週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2001年11月21日号
Palms がオープン、見どころは屋上か。
 11月15日、ストリップ大通りの中心街 (ベラージオホテルやシザーズパレスがある交差点) から、西へちょうど 2km の地点に客室数 455部屋の高層ビル型カジノホテル The Palms がオープンした。

 テーマは名前の通りや "ヤシの木" だが、特にカジノ内にヤシの木が生い茂っているとかいうことではなく、ロゴやインテリアデザインなどにそれが多く使われているという程度のことで、あまり名称を意識しても意味がなさそうだ。英語で Palm は "勝利" や "栄誉" といった縁起の良い意味もあるので、単なる語呂合わせ程度に考えておけばよいだろう。

 オーナーは 37才の地元の青年実業家でプロバスケットボールリーグ NBAの強豪チーム・サクラメントキングスのオーナーでもある George Maloof 氏だ。30才の時に地元民向けカジノ Fiesta をラスベガス郊外にオープンさせた実績を持つ男で (その Fiesta はすでに売却済み)、地元メディアの一部では "第二の Steve Wynn" などとも評されている。
 (Steve Wynn とは、ベラージオ、ミラージ、トレジャーアイランドなどの大型テーマホテルを次々に建設し、ラスベガスに今日の繁栄をもたらした偉大なる功労者)

 本当に Maloof 氏に Wynn 氏ほどの実力があるのかどうかは別にして、今回の Palms に関しては地元メディアと利用者の評価が分かれているところがおもしろい。
 ちなみに Maloof 氏は Palms の 88% の株式を保有する筆頭株主だが、残りは地元メディアを牛耳じる Greenspun ファミリー (地元有力紙 Las Vegas Sun などのオーナー) などが所有している。
 そんな背景があるのかないのか、地元紙にはいわゆる "ヨイショ記事" が目立つ一方、本誌が Palms の現場でランダムにインタビューした限りでは 「狭い」、「安っぽい」 など、利用者の意見は手厳しい。
 たしかにカジノは狭いし、安っぽく見える部分も少なくない。特にテーブルゲームのセクションの狭さと (スロットマシンやビデオポーカーのセクションが圧倒的に広い)、カジノチップ (写真右下) の安っぽさ (見た目以上に材質などが安っぽい) は際立っている。

 もっとも、客室数を考えるとこの狭さも妥当で、また建設資金がまるで違うストリップのメジャーなホテルと豪華さを比べること自体が間違っているのかもしれない。ちなみに客室数の 455部屋も、建設資金の2億7000万ドルもメジャーホテルの数分の1の規模だ。

 そもそもこのカジノは地元民をターゲットとしており、建設資金の多くを映画館、託児所、ナイトクラブ、スポーツブック、ポーカールームなどに費やしているため、豪華さよりもむしろそういった部分に目を向けるべきなのかもしれない。14スクリーンの映画館、そしてテレビゲームからカラオケまで揃った豪華な託児所などはストリップ地区のメジャーホテルではお目にかかれない施設のはずだ。

 そうはいってもそれらは大多数の観光客にとってどうでもいい施設であることに変りはない。では日本人観光客にとってこのホテルの見どころはどこか。
 しいてあげるならば最上階部分だろう (写真左)。通常どこのカジノホテルもカジノへの集客を考えてレストランやバーはすべて 1階のカジノフロアに集中させ、最上階はハイローラー (高額でプレーするギャンブラーのこと。カジノにとっては貴重な客) 用のペントハウススイートにしているのが通り相場だが、この Palms では最上階がフレンチレストラン "ALIZE" と バーラウンジ "Ghost Bar" になっている。
 あいにく今回はホテル側の広報部の都合でレストランやバーの営業時間外の午前中の取材となってしまったため、まだ実際に夜景を見ることができていないが、全面ガラス張りのダイニングルームやデッキ部分からの見晴らしは抜群で (インペリアルパレスやハラス方向の視界がリオスイートにややブロックされるが)、夜はさぞかし美しいストリップの夜景が望めることだろう。そしてなにより "ALIZE" はラスベガス屈指の高級フレンチレストラン "Andres" のオーナーファミリーが経営しているというから味の方もお墨付きのはずだ。いつか機会を見て改めてレポートしてみたい。

 ストリップの中心街からの行き方だが、2km という距離は決して歩けない距離でもないが、タクシー利用がベストだろう。運転手に "Palms Please" といえば通じるはずだ。なお、シャトルバスもすでに運行されているが (Palms が無料で走らせている)、運行間隔がまだ定まっていないばかりか、停車場も流動的なため、現時点での利用は避けた方がよいかもしれない。(とりあえず現在は暫定的に45分間隔で同ホテルとファッションショーモールの間を運行しているが、変わる可能性があるという。)


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