週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2012年 09月 12日号
たぶんオスプレイも登場、ネリス空軍基地の航空ショー
ネリス空軍基地 航空ショー  残暑が続き、まだ秋の気配がまったく感じられないラスベガス。にもかかわらず、ここ一週間ほどで、読者から3件も質問が寄せられた。「晩秋の風物詩」 という印象が強い航空ショーに関してだ。
 まだまだ先の話と思いきや、よく考えてみると 2ヶ月先のイベント。たしかに決して遠い話ではない。
 それでも今年は気のせいか、例年に比べ、問い合わせが届くタイミングが早いように見受けられる。尖閣や竹島問題で軍事や防衛に対する関心が高まっているということか。それともオスプレイによる影響か。いずれにせよ、国でも自宅でも国防や防犯は大切。安全保障に興味を持つことは悪いことではない。

ネリス空軍基地 航空ショー  さて、ここでいう航空ショーとは、ラスベガス郊外にあるネリス空軍基地で毎年秋に開催される 「Aviation Nation」 のこと。航空マニア、軍事マニアなどにとっては 「垂涎の的」 ともいえる恒例のビッグイベントだ。
 土曜日と日曜日の2回行われることになっており、今年の開催日は 11月10日と11日。

ネリス空軍基地 航空ショー  ネリス空軍基地は、世界最強といわれているアクロバット飛行隊 「サンダーバーズ」 (上から3枚目までの写真すべて。クリックで拡大表示) の本拠地であると同時に、世界で最も機密性が高い謎の軍事施設 「グルームレイク空軍基地」 (通称 "エリア51") と非常に緊密な関係にある基地として知られ、西海岸地区はもとより米国全土の防空戦略の要所となっている。

ネリス空軍基地 航空ショー  そんな基地へアクセスできる貴重なチャンスが、この航空ショーで、マニアにとってはもちろんのこと、ラスベガス市民にとっても家族みんなで見に行く地域密着型の恒例行事としてすっかり定着。
 最近はマニア以外の一般の日本人の間でも知られるようになってきたのか、この時期に合わせてラスベガスにやって来る日本人観光客も少なくない。

ネリス空軍基地 航空ショー  このショーではサンダーバーズのアクロバット飛行のほか、新旧さまざまな戦闘機や輸送機の展示、さらには実際に標的を空爆し爆破炎上させる演出など(写真右)、見るべきものは少なくない。
 また、軍事的なことに興味がなくても、落下傘部隊、カラフルな煙を吐きながらの曲芸飛行などは家族みんなで楽しめるので、時間に余裕がある限り、午前中の早い時間に現場へ出向き、できるだけ多くの出し物を見るようにしたい。例年、午前9時前後には開場となる。

ネリス空軍基地 航空ショー  日本人にとっての今年の最大の注目は、なんといっても噂のオスプレイだろう (写真右)。もちろん今年初めて展示されるわけではないが、これほど注目されている時期はなく、軍事マニアならずとも、日本人のだれもが知る渦中の航空機だ。
 断言はできないが、今年もたぶん展示され、自由に機内に入れることになると思われる。
 まさか、日本のメディアなどが殺到し、寄ってたかって内部の写真を撮られたり、いじくり回されることを嫌って、「今年は飛行だけで展示はしない」 などといったことがあり得るのか。「今の時期、万が一にも、航空ショーで故障や事故を見せるわけにはいかないのでデモ飛行も無し」 といった政治的な理由で中止になったりすることだけはないことを祈りたい。

ネリス空軍基地 航空ショー  その他の機種では、ひところに比べて神秘性という意味での注目度は下がってきているが、やはり超音速ステルス戦闘機「F-22A ラプター」は人気の中心だろう (写真右)。
 アメリカ軍が誇る世界最強の戦闘機で (最近、酸素供給装置のトラブルなどでパイロットが気絶するという問題があったが、とりあえず解決)、そのあまりにも優れたステルス性能は、「軍事バランスを損なう」 と、アメリカと敵対する各国が非難するほど評価が高いばかりか、同盟国である日本が次期戦闘機として導入しようとしても、売ってもらえないほどの機密性の高いスーパーファイターだ。
ネリス空軍基地 航空ショー  紙飛行機のようにひらひら舞う自由自在の飛行性能の披露や、アフターバーナーによる加速 (高温の排気ガスにさらに燃料を供給して瞬発的なパワーを得る加速。右写真)、さらには低空飛行で兵器庫を開けて中を見せてくれるなど (写真右上)、航空マニアにとっては夢のようなシーンにも遭遇できる。

ネリス空軍基地 航空ショー  ステルスといえば、その不気味な姿が特徴の B-2 爆撃機も必ず見ておきたい一機。水平尾翼も垂直尾翼もないその異様な光景はまさに怪物だ。
 サイズ的な迫力や精悍さはないものの、今後のハイテク戦争には欠かせない各種無人機も見逃せない (写真右)。これからの時代は相手のダメージを最小限に抑えながらのピンポイント攻撃が主流となることが予想され、そんな新時代の主役的な存在になるのが無人機だ。遠隔操作で敵地まで飛行し、そこに潜むリーダーだけを攻撃する。実戦での使用という意味では、ラプターや B-2 よりもはるかに現実的な兵器になるはずなので、しっかり見ておきたい。

ネリス空軍基地 航空ショー  このイベントはもちろんマニアだけのものではなく、前述の通り家族連れも多く、会場内には屋台スタンド型のファーストフード店や遊戯施設が軒を並べるなど、遊園地さながらの楽しいイベントだ。軍事的な知識がなくても誰でも楽しめるので、開催日にラスベガス滞在を予定している者はぜひ足を運んでみるとよいだろう。
 10日も11日もプログラムの内容は基本的に同じで (必ずしもすべてが同じとは限らないが)、入場料は無料。各企業などからの寄付もあるが、日ごろ騒音などで住民に迷惑をかけている軍からの市民サービスという意味合いもあるので、この種のイベントは料金を取らないのが通例だ。もちろん写真撮影も原則として自由。ただしセキュリティーチェックはある。カメラやビデオは持ち込めるが、危険物は持ち込めない。

ネリス空軍基地 航空ショー  会場のネリス空軍基地の場所は、ストリップ地区のホテル街から北東方向に約20km の地点。
 行き方としてはレンタカーが一番早くて便利だが、公営バスなどを乗り継いでダウンタウン経由で行くこともできる(タクシーは帰路で困る)。
 駐車場は、隣接するカーレース場 「ラスベガスモータースピードウェー」 周辺の場所が指定され、指定された場所以外に駐車することはできない (セキュリティーチェックがあるため)。
 また、駐車場から基地までは軍側が用意するシャトルバスに乗る必要があり、徒歩などでアクセスすることは原則として禁止。
ネリス空軍基地 航空ショー  一番やっかいな問題は、帰りのシャトルバスの待ち時間だろう。レンタカーで行っても駐車場と基地間の移動はこのシャトルを利用しなければならず、来場者全員がこの乗り場に一気に殺到するため長蛇の列になりやすく、1時間以上待たされることが少なくない (写真右)。
 これを避けるためには、サンダーバーズの飛行が終了したら、一気にダッシュしてシャトルバス乗り場に行く必要がある。したがって、できれば乗り場に近い位置、つまり滑走路の北東端で見学するようにしたい。そうすればダッシュする距離が短くてすむ。
ネリス空軍基地 航空ショー  とは言っても、北東端はサンダーバーズを見るための位置としてはベストではない。ベストポジションはやはり滑走路の中央付近だ。
 帰りのシャトルの待ち時間を意識しすぎるあまりサンダーバーズをまともに見ることができなかったというのでは本末転倒。どのあたりで見るかは悩むところだ。
 なお、値段は安くないが、日本人ガイドが付いた専用ツアーも催行されるので、至れり尽くせりのサービスを望む者はその種のツアーに参加するのもひとつの方法といえるだろう。詳細や申し込み方法などに関しては、このラスベガス大全の [ツアー]セクションに掲載。



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