週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2013年 05月 22日号
シルク・ドゥ・ソレイユのチケット予約最新事情と座席情報
Magic Show  ラスベガスのナイトショーといえば、量的にも質的にもシルク・ドゥ・ソレイユ (以下、シルク) が他を圧倒している。
 現在開催されているシルクの常駐ショーを公演開始順に列挙してみると、ミスティア、オウ、ズーマニティ、KA、LOVE、クリスエンジェル、ザーカナ、そして今週からプレビューが始まるマイケル・ジャクソン・ワンの 8公演。
 他のいかなる都市においてもこれだけの数の常駐ショーを擁しているところはなく、まさにラスベガスはシルクの総本山といってよいだろう。

 当然のことながら、シルク公演の鑑賞を主たる目的としてラスベガスにやって来る観光客も多く、このラスベガス大全の読者から寄せられる質問の中でも、シルク関連はかなり目立ち、多くの読者がチケットの入手方法、不明瞭な手数料や LET税に対する疑問、数ある選択肢の中からの座席選び、などで悩んでいることがうかがえる。
 今週は、そんな質問に答えるべく、シルクの予約サイトに関する最新事情、およびシルクの中でもとりわけ人気が高いオウに関する座席情報について取り上げてみたい。
 また、手前味噌的な話になってしまうが、シルク公演の主催者である MGM Resorts International 社(以下、MGM社) とラスベガス大全がこのたびチケット販売において業務提携したことも合わせてお伝えしておきたい。

Magic Show  まず始めに、ショーそのものを演じる劇団と主催者のちがいについて。
 一般的にショービジネス業界においては、実際にショーを演じる者と主催者は異なのが普通で、主催者は、劇場施設を持っている企業、メディア、広告代理店などが担当することが多い。
 ラスベガスにおけるシルク公演の場合、主催者は劇場を所有している各ホテル、具体的には MGM社ということになる。
 MGM社は、MGMグランドホテルだけを運営している会社だと思ったら大まちがいで、ベラージオ、マンダレイベイ、モンテカルロなど、ラスベガスのストリップ地区の大型主要カジノホテルの約半分を所有する巨大企業だ。
 ちなみに MGM社 (その前身の Mirage社も含めて) は歴史的にシルクとのパイプが太かったこともあり、上記8公演のすべてを同社が手がけているわけだが、近年トレジャーアイランド・ホテルを他社に売却したため、同ホテルの劇場で開催されているミスティアだけは、このたび MGM社の手から離れることになった。それでもなお 7公演を主催していることになり、同社のシルクに対する影響力は圧倒的といってよいだろう。

Magic Show  一般的に、チケット価格や販売のタイミングなど、チケット販売においても、劇団よりも主催者が主導権を握ることが多く、シルクの場合も例外ではない。
 したがって、シルクの公式サイトからチケット予約をしようとすると、座席指定やクレジットカード番号の入力など最後のほうの画面においては MGM社傘下の各ホテルの公式サイトに飛ぶようになっている。(ミスティアだけはトレジャーアイランドに飛ぶ)
 ここで何を言いたいのかというと、多くの利用者が不満をいだいたり疑問に思っている販売手数料についてだ。
 予約サイト内において、この販売手数料の表記がわかりにくいばかりか、年々高くなっていることもあり、「チケット料金は100ドルだったはずなのに、クレジットカードには 120ドルが請求されていた」 といったトラブルや問い合わせがあとをたたない。ちなみにベラージオホテルの公式サイトにおけるオウの料金体系は以下のようになっている。

公式チケット価格$180.00 $165.00 $155.00 $130.00 $109.00 $98.50 
LET税 10%$18.00 $16.50 $15.50 $13.00 $10.90 $9.85 
販売手数料$10.95 $10.95 $10.95 $10.95 $10.95 $10.95 
最終価格$208.95 $192.45 $181.45 $153.95 $130.85 $119.30 

 この表からもわかる通り、現在 MGM社主催のシルクのチケットの販売手数料は $10.95。これは 「1回の予約ごとに」 ではなく、「チケット 1枚ごとに」 なので、枚数が多い利用者にとっての負担はバカにならない。
 なぜこれほど高いものになってしまっているのか。そしてなぜチケット価格に含めて表示できないのか。そのへんの事情を MGM社のウェブサイト部門のマネージャー、ケン・ダークス氏にたずねてみた。
 その答えは、「公式チケット価格」 とは、シルク・ドゥ・ソレイユ社の劇団側に入るべきもので、「販売手数料」 (現場の英語では Service Charge) は、主催者であるMGM社側のチケット販売部門に入るべきもので、それぞれ独立した組織になっているため、分けることはむずかしいとのこと。(もちろん厳密には、細かな契約に基づき、チケット代も手数料もさまざまな関連組織に複雑に分配されている)
 また、販売手数料が高くなってしまう理由には、複雑かつ高度に進化した管理システムにもあるという。不正アクセスを防いだり、リアルタイムで販売状況を管理しながらプロモーションをやったりするためには高度な技術が必要で、現在の MGM社のシルクのチケット予約システムの心臓部は、チケット販売分野の専門集団であるチケットマスター社が開発したアルゴリズムに頼らざるをえない状況で (URL や画面上ではチケットマスター社の存在はわからないようになっているが、実際には存在している)、そのシステムの使用料などが発生してくるため、結果的に販売手数料も高くなってしまうようだ。

Magic Show  ということで、利用者としてはこの販売手数料の存在は楽しいものではないが、公式サイトといえどもそれが発生してきてしまうという事情は理解しておく必要がありそうだ。
 なお、LET税は Live Entertainment Tax と呼ばれる興行イベントにかかるネバダ州税のことで、税率は10%。消費税とは異なり、この LETが課税される商品の場合、消費税は課税されない。
(Note: LET の税率は厳密には、座席数 200〜7499席までの施設が 10%、7500席以上のスタジアムやアリーナなどは 5%、199席以下は無税と細かく分けられている。現在、議員の間で、一律 8% にしようという動きもある)

Magic Show  さて次に、オウなど、シルクのショーの割引販売に関するアフィリエイト提携を MGM社とラスベガス大全が結んだという話。
 チケットの入手が困難とされるシルクのショーといえども、2008年前後に始まった世界的な大不況、いわゆるリーマン・ショックの影響を受け、2013年になった現在においても、毎日必ずすべてのチケットが完売になっているというわけではない。つまり、他の一般のショーと同様、シルクのチケットも必要に応じて割引キャンペーンなどをやる必要があり、実際にやっている。とはいっても、むやみやたらにやってしまうと、定価という概念が崩れかねず、シルクというブランドを維持できなくなるので、簡単なことではない。
 したがって、必要最低限かつ効率的に行う必要があるわけだが、そこで活躍するのがこのたびの高度なアルゴリズムを実装した最新鋭の予約システムで、それを利用すると、座席の残存状況を逐一チェックしながら過去の販売パターンなどと比較し、「何日前のどの時点でどれだけの割引価格で何席販売すれば、売上金額を最大にでき、なおかつすべての座席を余すことなく完売できるか」 といったことを割り出すことが可能で、的確な割引キャンペーンを打つことができる。
 公式サイト内で行われているそういったキャンペーンを読者に告知し、その画面に誘導することが、今回の提携によるラスベガス大全の任務ということになり、さっそくこのページの一番下のほうにそのリンクを並べてみたので、ぜひ利用していただければ幸いだ。(「マイケル・ジャクソン・ワン」 へのリンクはまだ準備中)
 なお、割引キャンペーンで販売されるチケットは、ごくまれに、「2枚まで」 など販売枚数や座席セクションに制約があったりする場合もあることを、あらかじめ了承して頂きたい。
 英語が苦手な場合は、それらリンクと同じ場所にある 「公式サイト内の記入方法と和訳」 をクリックすることにより解説のページが開くようになっているので、それを開いたまま予約ページの記入作業を進めると簡単なはずだ。

Magic Show  さて、シルクのショーの中で、日本人観光客に一番人気があるのは、なんといってもオウ。
 MGM社との提携で得られるアクセス記録によると、全チケット販売の約 70% がオウで、残りの 30% が KA、ザーカナ、LOVE と続く。
 そのようなわけで、以下、オウにだけ話題を絞って座席セクションなどについて話を進めてみたい。

 問い合わせなどを見ていると、多くの人が座席選びで悩んでいることがうかがえる。一番高い席と安い席では税金も入れるとその差は 90ドルにもなるので、悩むのも無理はない。できることなら安い方がいいに決まっているが、安い席の場合、どのようにステージが見えるのか不安になる。
 話をむずかしくしているのは大きな価格差だけではない。オウのシアターには、1階席、2階席といった区分以外に、Limited View、そして Wet Seat と称される座席セクションがあり、これらがさらに話を複雑にしている。前者は、「視界が制限されている席」、後者は、最前列から 3列目までの 「水で濡れる可能性がある席」 のことだ。
 ちなみに、Wet Seat の濡れ具合は特に心配するほどのことではないので、それはいいとして、問題は Limited View。となりの席と 60ドルも違うことがあったりするので、その視界は大いに気になるところだろう。
 そこで MGM側の了解を得て、各座席セクションの特徴、そして劇場内のマップおよび各座席セクションから見えるステージの様子を、日本語化した座席図で示してみた。以下の丸いカメラマークをクリックすると、その位置から見たステージ方向の写真を見ることができる。ちなみにピンク色の点線で囲まれた部分が格安の Limited View 席だ。

O_Theatre O_Theatre O_Theatre O_Theatre O_Theatre O_Theatre O_Theatre O_Theatre O_Theatre O_Theatre O_Theatre O_Theatre O_Theatre O_Theatre O_Theatre O_Theatre O_Theatre O_Theatre O_Theatre O_Theatre O_Theatre O_Theatre O_Theatre O_Theatre O_Theatre O_Theatre O_Theatre O_Theatre

 カメラマークのクリックで、「視界が制限されている席」 の意味がだいたいわかっていただけたのではないか。Limited View が得か損か。それは各自の価値観と予算次第ということになるわけだが、念のため、その他の座席セクションに関しても以下に簡単に説明しておいたので、チケット手配の際、参考にしていただければ幸いだ。

 100番台のセクション   200番のセクション   201〜205番のセクション
 300番台のセクション   Limited View のセクション



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