週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2012年 10月 17日号
今が "旬"! 進化した Open Top Sightseeing に乗ってみよう
オープントップバス  3年前のこのコーナーで、消滅の可能性が高いと書いたはずの観光用2階建て巡回バス "Open Top Sightseeing" (写真右、クリックで拡大) が、予想に反して頑張っている。
 路線の範囲も縮小どころか拡大しており、さらにバス停近くの各種施設と業務提携するなど、内容も進化。そんなバスが今年も快適なシーズンを迎えたので、3年前との違いなどを中心に改めて紹介してみたい。
(このバスは、公営の2階建て路線バス "Deuce" とはまったく別物なので要注意)

オープントップバス  砂漠都市ラスベガスの夏は暑くて長い。乾燥しているため日本のような蒸し暑さはないものの、40度を超える猛暑が 5月から9月まで続く。
 ならば他の季節は温暖で快適かと思いきや、冬は冬でしっかり寒い。結局、冷暖房が不要な期間はかなり限られている。
 そんなラスベガスに、屋根が無い2階席をウリにしたバス Open Top Sightseeing が登場したのは 2009年夏のこと。多くの業界関係者が、気候的にラスベガスには合わないことを懸念。案の定、絶好の季節と思われる秋を迎えても利用者がほとんどいなかったため、その年の10月末のこのコーナーで、早期撤退の可能性についてふれた。
 実際にその後も閑古鳥が鳴く状態が続き、夏や冬はもちろんのこと、春や秋でも客がほとんどゼロのまま運行している光景が常態化。それでも、だれがどう見ても赤字を垂れ流している悲惨な状況が続く中、路線の見直しなどはあったものの、なぜか全面撤退することは一度もなかった。

オープントップバス  そして 4回目の秋を迎えた今、「石の上にも三年」 ということわざがアメリカにもあるのかどうか知らないが、あきらめない信念と地道な努力が実ってきたのか、2階席に客の姿が見られるようになってきた (右の写真は2階席の様子、前方はベラージオホテル)。
 さらに集客の回復を好機と見たのか、経営も守りから攻めの姿勢に転じてきており、たとえば、「乗車券を見せるとエッフェル塔に登るエレベーター代が 20% off」 といった、路線沿いの施設との提携など、バスの運行以外の営業活動にも積極的になってきた。
 ちなみにこのバスの経営母体 Big Bus Tours 社はヨーロッパ資本の企業で、ラスベガスだけで活動しているわけではない。ロンドン、パリ、マイアミ、サンフランシスコなどでも同様のバスを運行している。

オープントップバス  さて現在の状況は3年前とどのように変わったのか。最大のちがいは、運行ルートとバス停の位置だろう。
 路線図内において赤で示されていることから 「レッド・ライン」 と呼ばれるストリップ地区の路線に加え、ダウンタウン地区を巡回する青の 「ブルー・ライン」 も加わった。
 両路線はサーカスサーカス・ホテルで接続しており、そこで乗り換えればかなりの広範囲を移動もしくは見物できることになる。 (右上の写真はサーカスサーカス・ホテルの乗り換え現場)
 バス停の位置も全面的に見なおされており、たとえばレッド・ラインにおいてはハードロックホテルや原爆博物館 (バックナンバー 421号で紹介) にも停車するようになった。

[レッド・ラインのバス停と巡回順]
サーカスサーカスバリーズ原爆博物館ハードロックホテルミラクルマイルショップスエクスカリバーWelcome to Las Vegas の看板ハワイアンマーケットプレースバリーズウィンサーカスサーカス

[ブルー・ラインのバス停と巡回順]
サーカスサーカスゴールド&シルバーショップフリーモントストリート・イースト → エルコルテスマフィア博物館ゴールデンナゲットプレミアムアウトレット・ノースアーツファクトリーサーカスサーカス

オープントップバス  さて乗り方についてだが、もちろん始発のサーカスサーカスから乗らなければならないというわけではない。どこのバス停からも乗車可能だ。
 ではどこから乗るべきかということになるが、日本人観光客の多くが宿泊するホテルとの位置関係や、場所のわかりやすさ、さらにそのバス停周辺の人通りの量など (バス停によっては、人がほとんどいない寂れた場所にある場合も) を総合的に考えると、ハワイアン・マーケットプレースが断然よいと思われる。
 ちなみにハワイアン・マーケットプレースは、屋台型ショップなどが集まる商業施設だが、厳密にいうと、このバス停はその施設内にはない。すぐ南側に隣接するマクドナルドの前の駐車場内にある。(写真右上、右下)
オープントップバス  それでもこの場所を探し出すのに苦労することはまったくない。マクドナルドの黄色い M のマークが高い塔になってそびえているからだ。どこからでもよく見える。
 その塔の真下にバスが停車し、チケット販売のデスクもそこにある (写真右下)。
 なお、マクドナルドはストリップ大通り沿いに何軒も存在しているので注意が必要だ。ホテルの位置を目印にするならば、このマクドナルドはマンダリン・オリエンタルの前、ということになる (右上の写真内の左端に見える高層ビルが同ホテル)。マンダレイ・ベイの前のマクドナルドではないので間違えないようにしたい。

オープントップバス  気になる料金は、24時間有効の乗車券が$35、48時間が$40。同じ乗車券でレッド・ラインにもブルー・ラインにも乗れる。
 わずか$5の差であるならば 48時間にしておきたいところだが、このバスはあくまでも観光用であって、移動手段として何度も使うような乗り物ではない。そのへんの事情をよく考えてから購入すべきだろう。
 乗車券には買ったときの時刻が記載されており、翌日もしくは翌々日のその時刻まで何度でも乗ったり降りたりすることが可能。
 運行間隔は約30分おき。始発は、レッド・ラインのサーカスサーカス発が 10:00am。そのバスがハワイアン・マーケットプレースに到着するのが 10:30am前後。最終はサーカスサーカス発が 6:00pm、ハワイアン着が 6:30pm 前後で、一周するのに要する時間は、道路状況にもよるが約60分から90分。ブルー・ラインのサーカスサーカス始発は 10:15am、最終が 6:15pm。
 なお、乗り換え無しでレッド・ラインとブルー・ラインの両方のルートを走る一周約3時間の特別バス 「Night Tour」 が、サーカスサーカスから 7:00pm に出発する。こちらは別料金で $20 となっているが、通常の 24時間券もしくは 48時間券を持っていれば $15 の追加で参加可能。

オープントップバス  走行ルート沿いの各種施設との提携サービスは、前述のエッフェル塔以外に、マフィア博物館、原爆博物館、ミラクルマイル内のVシアターなどと提携しており、割引や粗品進呈といった特典があるが、内容が変わる可能性があるので、そのつどパンフレット等で確認していただきたい。パンフレットはバス停にいるチケット販売員が持っている。
 心地よい秋の風を受けながらの優雅なストリップ走行は今がまさに "旬"。初ベガスの人は街全体の広さや様子を把握するために、そしてリピーターは、いつもと違った高い位置からの新たな発見に、ぜひ利用してみるとよいだろう。



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