつらい。1日だけならまだしも、旅行日程の大半が大自然観光だったという人にとっては悲劇的な事態で、特にカジノに興味が無ければなおさらのこと、連日やることを見い出せずに時間を持て余しているのではないか。
 そこで代替行動としてだれもが思いつくのは 「ナイトショー三昧」 ということになるわけだが、「シルク・ドゥ・ソレイユはもう飽きた」 という人も多いはず。今週は、そんな人たちにぜひ観ていただきたいナイトショー PIN-UP を紹介してみたい。

Pin-Up  この PIN-UP、場所的にも内容的にも一般の日本人観光客には不向きなのか、これまでに日本語媒体の中で話題にされることはほとんどなかった。しかしこれが意外にもなかなかおもしろい。いや、人によってはまったくおもしろくないかもしれないが、少なくとも当地のメディアの間では評判が良く、同種のショーとしてはロングラン公演となっている。
 ロングランといっても初公演は今年の春。まだ一年にも満たない若いショーだが、新規にデビューするショーの大半が2〜3ヶ月以内に消えてしまっている昨今のベガスの現状を考えると立派なロングランショーといってよいのではないか。

Pin-Up  劇場があるのはストラトスフィアホテル (写真右) の中。このホテルに隣接するタワーこそ、それなりに有名だが、日本人観光客の多くが宿泊するストリップ地区の中心街から遠く離れた寂れた場所にあるため、タワーを見学しに行く以外、徒歩でぶらりと立ち寄れるような立地条件ではない。
 ショーの内容も基本的には歌とダンスだけで、特に珍しい要素を持っているわけではなく、「21歳未満不可」 と 「セクシー」 という言葉でアダルトショーであることを全面に押し出しているわりには、怪しげな演出もほとんどない。

Pin-Up  では何がロングランにさせているのか。それは主役のダンサー、クレア・シンクレア (写真右) の存在と、構成の独創性だろう。
 彼女は知る人ぞ知る 「Playmate」、つまり世界的に有名な男性向け娯楽雑誌 「PLAYBOY」 の表紙を飾るグラビアモデルで、なんと、おととし 2011年の 「Playmate of the Year」 に輝いたスーパーガールだ。
 毎月の 「Playmate of the Month」 に選ばれるだけでもすごい競争率で大変名誉なこととされるが、その中から毎年たった一人だけ選ばれるのが of the Year。
 これを選ぶのは、永遠の絶倫男として名高い PLAYBOY社の創業者ヒュー・ヘフナー氏(87歳) であることは広く知られるところだが、そのヘフナー氏が昨年、自身3回目の結婚をした際に選んだ 60歳年下の妻クリスタル・ハリスは 2009年12月の Playmates of the Month だ。つまり自分の妻にも与えなかった称号 of the Year をクレア・シンクレアに与えたということになる。

Pin-Up  そんな彼女が中心になってこのショーを進めていくわけだが、「1月」 から 「12月」 までの 12 の独立したテーマで構成されているところが独創的でおもしろい。つまり、「カレンダーガール」 をイメージした構成で、それ自体は特になんの意味ももたらさないが、全体の演出の数と、時間的な流れの中における現在の位置が明確にわかるためか、はっきりした理由や根拠はともかく、演出する側と観客側がうまく溶け込み一体感や安心感のようなものが会場全体に漂い、ほのぼのした雰囲気をうまくクリエイトしているところがこのショーの真骨頂といってよいのではないか。
 音楽の部分の評判も良い。この種の小規模なショー(会場のキャパシティーは250人程度) としては珍しく、録音音源ではなく、すべて生バンドによるライブ演奏だ。サックス、トランペット、トロンボーン、ギター、ベース、ドラムの6ピース構成で、技術的なレベルも非常に高い。このバンドが終始ステージの主要部分を陣取り演奏し続けるため、ビジュアル的にも役割的にも存在感は大きく、準主役といった感じの役目を果たしている。
 なお登場するのは、主役のシンクレアを含めて女性が5人、男性が1人、あとはこのライブバンドの6人の合計12人。

Pin-Up  演出そのものについては歌とダンスが中心なので、英語力はほとんど不要だが、「7月」におけるバンドメンバーの紹介、「11月」 のシンクレアによる自己紹介など、ほんの少しだけトークの部分もある。
 あまり細かく説明してしまうと観る楽しみがなくなってしまうのでほどほどにしておくが、「8月」 は傘や着物など、日本をイメージした演出が美しい。「9月」 の野球選手に扮した美女のタップダンスとドラマーの共演も見応えがある。ハロウインをテーマにした 「10月」 の最後の部分でシンクレアがトップレスになるシーンは絶対に見逃せない一瞬だ。

 全体のテーマとして 1950〜60年代のカレンダーガールの世界を描いているため、舞台装飾や衣装などすべてがレトロ調に仕上がっており、観客の年齢層もそれなりに高い。演奏される音楽もベンチャーズの曲など、かなり古い曲が中心だが、若い世代でもそれなりに楽しめるので、この種のショーに興味がある人は、ぜひ足を運んでみるとよいだろう。
 なお、アダルト系のショーだからといって男性客が中心というわけではなく、観客の多くはカップルで、男女比はほぼ半々。したがって老若男女向けのショーと考えてよい (ただし 21歳未満は入場不可)。
 公演は火曜日と水曜日を除く毎日夜10時半から。チケットは劇場があるフロアの下の階にあるボックスオフィスで購入可能。料金は $49.99 + 10% のライブ・エンターテイメント税。



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