週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2012年 11月 07日号
モンテカルロで始まった新ブルーマン、キーワードは 「ボール」
ブルーマン  長らくベネチアン・ホテルで開催されてきた人気のナイトショー 「ブルーマン・グループ」 が、先月から会場をモンテカルロ・ホテルに移し、内容も新たに新天地での公演が始まった。
 最初の数週間は、いろいろ不安定な部分もあったようだが、やっと落ち着いてきたとのことなので、さっそく行ってみた。
(右の写真はモンテカルロの前に立つ同ホテルのマーキー。中央奥はマンダリン・オリエンタル・ホテル、左後方はアリア・ホテル。クリックで拡大表示)

ブルーマン  日本でも公演されたことがあるこのブルーマン、ラスベガスではベネチアンでの公演が始まる前、ルクソール・ホテルでも行われており、当地で始まってから、かれこれ 12年が経過する。
 タイトル的にはそろそろ陳腐化してきており、今回のリニューアルもニュースとしてはインパクトに欠けるが、それなりに進化もしているので、侮らないほうがいいかもしれない。
 絶対にしゃべらない 3人の男がとぼけたパフォーマンスを繰り返すという基本的なコンセプトは今までと何ら変わっていないが、その他の部分においては、かなり斬新な変化や工夫がたくさん見られる。そして今回のリニューアルにおける最大の注目点は、なんといってもテーマそのものの刷新だろう。そのテーマとは 「ボール」 だ。

ブルーマン  ちなみに右の写真は、このホテルのフロントロビー脇の壁に設置された大型広告。ボールを強調していることがよくわかるが、そのボールは、開門から開演までの間、つまり客が劇場に入場しているときと、ショーの最後の場面で登場する。
 どのように使われるのかは、観てからのお楽しみということで、ここではあえてふれないが、「最後の場面」 と聞けば、ブルーマンの公演を一度でも観たことがある者にとっては、このボールの重要性がなんとなくわかるのではないか。
 とにかく、「ブルーマン = ラストシーン」 と言っても過言ではないほど、このショーにとっての結末部分は非常に重要で、そのテーマを変えたというのだから、かなり思い切った改造といえなくもない。そして今回のリニューアル版では、その大役をボールに託した。果たしてどんなラストシーンになるのか。

ブルーマン  途中の部分における見どころもいくつか紹介しておきたい。
 印象的なのは、あえて世相を反映させたかったのか、スマートフォンによる風刺的な演出で、「あれ?」、「なぜ?」、と思わせる場面が何度もあり、コメディーマジックのようでなかなかおもしろい。ちなみにスマホといっても縦2メートル、横1メートルほどある大画面で、これが3台登場する。その3台を絶妙に使いまわしながら、日ごろだれもが体験するスマホでのトラブルなどを、とぼけたブルーマンたちが再現する。
 その他では、パロディー化した人間の脳や (写真右下)、自動車製造ロボットとブルーマンたちとのやり取り、さらにハイテク機器を多用した奇抜な仕掛けなどに注目したい。

ブルーマン  以上のように、多くは新しい演出に置き換わっているが、変わっていない部分も少なくない。
 カラフルな絵の具を飛び散らかしながらの打楽器の演奏や、食べ物を投げたり口から吐き出したりの悪ふざけなどがそれだが、「残してくれてよかった。これがなかったらブルーマンじゃない」 と思わせてくれる場面がある反面、「もうそれはいいよ」 と思いたくなる低俗なドタバタ劇もあったりするので、すでに観たことがある者にとって、このリニューアル版は評価が分かれるかもしれない。
 それでもやはりラストシーンだけは観ておきたいと思うのがブルーマンファンの心情というもの。意外性や驚きの度合いはこれまでのバージョンと比べて劣るように思えるが、良い意味でのバカバカしさはそれなりにしっかり残っているので、ブルーマンらしさは楽しめるはずだ。予算が許す限り観ておいたほうがよいだろう。

ブルーマン  会場は、かつてマジシャンのランスバートンが使用していた劇場で、ストリップ大通りからモンテカルロのカジ内ノに入ってすぐの左手。
 公演は原則として毎日 7:00pm と 10:00pm 開演だが、10:00pm の代わりに 4:00pm の公演があったり、突然休演になったり、まだ流動的な部分が多いので、そのつど公式サイトなどで確認するようにしたい。チケット料金も、館内レストランとのパッケージになったセット料金がいくつか売りに出されているなど、かなり複雑になっているので、しばらく落ち着くまでは、そのつど確認するしかないだろう。



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