週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2012年 02月 01日号
スーパーボウルの豊富な賭け、Cantor Gaming がおもしろい
Sports Book  過去記事との重複になるが、今年もまたスーパーボウルの季節がやってきた。2月5日、インディアナポリスで開催される。
 「スーパーボウル」 とは、プロフットボールリーグ NFL のチャンピオン決定戦のことで、全米最大のスポーツイベント。7試合制の大リーグ野球のワールドシリーズと異なり、1試合だけの一発勝負のためか、その注目度は半端ではなく、もはや冬の風物詩ともいえるアメリカの国民的行事だ。

Sports Book  特にギャンブルの街ここラスベガスでの過熱ぶりはすさまじく、日ごろ賭けごとやフットボールに縁がない者までもがカジノへ足を運ぶ。
 カジノ側も元スター選手を招いての大型スクリーンでの観戦パーティーを競って開催するなど、年に一度のビジネスチャンスに余念がない。チーム名すら知らない者や、ひいきチームを持たない者までもが楽しめるようにさまざまな賭けが用意され、カジノでは大金が動くことになる。
 今週は、そんなスーパーボウルの賭け方や、現在の配当倍率などを取り上げてみたい。なお青少年も観戦する神聖なるスポーツを賭けの対象にすることに対して、主催者である NFL組織が強く反対している関係で、Super Bowl という固有名詞をカジノで使うことが法律論争になりやすく、近年カジノでは Pro Football Championship という表現を使う傾向にある。(写真右下、クリックで拡大)

Sports Book  今年の対戦カードは 「ニューイングランド・ペイトリオッツ 対 ニューヨーク・ジャイアンツ」。
 ラスベガスのカジノでのハンデ (現場では 「ポイント・スプレッド」 と称されることが多い) は、ペイトリオッツがやや有利と見られており、マイナス 2.5点。(写真右)
 これは、ペイトリオッツに賭けた者は、ペイトリオッツが 3点差以上で試合に勝たなければカジノでの賭けは負けてしまうことを意味し、逆にジャイアンツに賭けた者は、実際の試合でジャイアンツが負けても 2点差以内であれば、カジノでは勝ちになり払戻金を受け取れることになる。
 なおこのハンデの数値はカジノによって異なり、また時間と共に変化する可能性がある。実際に、2.5点ではなく、3点になっているカジノも少なくない。

 このようなハンデ込みの賭けの場合の払戻金は原則としてどちらのチームに賭けても1倍、つまり 100ドル賭けた場合は、自分の賭け金も含めて 200ドル戻ってくることになるが、実際にはカジノ側が手数料を取るので (その率はカジノによって異なるが、以下で示す 「マネーライン」 でいうところの -110 か -105 に設定しているカジノが多い)、200ドルよりやや少なくなる。
 ただ、今年はハンデを 2.5点に設定しても 3.0点にしても、どちらか一方のチームに投票金額がかたよってしまうためか、払戻率が両チーム同じではなく、微妙に差をつけているカジノが目立っており、右上の写真の数値も、ジャイアンツに賭けて勝った場合は +105、ペイトリオッツの場合は -125 になっている。(1月31日の、MGM 系のカジノにおける数値)

 ハンデ込みの賭け方が一般的だが、ハンデなしで賭けることもできる。たとえばジャイアンツファンなどが、「ハンデなどいらない。とにかく試合に勝つことしか考えていない」 という場合は、ハンデなしでジャイアンツに賭けることも可能だ。その場合、右上の写真からも読み取れるとおり、現在のマネーラインは +120。同様にマイナスハンデなしでペイトリオッツの勝ちに賭ける場合のマネーラインは -140。
 この 「マネーライン」 とは、得点によるハンデではなく、賭け金で実力差を調整しているようなものと考えればよく、「+120」 の意味は、100ドル賭けて試合に勝つと 120ドル受け取れる(自分の賭け金も含めれば 220ドル受け取れる) ことになり、「-140」 は、「100ドル勝ちたい人は 140ドル賭けてください」 ということを意味する。つまり、ペイトリオッツに 140ドル賭けて試合に勝つと、100ドルの儲け、つまり自分の賭け金も含めて 240ドル受け取れることになる。
 なお、これらマネーラインの賭けの場合、すでにその数値にカジノ側の手数料が組み込まれているので、さらに手数料を取られることはない。

 どちらのチームが強いのか、もしくはどちらのチームが好きか嫌いかなどにまったく興味がない者に人気があるのが Over / Under という賭けだ。今年のスーパーボウルのこの数値は現在 55。
 これはどちらかのチームに賭けるというものではなく、両チームの合計得点がこの数値を超えるか超えないかを当てる賭けで、これに賭けた場合のテレビの前などで、「どっちのチームでもいいから、とにかく早くたくさん点を取ってくれ〜!」、もしくはその逆に 「点を取るな〜!」 といったカタチで応援することになる。
 配当倍率は、Over も Under も -110。つまり 100ドル勝つためには 110ドル賭けなければならない。(カジノによっては -105 の場合もある)

 なおハンデにしろマネーラインにしろ合計得点にしろ、その数値はファンの賭け方の偏りに応じて、どのような試合結果になってもカジノが損をしないように日々刻々と変化し得るもので、上記の数値が絶対的なものではないことは言うまでもない。(変則的な高額の賭けに対してハンデの設定を誤ったりした場合など、ごくまれにカジノ側が損をすることもある)
 したがって、今週ラスベガスに滞在予定の者でこれから賭けに参加する場合は、必ず電光掲示板などでそのつど数値を確認する必要がある。
 なお、それぞれの賭けの買い方は、その賭けの左側に表示してある整理番号 (右上の写真では赤い数字) と賭けたい金額を窓口で申し出るだけなのでむずかしいことは何もない。

 ここまでに説明した賭け、つまりハンデあり、ハンデなし、合計得点、はどこのカジノにもある人気の賭け方だが、それ以外にも各カジノでは独自のユニークな賭け方をたくさん用意している。
 ちなみに、これまで長らくスポーツブックといえば、スターダスト・ホテルとラスベガス・ヒルトンが、バラエティーに富んださまざまな賭けを用意していることで有名だったが、前者は数年前にホテル自体が消滅、後者は今年の1月からの名称変更や昨年来の経営難などでゴタゴタしているので今年は新たな会社に注目してみたい。
 最近スポーツブック専用の個人端末機を開発してネバダ州から承認されるなど、この分野で脚光を浴びている Cantor Gaming 社だ。この会社は、自社がカジノホテルそのものを経営したりするのではなく、カジノホテル内のスポーツブックの運営を引き受けるいわばスポーツブックに特化したプロ集団で、近年、コスモポリタン、トロピカーナ、Mリゾート、ハードロック、ベネチアン、パラッツォなどのカジノホテルと契約を結び、ラスベガスでの存在感を急速に高めている。

Sports Book  以下に列挙したのは同社が今回のスーパーボウルに対して提供している100以上の賭けの中の一部だ。興味がある者はこういったユニークな賭けに参加し、お祭り気分を盛り上げてみるのもいいだろう。
 Cantor 社の投票窓口の場所としては、繁華街のほぼ中央という意味で、多くの日本人観光客にとってはコスモポリタン・ホテル(写真右上)が便利だろう。カジノフロアの一つ上のレストラン街にある 。規模は小さいが、スッキリきれいにまとまっていて使いやすいと評判だ。
 なおこの Gaming 社がやっている以下に示したような特殊な賭けは、配当倍率を現場の電光掲示板に表示しきれないので、数ページに渡る印刷物として棚などに置かれている。それを手に取ってゆっくり検討してから、窓口でその印刷物内の希望の賭けを指などでさし示しながら現金を渡せばわかってもらえるので、初心者でも気軽に参加可能だ。

ジャイアンまたはペイトリオッツのそれぞれのチームの最終的な合計得点を当てる賭け。
 たとえば、「ジャイアンツの合計得点は24点」 に賭けて的中すると8倍の払い戻し。同様に 0点は70倍、2点は2000倍、3点は100倍、48点は60倍、49点は50倍、50点以上は15倍で、途中の得点もすべて倍率が用意されている。

何点差でどっちのチームが勝つかを当てる賭け。
 たとえば、「ペイトリオッツが4点差以内で勝つ」 は3.5倍、「ジャイアンツが 39点差以上で勝つ」 は50倍。その中間の点差もそれぞれ用意されている。

試合開始後、最初に得点を入れるチームと、最終的に勝つチームを当てる賭け。
 たとえば、「最初に得点を入れるのはペイトリオッツで、試合に勝つのもペイトリオッツ」 は 1.6倍、「最初に得点を入れるのはジャイアンツで、試合に勝つのはペイトリオッツ」が2.5倍。

前半終了時点でリードしているチームと、最終的に勝つチームを当てる賭け。
 たとえば、「前半終了時にリードしているのはペイトリオッツで、試合に勝つのもペイトリオッツ」 は 1.4倍、「前半終了時にリードしているのはペイトリオッツで、試合に勝つのはジャイアンツ」は3.5倍、「前半は同点で試合に勝つのはジャイアンツ」は 8倍。

試合開始後、最初の得点はどのような形で入るかを当てる賭け。
 「ペイトリオッツがタッチダウンパスで」は2倍、 「ペイトリオッツがタッチダウンランで」は4.5倍、「ジャイアンツがフィールドゴールのキックで」は4倍、「ジャイアンツがセーフティーで」は75倍、「ジャイアンツがキックオフリターンなどその他の方法で」が15倍。

両チームの合計フィールドゴールの数を当てる賭け。
 「0本」が4倍、「1本」が3.5倍、「2本」が2.5倍、「3本」が2倍、「7本」は40倍、「8本以上」は25倍。

 これら以外にも、各選手ごとのさまざまな成績や、「守備陣営が得点を決めるようなプレーがあるかないか」、「0対0 以外のスコアで、一度でも同点になる瞬間があるかないか」、「両チーム共にスコアが1点も入らないクオーターがあるかないか」、「試合開始時のコイン・トスは裏か表か」、「クオーターバックサックは両チーム合計で4回以上あるかないか」、「最初に反則を犯すのはどっちのチームか」 など、ありとあらゆる賭けが用意されている。



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