週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2001年12月19日号
オーシャンズ11" が堂々第一位 !
 今月7日、ラスベガスを舞台とした映画 "Ocean's 11" (スティーブン・ソダーバーグ監督) が公開され、地元ラスベガスではもちろんのこと全米の映画ファンの間でも大きな話題を集めている。
(右側に並ぶ各写真は AOLワーナーブラザーズ社のオフィシャルサイトに置かれているファイルからダウンロード表示されているもので、クリックすると先方サイトで拡大写真が見られるようになっています)

 この Oceasn's 11 は 1960年にフランクシナトラやサミーデービスジュニアらが演じた同じ題名の作品 (日本名: "オーシャンと11人の仲間たち" ) のリメイク版だ。
 主演ジョージ・クルーニー、共演ブラッド・ピット、ジュリア・ロバーツといった前作に勝るとも劣らない豪華キャストが注目されたのか、単純なストーリーのわりには興行成績は良く、公開第一週目のランキングはハリーポッターなどの人気作品を抑えて堂々第一位に輝き、2週目となる直近のランキングでもバニラスカイに次ぐ第二位と奮闘している。

 主人公は泥棒を本業とするダニー・オーシャン (ジョージ・クルーニー) で、出所直後に旧友のラスティー (ブラッド・ピット) と会い、服役中に考えた壮大な強盗計画を打ち明ける。襲撃ターゲットは、ダニーの妻テス・オーシャンといつのまにか恋仲になっていたホテル王テリー・ベネディクト (アンディ・ガルシア) が経営するベラージオホテルの地下金庫で、ここには同じくテリーが経営する MGMグランドとミラージホテルの売上金も毎日集まって来る。

 大した仕事も無くポーカーなどをやりながら毎日ブラブラと暮らしていたラスティーはすぐにダニーの話に乗るが、ベラージオの事情に詳しい者から話を聞いた二人は、計画実行までにさまざまな準備と人材が必要なことに気付く。
 まずベラージオの各種施設に近付くためにはスタッフなどの身分証明カードなどを手に入れなければならない。また、監視カメラの配線を変えてしまう電気職人や爆発物のプロ、無線のプロ、そして狭い場所に隠れたり俊敏な動きができる忍者のような身軽な男、さらにはホテル側にわがままが言える大物ハイローラー (カジノに大金を落としていく大富豪ギャンブラーで、ホテル側にとっては最も重要な客) なども計画の実行には欠かせない。

 二人はさっそく人材確保に東奔西走し、シカゴの通勤電車の中で盗みを働くネクラな青年スリ、ベラージオでまじめに働くおとなしい電気職人、爆発物を使った大胆な金庫破りでロサンゼルス警察に捕まりかけた大男、ラジコンカーを趣味とする無線オタク、中国雑技団出身の小柄な中国系サーカス団員、フロリダのドッグレースで馬券ならぬ犬券を買ってささやかに趣味を楽しむ老人などを次から次へとスカウトしながら "オーシャンと11人の仲間たち" は結成されていく。
 決行の日は、ボクシングの賭けなどの影響で地下金庫に大金が集まるとされるヘビー級タイトルマッチの開催日が選ばれ、ベラージオの美術館で働くテスをさそってテリーが世界チャンピオン・レノックスルイスの防衛戦を MGMグランドのアリーナに観に行っている最中に地下金庫は襲撃される。
 11人による "泥棒のドリームチーム" が盗み出そうとした金額はなんと 1億 5000万ドル(約 190億円)。はたして結果はいかに。

 ストーリーとしては極めて単純で、男女の感情などが揺れ動くシーンや複雑な人間関係などはほとんどない。そもそも女性はテスひとりしか登場せず、男女の心の駆け引きのようなものはダニーとテリーの間に立たされたテスがほんの一時悩むような場面だけだ。
 また、同じラスベガスを舞台とした映画でも "バグジー" や "カジノ" で見られるような殺しのシーンや、マフィア、酒、女、麻薬などが絡んだドロドロした場面はまったく無く、子供でも楽しめそうな (ちなみにレーティングは PG-13 ← クリック) コミカルな雰囲気すら漂うアクション系エンターテイメント作品に仕上がっている。
 そういう意味では興行成績が良いのはストーリー性よりも役者の人気やその実力に頼っている部分が多いようにも見受けられるが、それはそれで悪いことではないだろう。

 ただこの作品は単純明快ではあるものの、ラスベガス自体にそれほど興味がない者や、カジノのシステムをあまり知らない者にとっては楽しい映画ではないかもしれない。ハイローラーが演じる突拍子もない要求やそれに対するホテル側の対応など、カジノの本質的な部分を理解していないと楽しさも半減してしまうようなシーンがいくつか見受けられた。
 さらに登場場面が最初から最後までほとんどベラージオのカジノと地下金庫であることと、ベラージオ、MGMグランドなど、多くの場所が実名で登場してしまっているため、従来のラスベガス映画に見られるような 「あの場面に出て来たお洒落なレストランへ行ってみたい」、「あの美しいホテルはどこだろう」 などといった思いはほとんど湧いてこない。ちなみにボクシングのタイトルマッチのシーンで登場するボクサーはあのレノックスルイス本人だ。
 そんなリアルな部分にこだわっていることこそこの映画の真骨頂でもあり、それがラスベガスファンにとってはたまらない楽しさなのかもしれない。

 日本でも2月初旬に公開されるとのことだが、場所的にも料金的にも簡単に観ることができるので、年末年始を利用してラスベガスを訪れる者は一足先に "本場" で観ておくのも悪くないだろう。
 字幕無しの完全英語版という少々不便な部分もあるが、ストーリーの舞台となった現場 (ベラージオホテルのカジノ) を実際に自分の目で確かめた直後に、ご当地の映画館で観るというのも格別なはずだ。

 全米各地の映画館で上映中だが (右の写真は Palms ホテルの映画館の看板)、ラスベガス観光客にとって一番便利な場所は、モンテカルロホテルの向かい側にあるシネマコンプレックス United Artists Theater (スクリーン数 8) で、ファミリーレストランのデニーズとコカコーラのオフィシャルギフトショップ (巨大なコカコーラが目印) の間の道を MGMグランドガーデン側に 50m ほど入ってすぐ左側に見つけることができる。高層駐車場ビルの 1階と覚えておけばわかりやすいだろう。
 料金は大人 $8.25、12才未満の子供 $5 (ただし今回の作品は PG-13)、60才以上のシニア $5 となっている。今後人気の変動などによって多少変わる可能性はあるが、18日の取材時における United Artists Theater での上映スケジュールは以下の通り。

11:00am、12:30pm、2:00pm、3:30pm、5:00pm、7:00pm、8:00pm、9:40pm、10:30pm、0:30am


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