週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2011年 07月 20日号
リックトーマス、プラネットハリウッドに会場を移し再出発
 最近のラスベガスにおけるマジックショーの世界は動きが激しい。昨年ランスバートンが無期限休養を発表した後、クリスエンジェルのリニューアル、ステファンバネルの新規参入、スティーブワイリックの撤退と復活、海外遠征などが多く不在気味だったデイビッドカッパーフィールドのほぼ常駐化、Ai and YuKi の撤退、さらにダークアーサーも現在の会場へ移ってから1年たっていないなど、長期安定公演を続けているのはペンアンドテラーぐらいだ。
 そしてこのたび、トラを使ったマジックショーとして知られるリックトーマスが、会場ホテルをサハラからプラネットハリウッドに移し再出発。今週は、このリックトーマスのショーを取り上げてみたい。

 リックトーマスといえば、ラスベガスではかなりの古株になるが、彼のショーはなぜか公演会場が転々と変わる傾向にあり、一ヶ所で長く続いたためしがない。
 トロピカーナホテルでの公演こそ数年続いたが、その後はスターダスト、オーリンズ、サハラと短期間に会場を変えている。
 といっても、スターダストとサハラからの移籍は、ホテル自体の消滅が理由なのでリック自身の問題ではないが、いずれにせよ、そのサハラホテルの消滅からわずか1ヵ月で、新天地プラネットハリウッドで再出発できたことはめでたい話だ。
 ちなみに今回の会場は、正確にいうとプラネットハリウッドホテル内のシアターではなく、同ホテルに隣接するショッピングモール 「ミラクルマイル」にある Saxe Theater。つい先日まで日本人マジシャン Ai and YuKi が使っていたシアターといったほうがわかりやすいかもしれない。500席ほどの小規模な施設のため全席がステージから近く、観やすいと評判だ。

 さてショーの内容についてだが、注目はやはりなんといってもトラだろう。今回のショーでは、ホワイトタイガーと通常のオレンジ色のタイガーがそれぞれ一頭ずつ登場、人間が瞬時に消えてトラと入れ替わったりする際の主役を演じてくれる。
 リックトーマスがそれらのトラを含め複数の猛獣を自宅で飼っていることは地元ラスベガスでは広く知られるところだが、いくら庭が広い大邸宅といえども、自宅でトラを複数飼うなどなんとも豪快でアメリカらしい。
 トラのような大型動物をショーで使い続ける限り、その移動経費を考えると遠征公演を多数こなすことはむずかしく、結局ラスベガス密着型の常駐公演に活路を見い出すしかないのがこの種のショーのきびしいところで、ちなみに、かつて日本公演に行った際のトラ1頭の運賃は約 15,000ドルというから大変な経費だ。

 とにかくトラが多用されるショーではあるが、開演直後の出し物だけは、リックトーマスらしからぬハトを出したり消したりする古典的なマジックで、ランスバートンなどと比べると荒削りな印象が強いマジシャンではあるものの、手先の器用さが求められるこの種のマジックが可能であることのアピールも忘れていない。
 その後は人体切断、空中浮遊、そしてオートバイやトラを使った大掛かりなイリュージョンが続き、さらに会場から子供をステージに上げての笑いがたえないマジックなど、バラエティーに富んだ演出が続く。
 それでも全体の構成としては、今までのサハラホテルでの公演とほぼ同じなので、すでにサハラ版を観たことがある者は、あまり大きな期待はしないほうがよいかもしれない。
 なお、かつての演出と比較して異なっている点をしいてあげるとするならば、総じてよくしゃべるようになったということ。結果的に会場が笑いに包まれるシーンが多く、それは言葉にハンデがある一般日本人観光客にとっては歓迎しがたい部分ではあるが、しょせんはマジックショー、言葉で楽しむ部分よりも観て楽しむ部分のほうが圧倒的に多く、たとえトークの内容がわからなくても、このショーの本質的な価値が半減するようなことにはならないので気にする必要はない。
 公演は毎日 3:00pm 開演。つまりナイトショーというよりもアフタヌーンショーということになる。チケット売り場はシアター前にあり、チケット料金は $39.99 + 税。なお約10ドルを追加して 「VIPチケット」 を買うと、公演終了後、ステージ上でトラとリックトーマスとの撮影会 (右上の写真) に参加することが可能。


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