週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2013年 04月 10日号
老舗ラーメンの 「こう楽」 が、昭和をテーマにした店をオープン
ラーメン、こう楽  ロサンゼルスの日系コミュニティーでは知らない人がいない大衆食堂 「こう楽」 のラスベガス店が先週、ソフトオープン (準備などを兼ねた仮オープン) をはたした。正式な開業となるグランドオープンは 4月12日を予定している。
 今年で創業34年を迎えるこう楽は、まだ今ほど日本人も和食レストランも多くなかった時代から、ロサンゼルスの日本人街 「リトルトーキョー」 にて、ラーメン、チャーハン、カレーライス、カツ丼といった 「日本の味」 を旅人や日系人に提供し続けてきた老舗で、特にラーメンに対するこだわりは強く、「西海岸地区におけるラーメン屋の元祖」 といっても過言ではないほどの大衆和風中華のパイオニア的な存在だ。(上の写真はオーナーの山内氏。「昭和」 をテーマにしたラスベガス店で撮影。クリックで拡大)

ラーメン、こう楽  ラーメンといえば、ここ数年のブームは凄まじい。「Ramen」 自体はアメリカでも 20年以上も前から広く定着しており、全米のだれもが知る食べ物になっているが、それはあくまでもインスタント・ラーメンの話。
 つまり、日清のカップヌードルや東洋水産(マルちゃんブランド) の袋麺などに代表されるインスタント麺が長年にわたって創造してきたラーメン文化は、「自宅で食べる格安の即席料理」 という範囲内にとどまり、アジア系のコミュニティー以外の一般大衆においては、「外食料理」 にまで発展することはほとんどなかった。
 ところが近年、インスタント・ラーメンでは体験できない高級かつ様々なレベルの味を求めるグルメ層が増え、外食としてのラーメンも爆発的なブームとなり、ニューヨークやロサンゼルスなどの大都市においてはすでに数えきれないほどのラーメン店が乱立。ここラスベガスでも例外ではなく、コスプレをテーマにしたラーメン店まで出現するほど、出店ラッシュが続いている。

ラーメン、こう楽  そういう意味では、こう楽の出店も話題性に欠けるが、老舗という以外にも他店にはない2つの特徴を持っているので知っておいて損はない店だ。
 ひとつは、他のどの店よりも圧倒的にホテル街に近いという立地条件。これまでのラーメン店と同様、こう楽も徒歩でのアクセスは現実的ではないのでレンタカーまたはタクシーが必要だが、一番近い主要ホテル 「トレジャーアイランド」 (TI) のタクシー乗り場からの距離は 2.2kmで、信号などに引っかからなければ所要時間はわずか2分。タクシー料金も7ドル前後で、チップを入れても9ドル以内におさまる (信号待ちによる停車中もメーターは上がるので、必ずしもこの限りではないが)。
 他店では、多くの場合 10数ドル以上になってしまうのが普通で、ラーメン自体が決して高い食事ではないことを考えると、それを食べに行くための交通費は、わずかな違いでも大いに気になってしまうものだ。

ラーメン、こう楽  もう一つの特徴は 「昭和」 というテーマ。山内氏によると、時期的には東京オリンピック前後から大阪万博ごろまでの高度経済成長期の昭和で、その理由は、貧しいながらも日本中が元気で活気に満ちあふれていたからだという。その時代を再現することにより、自身もお客様も元気を取り戻したい、そう考える山内氏はさらに続ける。
 「決して豊かではなかったあの時代、たまに行く外食は、いつも決まって大衆食堂。子供ながら、あのとき食べたラーメンやカツ丼の味は忘れられない。本当にうまかった。当時の日本の大衆文化が生んだ大衆料理こそ日本人の味覚の原点で、多くの日本人は今でも必ずそれをときどき食べたくなる。そして食べないと元気が出ない。そんな料理を提供する場所だからこそ、昭和の雰囲気を出してみたかった」

ラーメン、こう楽  そのようなわけで、店内の壁のいたるところに昭和を思い出す映画ポスター、宣伝広告、当時の新聞の切り抜き、などが飾られており、さらにBGMも昭和に統一、取材インタビューの間に流れていた音楽は石原裕次郎、クレージーキャッツ、ザ・ピーナッツ、黛ジュンの歌だった。
 なお、まだソフトオープンということもあり、昭和を演出する小道具は数的に十分ではなかったが、壁や棚にはスペースがたくさん残されているので、今後も引き続き昭和グッズを集めて展示していきたいとしている。

ラーメン、こう楽  飲食店である限り、店内のインテリアやテーマよりも料理が重要であることは言うまでもない。
 山内氏いわく、「ラーメン以外にも自慢の料理はたくさんある」 とのことなので、数あるメニューの中からあえておすすめの3点をあげてもらったところ、天津チャーハンあんかけ、ニラレバ炒め、そしてギョーザをピックアップしてくれた。
 理由はそれぞれ順番に、自慢の逸品、ベガスのラーメン店ではほとんど見かけないはず、他店の多くは食品流通業者から冷凍物を仕入れているが当店のものはここでの手作り、とのこと。
 なお味に関しては、まだ準備中だったため、それら料理を食べてみたわけではないが、ロサンゼルス店での評判はどれも上々のようだ。(右上の写真は撮影用に作ってみた、塩バター・ラーメン)
 メニューは豊富で、各種ラーメン、かつ丼、とんかつ、天ぷら、カレーライス、チャーハンなど大衆食堂の定番料理はもちろんのこと、かた焼きそば、マーボー丼、ハンバーグ定食、ポーク生姜焼き定食、さらにはコロッケ、メンチカツ、冷奴などの昭和を思い出すような単品メニューもある。
 価格はギョーザ(6個)が $4.95、醤油ラーメン $6.95、チャーハン $7.95、カレーライス $8.95、などとなっている。消費税は外税表記で 8.1%。

ラーメン、こう楽  営業時間はとりあえず 11:30am 〜 10:00pm で、深夜3時までのロサンゼルス店のようには長くない。理由は、従業員の労働シフトなどがまだ落ち着いていないのと、リカーライセンス(アルコール飲料を取り扱うための免許) の取得にまだ数ヶ月を要しそうなためで、ビールなどを出せるようになったら営業時間を延ばしたいとしている。また現在は定休日もあり、火曜日は休業。
 行き方は、前述の通りタクシーかレンタカー利用ということになり、場所としてはトレジャーアイランドの西、約2km ほどの地点にある Spring Mountain 通りと Valley View 通りの交差点の南東カド。番地は、3775 W.Spring Mountain Rd.
 立地条件が良い、と先に書いたが、それはホテル街からの距離のことであって、露出度的には非常に悪い。他の店に視界をブロックされ、交差点から店が見えないからだ。ちなみに視界をじゃましているのはスターバックスなので、逆にそれを目印に行けばよいことになる。つまりこのこう楽は、その交差点にあるスターバックスの裏側を探せば簡単に見つかる。したがって、タクシーの運転手には、紙に以下のように書いて手渡せばよい。
「Starbucks Coffee at the south-east corner of the intersection of Spring Mountain Rd. and Valley View Blvd. Street address: 3775 W.Spring Mountain Rd.」
 前述のとおり、トレジャーアイランドからの乗るのがベストで、それ以外のホテルからは距離的に遠くなるばかりか渋滞に巻き込まれやすくなるので、料金は一気に跳ね上がる。
 なお、ラスベガスでは追突事故や渋滞を避けるために、流しのタクシーは原則として存在していないので、ホテルの正面玄関前などにある所定のタクシー乗り場まで行かなければならない。帰りのタクシーは店のスタッフに頼めば手配してもらえる。もちろん店の前から乗車可能。



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