週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2013年 04月 17日号
ホラー映画の人気監督が手がけたお化け屋敷 「Goretorium」
お化け屋敷 Goretorium  今週は、監禁や拷問シーンを過激かつリアルに描いたホラー映画 「ホステル」(2006年) で一躍有名になった映画監督イーライ・ロス氏監修のお化け屋敷 「Eli Roth's Goretorium」 を紹介してみたい。
 ロス氏はまだ41歳。大御所と呼ぶには若すぎる年齢だが、学生の頃からこの業界に身を置いていたこともあり経験は豊富で、特にホラーの分野に関しては造詣が深く、マニアの間では高く評価されている人気の映画監督だ。

お化け屋敷 Goretorium  そんなロス氏のお化け屋敷が出現したのは、ホテル街のど真ん中ともいえる超一等地。昨年ラスベガス最大の電光ビルボードが設置された交差点だ。(ストリップ大通りとハーモン通りの交差点の北東角。写真右、クリックで拡大)
 出現したといっても実は昨年の秋にオープンしており、かれこれ半年が経過する。
 日本でお化け屋敷というと夏をイメージするが、アメリカにおけるお化け屋敷はハロウィンに合わせた晩秋の風物詩として楽しまれることが多く、この施設もそのタイミングで開業した。
 シーズンが過ぎたら客足が遠のき閉鎖に追い込まれるだろうと、開業当初は多くの関係者や地元メディアが心配し、この紙面でも紹介を見合わせてきたが、ロス氏のネームバリューが功を奏したのか、人気は上々のようで、このまま一年を通じた常駐アトラクションとして定着しそうな勢いだ。とはいっても家賃などが高いためか、まだ採算ベースに乗るほどの集客には至っておらず、今後いつ閉鎖になってしまうかわからないとする業界関係者も少なくない。

お化け屋敷 Goretorium  さて気になる内容についてだが、これがなかなかおもしろい。もちろんこの種のものには賛否両論あるのが当たり前で、きびしい評価もまったくないわけではないが、お化け屋敷としては、かなり手が込んだ内容になっており、総じて高い評価を得ているようだ。
 コンセプトはロス氏の映画にちなみ監禁や拷問。つまりお化けとか幽霊のたぐいではない。
 施設の名称 「Goretorium」 は、流血や暴力を意味する gore と、場所や施設を意味する rium を組み合わせた造語で、見学順路の最初から最後までのほとんどが、この言葉通り拷問や人体解体などの流血シーンとなっている。
 具体的には、施設全体が極悪非道なカジノホテル 「デルモント」という設定で、スタッフが宿泊客を惨殺し、地下で解体したあと、その人肉をレストランで提供する、といういかにもホラー映画の監督らしい演出だ。

お化け屋敷 Goretorium  そのデルモントの館内を、不気味な衣装をまとった各スタッフが、それぞれの担当セクションを案内してくれる形で見学することになるわけだが、その案内は当然のことながらすべて英語。
 したがって、英語が苦手な場合は各グループの先頭ではなく一番うしろを歩く形で、前方の人の行動を見ながら、そこで何を見学し何をすべきかを判断するようにするとよいだろう。(右上は、人肉を提供するレストランの調理場)
 ちなみに館内の見学は、客が5人前後のグループになって行動することになり、不気味なスタッフからの案内もすべてグループ単位で行われる。
 なお入館時に、撮影禁止などの注意事項の説明があるが、その中で覚えておきたいことは、ホテルスタッフに扮したそれぞれの役者にふれてはならないということ。役者も客にふれることはないので、原則としてお互いの身体が接触することはない。
 そしてもう一つ重要事項として、恐怖などで精神的に耐えられなくなった場合、合言葉があることも覚えておきたい。その合言葉は入館時に知らされるので、もし万一、見学から離脱して施設の外に出たくなるほどのパニック状態になった場合は、その合言葉を現場の役者に伝えて外へ誘導してもらおう。

お化け屋敷 Goretorium  見学コースの終点は、ストリップ大通りを見下ろせる見晴らしの良いバー (写真右) に出てくるようになっている。
 ビールやカクテルなどをオーダーするごとに支払うシステムなので、入店すること自体は無料だ。何かを飲む飲まないは別にして、ここのトイレが非常におもしろいのでぜひ立ち寄ってみたい。
 ただし行くだけでは何も楽しめないので、実際にトイレを使用し、手も洗ってみる必要がある。特に手を洗う場面においては、改めてこの施設の名称 Goretorium の意味を実感させられる出来事に遭遇するはずだ。何が起こるかは、行ってからの楽しみということで、あえてここでは書かない。
 バーのテーブルやイスにも流血模様が描かれている。いくら景色が素晴らしい場所でも、こんなところで飲むビールの味はうまくないと思うかもしれない。ならば飲む必要はないので、すぐに階段を降りて下の階へ行ってみよう。そこはギフトショップ。なんと売られているのは流血模様のTシャツだ。テーマの徹底ぶりに敬意を評したい。

お化け屋敷 Goretorium  営業時間は夕方5時から深夜12時まで (最後のグループの入館時刻は 11:30pm)。
 料金は $33.95。入口の前で $5引きのクーポンを配っていることもあるので、念のため周囲を確認するようにしたい。地元民は、ネバダ州の運転免許証などを提示すると 24ドルになる。
 $54の VIPチケットというものもあるが、それは並ばずに館内に入れる優先権とドリンクが付いてくるだけなので、長蛇の列になるほど混雑していない限り忘れてかまわない。(右上はレジ担当のスタッフ)
 なお、上に示した営業時間とは別に、11:00am〜3:45pm の「Day Tour」 と称する時間帯もあり、格安料金($10.95) で館内に入ることができる。しかしながら、客を脅かしたり施設を案内してくれる役者がまったくいないので、ただ単に小道具や陳列物を見学するだけとなってしまい、これはおすすめできない。
 保護者が同意すれば未成年者も入館可能だが (特に年齢制限はない)、どう考えても拷問や人体の解体シーンなどは低学年の子供には不向きなので、小さな子供の同伴は始めから考えないほうがよいだろう。
 行き方は、コスモポリタン・ホテルとプラネットハリウッド・ホテルを結ぶ歩道橋を、コスモポリタン側から渡って、そのまま地上に降りずに直結する商業施設内に入ると、この Goretorium の入口が見えてくる。



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