週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2001年11月28日号
ベラージオで馬のサーカス Cheval が始まる
 11月21日、ベラージオホテルの屋外特設テントで "馬のサーカス" こと Cheval (フランス語で馬) が、来年1月6日までの期間限定ショーとして始まった。
 テーマはもちろん馬だが、ショー自体のコンセプトは "昔ながらのサーカス" で、「ハイテクを使ったショーが隆盛を極めている時代だからこそ、古き良き時代の再現に力を入れてみた」 (劇団スポークスマン) という大変ノスタルジックなショーだ。

 演じているのはカナダの劇団 Cheval Theatre で、そのオーナーの Gilles SteCroix 氏は、オウやミスティアでおなじみの劇団 Cirque de Soleil の元ディレクター・現コンサルタントという興味深いバックグラウンドの持ち主だ。
 今回の公演は 3年かけて世界各地を回る Cheval ツアーの一環としてベラージオホテルの主催で行われているもので、Cirque de Soleil は直接的には関与していないが、SteCroix 氏の影響もあってか、その演出においては至る所に Cirque de Soleil のテイストが現れている。

 会場はベラージオホテルとモンテカルロホテルの間の空き地に設営された特設テントで、入口から見て近い位置にあるテント (上の写真) が "馬のホテル" (現場スタッフがそのように表現していた) で、その奥にある円錐形が4つ合体したような形のテント (左の写真の左半分) がサーカス会場だ。
 観客に対する粋な計らいか、入場する際は必ず手前のテントを通るようになっており、結果的に観客の全員が馬の飼育現場を見られるようになっている。
 これについて劇団側は 「これが昔ながらのスタイル」 としているが、「動物愛護団体からの非難をかわすために飼育現場を公開せざるを得なかったのでは」 との見方をする地元メディアもある。ちなみに馬は全部で30頭ほど飼われている。

 会場の中央には直径14メートルの円形馬場があり、それを取り巻くように客席が配置されている。したがって一般の劇場のように 「中央寄りの席」 とか 「右端の席」 といった概念がないため、どこの席からでも公平に良く見えるようになっている。
 にもかかわらずなぜかチケットには $49 の席と $56 の席があり、その違いを確認したところ、前の方が $56、後の方が $49 という。しかし実態は 15列しかないため、最後列の席でも距離的に一般の劇場のベストポジションに相当するほど馬場に近く、$49 の席でも何ら支障はない。
 むしろ最前列とその次の列は絶対に避けるべきだろう。馬場を取り囲むフェンスが観客の目の位置よりも高いため、馬場の中の低い位置で行われる演技を見ることができないばかりか、馬が蹴り上げる土も飛んでくる。時には馬糞も飛んでくることだろう。
 一方、会場内にはテントを支える柱が4本あるため、後方の座席においてはその柱に視界の一部をブロックされてしまう席もある。ただ、その柱はそれほど太くないので最前列のような致命的な支障になることはない。$49 の席で十分だろう。なお会場のキャパシティーは見掛け以上に大きく 1500席以上ある。

 ショーの内容はタイトルの通り最初から最後まで馬が登場する。エクスカリバーホテルにも馬を使ったショーがあるが、あちらは騎馬戦的な内容だが、こちらはほどんどサーカスだ。
 狭い馬場を高速で周回する馬の上で宙返りをしたり、馬の背に立ったまま馬から馬へ飛び移ったり、かなり高度で危険なワザを披露してくれる。さらに、馬の背から腹部をくぐり抜け再び馬の背に戻る荒技や、二人の人間が馬の背に二段重ねに立つ難易度の高いアクロバット、それにジャグリングなど、観ている者を飽きさせない。もちろんそれらの演技もすべて走る馬の上で行われる。
 アクロバットの合間にほのぼのするような演技も披露してくれる。人間が騎乗していない 8頭の馬がきちんとシンクロナイズしながらさまざまな動きを見せてくれる馬の行進だ。非常にかわいらしいばかりか、調教の完成度を披露するユニークな演出として興味深い。
 極めつけは馬と人間の漫才だろう。一頭の馬とピエロがボケと突っ込みを演じるという信じ難い演出で、馬が死んだふりをしたりピエロをバカにしたりする。サルを使ったショーなどではよく見られる光景だが、馬では世界でも非常に珍しいという。

 ピエロの使い方や役者の衣装など、どことなく Cirque de Soleil をほうふつとさせる演出が目に付く。また音楽はすべて生バンドというところも Cirque de Soleil の哲学を踏襲しているように思えてならない。最初から最後まで馬ばかりで少々飽きてしまう部分もないではないが、それぞれの演出の完成度はかなり高く、観て後悔するようなショーではないだろう。
 特に動物が主役という意味で、子供は無条件で喜ぶはずだ。年齢制限は特に定められていないようだが、かなり低年齢の子供でも入場できるようなので (実際に現場で幼稚園児程度の子供を多数見かけた)、冬休みを利用した家族連れなどにはおすすめのショーといってよいだろう。なお、ショー自体の長さは正味 1時間40分なので、子供がその長さに耐えられるかどうか親の判断が必要だ。

 料金は前述の通り大人は $49 と $59、12歳未満の子供は $30 と $35。チケットは現場の窓口、もしくはベラージオ、ミラージ、トレジャーアイランドなどの各ボックスオフィスで買うことができる。12月はラスベガスの閑散期などでよほどのことがない限り当日券で十分だろう。ただ 12月25日以降は混む可能性もあるので、ラスベガスに到着した日に翌日分以降のチケットを買うようにするとよいだろう。それでも心配な者は、事前に電話などで購入する方法もある。電話は、ベラージオチケット予約センター 702-693-7722 まで (英語のみ。クレジットカードが必要)。
 場所は、ベラージオホテルとモンテカルロホテルのほぼ中央にある交差点 (信号あり。角にハーレーダビッドソンカフェがある) から西方向に約 200m 歩いた位置。西の方向がわからなくても目的のテントが見えるのでなんら心配はない。11月28日以降の公演日と公演時間は以下の通り。

■ 休演日: 12/3、4、10、17、18、24、31
■ 7:00pm と 9:30pm に公演がある日: 11/30、12/1、21、22、28、29、1/4、5
■ 3:00pm と 7:00pm に公演がある日: 12/8、15、25、1/1
■ 3:00pm のみの公演日: 12/2、6、23、30、1/6
■ 7:00pm のみの公演日: 11/28、29、12/5、6、7、9、11、12、13、14、19、20、26、27、1/2、3



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