週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2012年 06月 13日号
マッキャラン国際空港の新ターミナル、まもなく運用開始
ラスベガス・マッキャラン国際空港、第三ターミナル  建設に 5年の歳月と 24億ドルを費やし、ネバダ州史上屈指の巨大公共事業とされるマッキャラン国際空港の新ターミナル 「ターミナル3」(通称 T3) が、6月27日からの運用開始を前に、6月9日、ひと足早く一般に公開された。
 すべての航空会社がこのT3を利用するわけではないが、T3への移動が決まっている航空会社の中に、大韓航空、ユナイテッド、エアカナダなど、日本から西海岸への路線を持つ航空会社も含まれており、今回の新ターミナルの完成は日本人観光客にとっても重要なニュースなので、今後、既存の観光ガイドブックなどの情報に頼ってこの空港を利用する際は十分な注意が必要だ。
 なお以下の情報はすべて 6月9日時点のものであり、今後変更される可能性があるので、実際にT3を利用する場合は、そのつど同空港の公式サイト www.mccarran.com などで最新情報を確認して頂きたい。

ラスベガス・マッキャラン国際空港、第三ターミナル  T3 を使用することになるのは国際線と一部の国内線。ただ、6月27日に運用が開始されるのは国際線のみで、国内線は 7月31日からになる予定。
 また、T3 へ移動する具体的な航空会社名はすでに発表されているものの、ユナイテッド航空とハワイアン航空に関しては、8月下旬から運用開始というだけで、現時点では明確な日付けは発表されていない。さらにこの2社は、出発時のチェックイン、セキュリティーチェック、到着時のスーツケースの引き取りは T3で、飛行機の発着自体は従来のターミナルを利用する可能性もあり、その場合、利用者は両ターミナルを結ぶトラムで移動する必要に迫られ、しばらくは不便を強いられそうだ。
 さらにやっかいなことに他の航空会社でも、ラスベガス到着時は従来のターミナルで、出発は T3から、といった変則的なことも起こり得るとのこと。

ラスベガス・マッキャラン国際空港、第三ターミナル  なにやら面倒くさそうなことばかり書いてしまったが、T3自体はすっきりうまくまとまっている。特に全体の形がシンプルでわかりやすいところがいい。
 東西に長く南北に短い長方形をした3階建てのビルになっており、コンコースはすべて一直線。曲がりくねった通路などは一切なく、端から端まですべて見渡せるばかりか、フロアの階数も少ないため方向音痴の者でも迷子になることはないはずだ。

ラスベガス・マッキャラン国際空港、第三ターミナル  上下に関しては、「レベル2」 と呼ばれる上層階が搭乗便のチェックインおよび搭乗ゲートのある出発ロビー。「レベル0」 と呼ばれる下層階がバッゲージクレームなどがある到着ロビーで、国際線利用の場合、入国審査を受けるのもこのフロアだ。
 真ん中の階になる 「レベル1」 は駐車場に直結するブリッジにアクセスするためのフロアで特にこれといったものはない。
 利用客が特に意識する必要はないが、出発ロビーも到着ロビーも、外からターミナル内に向かって左半分が国際線、右半分が国内線として使われる予定で、14 ある出発ゲートのうち、左側にある E1 から E7 までが国際線、右側の E8 から E15 が国内線。E13 というゲートは存在しない。(ゲート名の頭に A〜D が付くゲートは従来のターミナル内のもので、このT3 におけるゲートはすべて E で始まる)

ラスベガス・マッキャラン国際空港、第三ターミナル  T3には最新鋭の機器がいくつか備えられており、そのひとつがチェックインシステム。
 今までも利用客が直接端末を操作し搭乗券を自分で出すことはできたが、それに加え、通常は航空会社のスタッフが行うスーツケースなどにつけるクレームタグも自分で発行できるようになった。
 乗客自身でやることが増えると、慣れてないためかえって時間がかかり、チェックイン待ちの列が長くなりそうだが、そのことを見越してか、その端末は歩道沿いに 32台、ロビー内に 130台設置されているので、その心配はなさそうだ。

ラスベガス・マッキャラン国際空港、第三ターミナル  レストランや売店は、セキュリティチェックを過ぎた搭乗ゲート側にあり、手前側にはスターバックスくらいしか無いので、チェックインを終えたら早めにセキュリティチェックに進むようにしたい。
 なお、もしストリップ地区のホテル街の写真を撮りたいような場合は、セキュリティチェックに進む前のロビーの右端(写真右)、すなわち国内線チェックインエリアの一番端にある窓から撮るのがベストと思われる。
ラスベガス・マッキャラン国際空港、第三ターミナル  なぜならホテル街は空港の北西側にあり、T3の搭乗ゲート側は南向きになっているため、セキュリティチェックを過ぎてからでは、飛行機は見えるがストリップ地区はまったく見えないからだ。
 なお、どちら側からでも、T3からはホテル街と飛行機を一緒に撮影するようなことはできない。つまり右のような写真の撮影は無理。(この写真は、日本航空がラスベガスに就航していた頃、ターミナル2から撮影されたもの)

ラスベガス・マッキャラン国際空港、第三ターミナル  ゲート側コンコース沿いにはレストラン4店とファストフード3店、売店は免税店を含め6店。
 免税店は2ヶ所で、メインの店舗 (写真右。まだ準備中) は E7ゲート付近にあり、店舗面積1,000平方メートルと、従来の店舗よりもかなり大きくなっている。もう1ヶ所は E1ゲートの近くの簡易店舗で、酒とタバコのみ販売。
 これらの免税店 「The Duty Free Store by Nuance」 を運営する Nuance Group のラグジュアリーグッズマネージャー、アンソニーさんによると、メインの店舗での取り扱い商品は酒、タバコ、香水、化粧品、時計、食品のほか、フェラガモ、トゥミ、フルラのバッグやファッション小物、さらにはシャーパーイメージの家電製品、女性に人気の下着ブランド、ヴィクトリアシークレットのボディケア用品や下着も販売するとのこと。時間は午前4時頃から午前2時頃まで、フライトに合わせて営業。
 なお、免税店は国際線利用者だけでなく、国内線の利用者でも酒とタバコ以外は購入することができるとのことだが、商品代金に消費税 8.1% が加算されることは言うまでもない。

ラスベガス・マッキャラン国際空港、第三ターミナル  搭乗までゆっくり過ごしたい場合は、搭乗便の座席クラスやクレジットカードの種別にかかわらず、だれでも利用することができる有料ラウンジ 「The Club at LAS」 がよいかもしれない。
 利用料金35ドルにはアルコール類、ソフトドリンク、軽食が含まれ、インターネットへのアクセス、コンセントの使用も自由。E2 ゲートの向かい側にあり、時間は午前6時から午前2時まで。
 もちろん出発ぎりぎりまで一攫千金を狙いたい者のために、スロットマシンは T3全体で300台が置かれているので (写真右下)、こちらも退屈することはなさそうだ。

ラスベガス・マッキャラン国際空港、第三ターミナル  さまざまな施設が並ぶ出発ロビーに比べ、下層階にある到着ロビーは実に殺風景だ。入国審査や税関など、必要最低限の施設を除いてほとんど何もない。到着した者は1分でも1秒でも早くホテルや自宅など目的地を目指し、さっさと空港を去るのが普通なので当然といえば当然だ。乗り継ぎの到着客もそのまま出発ロビーへ向かってしまう。
 そのようなわけで、到着ロビーにはあえて特筆するような施設はないが、動線の短さに感心したのと、通常は進入することも撮影することもむずかしい入国審査エリアを見学することができたので簡単に紹介しておきたい。

ラスベガス・マッキャラン国際空港、第三ターミナル  国際線で到着し、飛行機を降りたあと、入国審査エリアまでかなりの距離を歩かされることは珍しいことではない。ロサンゼルスやサンフランシスコがまさにそうだ。
 ところがこのT3はすばらしい。国際線到着ゲートから入国審査エリアまでの動線が非常に短く、ゲートからエスカレーターを一つ降りるだけだ。
 入国審査の窓口の数は全部で20 (写真右)。さらに予備として8つ用意されている。ロサンゼルスやサンフランシスコのように国際線の到着が短時間に集中することがほとんどないこの空港としては十分な数といってよいのではないか。もちろんブースがあっても、審査官が窓口にいなければ意味は無いが、従来のターミナルの実績から推測するに、たぶん混雑することはないと思われる。

ラスベガス・マッキャラン国際空港、第三ターミナル  入国審査のようなお役所仕事はとかく無愛想で、その場の雰囲気も殺風景になりがち。
 そんななか、入国審査の窓口を通過する前と通過したあとの場所で、それぞれちょっとしたアートを楽しめるようになっているのはありがたい。
 窓口の手前、つまり行列をなすエリアの壁には、板にペイントした長さ15メートルにおよぶ巨大アートが飾られている。右の写真がそのアートと作者の Terry Ritter さんで、この作品は、かつてラスベガスのナイトショーでダンサーやシンガーをやっていた彼女が、ラスベガスの繁栄を祈って、この空港のために作った力作 「Folies in Flight」。この日は彼女自らが作品の前に立ち、見学者に説明してくれた。
 窓口を通過したあとは、到着ロビーに出るまでの通路の壁沿いに、往年のラスベガスの写真がたくさん飾られている (写真右下)。今はなきホテルの写真を中心に、古き良き時代のラスベガスをたっぷり楽しめるので、興味がある者は1枚1枚じっくり鑑賞すると良いだろう。

ラスベガス・マッキャラン国際空港、第三ターミナル  ラスベガスに限らずどこの都市の空港においても、新しいターミナルでの運用が開始されてすぐは混乱が生じやすい。しばらくの間、この T3利用する際は、事前に情報を確認し、念のため少し早めに空港に到着するようにしたほうがよいだろう。現時点で T3を利用することになっている航空会社は以下のとおり。

 国際線: AeroMexico、Air Berlin、Air Canada、ArkeFly、British Airways、Condor、Copa、Korean Air、Philippine Airlines、Sunwing、Thomas Cook、Virgin Atlantic、Viva Aerobus、Volaris、WestJet、XL Airways France
 国内線: Frontier、JetBlue、Sun Country、Virgin America、Hawaiian、United



バックナンバーリストへもどる