週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2012年 10月 10日号
ジョーダンさんのナイキ・シューズ博物館 「ShoeZeum」
ナイキシューズ博物館, ShoeZeum  3週連続でダウンタウンの話題になるが、今週は、2週続いた何十年もの歴史を誇る老舗とは打って変わって、誕生したばかりでなおかつ短命に終わりそうな博物館の話題。
 「短命」 と言っては、取材に応じてくれた館長でオーナーでもあるジョーダン・マイケルさん (写真右、クリックで拡大) に失礼だが、冗談抜きに地元関係者の間では、早くも閉鎖がささやかれているから本当に心配だ。いや、ささやかれているだけでなく、実際にすでに一度閉鎖されているので、まったく楽観できる状態ではない。だからこそ、ここで取り上げ宣伝し、応援する必要がある。ここの読者が足を運んでくれれば、少なからず経営の役に立つはずだ。

ナイキシューズ博物館, ShoeZeum  このたびオープンしたのは、ナイキのシューズばかりを 2500点ほど集めた博物館。といっても、ナイキ社の公認とか、同社からサポートを受けているというわけではなく、ナイキとはまったく無関係にジョーダンさんによって運営されている施設だ。
 その名も "ShoeZeum"。シューズのミュージアムというわけだが、いかんせん場所が悪い。なんとそこは、知る人ぞ知る悪名高き商業施設 「ネオノポリス」 (写真右上)。その中では一番人通りが多いはずの1階だ。
 写真ではそこそこにぎわっているように見え、また、ちょうど一年前のこの週刊ラスベガスニュース (バックナンバー 770号) で取り上げたハンバーガーショップ 「心臓発作グリル」 のすぐ奥、と聞けば悪くないようにも思えるが、このネオノポリス (同、277号で紹介)、2002年の完成以降、施設内に出店したほどんどすべてのテナントが1年以内に閉店に追い込まれているという呪われたような商業施設だからたちが悪い。
 一時はボウリング場や映画館が入居し、人通りが増えると期待されたこともあったが、残念ながらそれら施設もすぐに撤退してしまった。
 結局現在のテナント数は限りなくゼロに近く、内部はほとんどもぬけの殻の状態。ちなみに心臓発作グリルは、ネオノポリスの中とも外とも言える微妙な位置にあり、なんとか営業を続けているが、それでも客の入りは決してかんばしくない。

ナイキシューズ博物館, ShoeZeum  そんな場所に孤軍奮闘する形で登場したのが ShoeZeum で、8月30日に開業。
 しかしその直後すぐに閉鎖。約1ヶ月の熟考の末 (具体的に何をしたかは語ってくれなかったが、いろいろ考えたらしい)、先週 10月4日、再オープンしたという前途多難を予感させられる船出となった。(写真は入口の様子)
 ということで、何やら不安になるようなことばかりを書いてきたが、博物館としての内容は決して悪くない。展示品はすべて館長自身の個人のコレクションというから立派なものだ。
 ちなみに彼の正式な名前は、Jordan Michael Geller。ファーストネームとミドルネームの部分を取り、それを逆さまにして 「マイケル・ジョーダン」 と呼ばれたりすることが多いようだが、バスケットボールのスター選手のようなこの名前、もちろん単なる偶然であって、親が意図的に付けたわけではない。

ナイキシューズ博物館, ShoeZeum  親といえば、ジョーダンさんが 2500足ものシューズを集め出したきっかけは、父親の存在が大いに影響しているとのこと。(写真は館内の一部)
 マラソンを趣味にしていた父は、レースのたびにナイキのシューズを新調し、ある程度の数のシューズが家にたまって来てからは、今度はジョーダンさんがそれらシューズに関心を寄せるようになり、結局、若い頃から今日に至るまで、ただひたすら買い集めることになったという。
 一般の店頭での購入だけでは、製造中止になった過去のモデルは手に入らないため、ネットも動員して世界中から調達しているというから、個人の趣味もここまで来ると半端ではない。「ギネスブックにも載ったんだよ」 と自慢気にそのページを見せてくれたジョーダンさんの目は子供のように輝いていた。

ナイキシューズ博物館, ShoeZeum  ちなみにジョーダンさん、つい先日までカリフォルニア州サンディエゴに住んでいて本職は弁護士。
 しかしシューズ集めから手を引くことができず、昨年ついにサンディエゴに博物館をオープン。その運営が事実上の本職となってしまっていたわけだが、その後、「この種の展示はラスベガスが最適地。どうせやるならラスベガスしかない」 と考えるようになり、このたびサンディエゴで展示していたコレクションをすべて当地に移動。趣味と実益を兼ねた新たな挑戦が始まった。

ナイキシューズ博物館, ShoeZeum  一番思い入れのある大切なシューズをたずねたら、それは 7,100ドルの大枚をはたいてやっと手に入れたマイケル・ジョーダンのサイン入りシューズだという。(写真右)
 さらに、このシューズのすぐ横に展示されていた 5,000ドルのものも、何やらすごいシューズらしく、いろいろ説明してくれたが、いかんせんこちらは知識不足で、せっかくの貴重品も、そのありがたみを理解できず、各モデルごとの希少性などをもっと勉強してから行けばよかったと大いに反省した次第。熱心に説明してくれた館長には本当に申し訳ないことをしてしまった。

ナイキシューズ博物館, ShoeZeum  ということで、この博物館の真の価値をあまり理解できないまま取材を終えることになったのは非常に残念だが、ナイキのファンならばきっと大いに楽しめるはずだ。写真撮影も自由にできる。
 ネオノポリスが悪いのか、博物館自体に問題があるのか、はたまた宣伝不足か、そのへんの判断はまだ時期尚早だが、とにかくにぎわっているとはお世辞にも言えない状態なので、ぜひ足を運んで現場を盛り上げて頂きたい。ちなみにネオノポリス自体は行きづらい場所でも、わかりづらい場所でもなく、電飾アーケード街の東端から道路を渡ってすぐの場所にある。バス停にも近い。
 入館料は 10ドル。開館時間はまだ流動的のようだが、とりあえず木曜日から日曜日までの午後4時から午後10時まで。月、火、水は休館。なお、すべてのシューズは展示のみで、販売はしていない。



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