週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2013年 09月 18日号
「高い、低い、広い」 のデスバレー、世界記録で注目度アップ!
デスバレー  遅ればせながら、世界記録100周年記念のセレモニーから 2ヶ月が経過したデスバレー国立公園に行ってきたので報告してみたい。
(右は、デスバレー地区内で最も低いエリアを縦断する Badwater Road。クリックで拡大表示)

 世界記録とは、1913年7月10日に観測された世界最高気温 56.7℃ (華氏 134度F) のこと。
 この記録は長らく、1922年にリビアのサハラ砂漠やイラクのバスラで観測された 58℃ に次ぐ世界第2位の高温とされてきたが、つい最近になってリビアやイラクの記録は、測定方法や測定機器が現代の基準とは大きくかけ離れたものであったことがわかり抹消され (実際には 54℃前後であっただろうと推測されている)、このたびデスバレーの56.7℃が、世界気象機関 (World Meteorological Organization: WMO) により、世界最高気温として正式に認定された。

デスバレー  その認定祝いと 観測 100周年を記念したセレモニーが7月に行われ、国立公園管理当局側はそれを機会にビジターセンター内の展示などを一新。「高い、低い、広い」 を新たなテーマに、全米屈指のユニークな大自然景勝地として全世界に向けてアピールすることになった。
(右の写真は、ビジターセンター近くに新たに設置された世界記録に関する掲示と、現在の気温を示す温度計で、示されている46℃は、この写真が撮影された 9月15日午後2時頃の気温)

デスバレー  「高い」 はもちろん世界最高気温を記録するなど、気温が非常に高くなるということ。
 「低い」 は高度が海面下にあることに加え、湿度が異常に低く乾燥していることを意味しており、ちなみにデスバレー内の最下点エリア 「バッドウォーター」 は地球上の西半球で最も低い海面下 86メートル、そして年間降水量は 30〜50ミリ (東京の年間降水量は約 1500ミリ) と全米で最も雨が少ない乾燥地帯とされる。(右上の写真は、海面下 100フィートの地点を示す標識)
 「広い」 は、アラスカを除くアメリカ本土の国立公園としては最大の面積を誇る超広大な国立公園であることを示唆している。
 さらに 「高い」 には、気温が高い Hottest 以外に、Highest の意味として、海面下の低いエリアに隣接する形で標高 3368メートルの 「テレスコープ・ピーク」 という高い山が存在する特異なコントラストと、そのすぐ奥にそびえるアメリカ本土最高峰の山 「マウント・ホイットニー」 (4421メートル) の存在も含まれている。

デスバレー  つまり、世界最高気温に認定されたことを機会にデスバレーは Hottest、Highest、Lowest、Driest、Largest という5つの形容詞の最上級を使ったマーケティングで特徴づけられ、これまでグランドキャニオンなどと比べるとあまり目立たない地味な存在であったこの国立公園がメジャーな存在に変貌しようとしている。
 ちなみに右上の写真は、ビジターセンター内のギフトショップで販売されている世界記録の温度 (華氏 134度) を示したTシャツ。このような記念グッズの販売によって、知名度の拡大を目指すマーケティング自体は大いにけっこうだが、温度表示が華氏だけというのはいかがなものか。これでは日本人は買わないだろう。アメリカ以外の大多数の国では摂氏が使われていることを考えると、真剣に取り組んでいるのか、心もとない。

デスバレー  そういった細かい点はともかく、デスバレーが、その知名度や注目度を大きくアップさせようとしていることはたしかで、ビジターセンター内の展示などもどんどん増えてきていることは頼もしい。特に学術的な展示は以前に比べてかなり充実してきているので、今後すごしやすい気温になってくるこれからの季節、すでに訪問したことがある者も含めて、ぜひ足を運んでみるとよいだろう。
 世界遺産にはまったく関心がないアメリカではあるが (その理由は、この週刊ラスベガスニュースのバックナンバー 819号の後半に記載)、気温世界一に認定されたことによりはしゃいでいるさまは、世界遺産に認定され盛り上がっている富士山などと変わらない感じで、なんとも面白いと同時に、今後どこまでデスバレーの注目度がアップするのか楽しみだ。場所は、ラスベガスから西に車で約2時間半の位置で、日帰り可能。(右上の写真は、「悪魔のゴルフコース」 と呼ばれるエリアで記念撮影をする観光客)



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