週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2011年 03月 09日号
まるでお菓子の国、キャンディ専門店がパリスにオープン
 およそ一年にわたる工事の末、ストリップの景色が少し変わった。パリの雰囲気を演出していたパリスホテルのファザードと噴水がなくなり、代わりにおとぎ話のようなショーウィンドウが出現 (写真右、クリックで拡大)。
 このウィンドウは、このたびオープンしたキャンディ専門店 "SUGAR FACTORY" のもので、先週金曜日にはハリウッドセレブを迎え、オープニングセレモニー (写真右下) が盛大におこなわれた。

 シュガーファクトリーはインターネットの通信販売もおこなっているが、店舗を展開しているのはラスベガスだけ。
 2009年にミラージュホテルに1号店を開業、翌年にはプラネットハリウッドホテルに隣接するショッピングモール、ミラクルマイルショップスにも進出。そして今回、パリスのラスベガス大通りに面した一等地という目立つロケーションに、シュガーファクトリーが経営するレストラン、ナイトクラブとともに旗艦店と位置づける3店めを開業した。

 キャンディ専門店というと子供向けかと思われるが、メインターゲットとしているのはもう少し上の世代。
 というのも、シュガーファクトリーはマーケティングにおいて、ラスベガスのみならずロサンゼルスやニューヨークでも、レッドカーペットに登場する芸能人にキャンディを持たせ、各種メディアに露出させるという戦略をおこなっている。起用するのはパリス・ヒルトンのような有名人から、日本ではほとんど無名の人まで様々だが、子供ではなく若者に人気のあるタレントが多い。(右の写真はブリトニースピアーズ。同社広報部提供)

 パリス店のショーウィンドウも、昼間こそおとぎ話のようだが、夜になるとカップケーキが付いた衣装の 「カップケーキガール」 が現れ、大通りを行きかう人々に笑顔を振りまきながら踊るという、なんともラスベガスらしい光景を見ることができる。これこそ大人のためのキャンディショップという証拠といってよいだろう。

 店内に足を運ぶと、赤や黄色などのカラフルな色やポップなディスプレーがあふれ、キャンディだけでなくチョコレートやグミ、アイスクリーム、ケーキなど、およそスイーツといわれて思いつくようなものは一通り揃っている。まさにお菓子の国だ。
 アメリカの菓子は日本人には甘すぎるというイメージが強く敬遠されがちだが、この店の商品をいくつか試食した限りでは、甘すぎるということはなかった。

 シュガーファクトリーの主力商品は 「クチュール・ポップ」 (Couture Pop) と呼ばれるハンドルにラインストーンをあしらったいわゆる 「デコ」 なロリポップ (写真右下)。
 なかでも "Signature Series" という、タレントをイメージしてつくられたものは、まるで高級アクセサリーのようにガラスケース内に飾られている。
 キム・カーダシアン (写真右) やブリトニー・スピアーズといった人気スターの名前を冠したものの他に、「ハロー・キティ」 や 「ラスベガスシリーズ」 といったものも。

 ハンドルは使い捨てではなく、キャンディの脱着ができるしくみになっているため、替えのキャンディを購入すれば壊れない限り何度でも使用できるという、ゴージャスなだけではなく実用性に富んだアイデア商品でもある。
 キャンデーのフレーバーは7種類。"Creamy Orange" を食べてみたが、名前のとおりクリーミーなオレンジ味で、まずくはないがすごくおいしいという程でもない平均的なものだった。
 価格はシグネチャーシリーズが25ドル、それ以外のクチュールポップが22ドルから25ドル、替えキャンディは3コ入りで12ドル。
 クチュールポップは確かに高いが、ほかでは買えないオリジナル商品ということと、高級なストリップ地区という場所を考えれば、納得できない価格ではないだろう。
 クチュールポップ以外ではリーズナブルな価格の商品も少なくない。そのなかの一つがチョコレートバーで、1本2.75ドル。"Dark Chocolate Espresso" と "Key Lime Milk" を試食。どちらも味は悪くないが、なめらかさがなく食感が少しざらざらしていたのが気になった。

 店の広い部分を占める量り売りコーナーでは、キャンディやチョコレート、ジェリービーンズやグミなど70種類以上の菓子から選ぶことができる。
 料金は1ポンド(約450グラム) 12.99ドル。試してみたところ菓子を入れる袋が細長いせいか、実際の量より少なく見え、つい入れすぎてしまう。
 選ぶ菓子によって変わるが、おおよその目安としては、下から約5センチのところまでで (写真右下) 350グラムになり料金は10ドル。

 これからの季節に食べたくなるアイスクリームのフレーバーは18種類。
 値段はカップのスモールサイズが4.95ドル。シェイク (5.95ドル) やサンデー (7.5ドル〜) もある。このアイスクリームコーナーには飲み物もあり、紅茶 (1.75ドル〜)、コーヒー (2.5ドル〜)、ラテ (4ドル〜) といったところで値段は良心的。
 店内にベンチが置かれているが、ゆっくり食べることができる環境ではない。店の奥にある秘密の小部屋の方が落ちつけそうだ。部屋の場所はクチュールポップコーナーの奥。なお、この部屋からホテル内へ直接アクセスすることができるようになっている。

 プラネットハリウッド側に面した店の外側にもテイクアウトのカフェがあり (右写真の赤いキャノピーの部分)、店内と同じ飲み物やアイスクリームを使ったメニューのほか、サンドイッチ、サラダ類などの軽食も売られている。
 アイスクリームや飲み物の値段は店内と同じで、サンドイッチは7ドル、サラダが16ドル。テーブルが利用できるが、のんびりしていたら時間がもったいないと考える人が多いのか、オープン間もない今でさえあいていることが多い。大通りを歩いているときに、わざわざモールやホテルのなかに買いに行く手間がはぶけ、使い勝手がよさそうだ。

 さて、気になった点がある。この店はブランド店のように接客販売を基本としているようで、商品の価格がわかりにくい。一部のものには値札が貼られているが (写真右)、値段がまったく表示されていない商品も少なくない (同右下)。これはパリス店だけでなく、ほかの2店でも同じことがいえる。
 店員にいちいち値段を確認しなければならないのはとても面倒なことで、特に非英語圏の人にとっては不便極まりない。接客販売は残しつつも、海外からの客にも目を向け、簡単に価格がわかるよう改善を願いたいものだ。
 なお一部商品の価格はシュガーファクトリーの通販サイト www.sugarfactory.com で確認できる。

 ミラージュに1号店が開店したときは、キャンディ専門店が家賃の高いストリップ地区でビジネスとして成り立つのかと不安の声も聞かれたものだが、どうやらそれは杞憂に終わったようで、レストランやナイトクラブまでつくってしまうまでにビジネスを拡大している。
 ちなみに来月にはもう1店、ナイトクラブをオープンさせる予定で、いまひとつ元気がないラスベガスにおいて、現在いちばん勢いがある企業といえるかもしれない。
 このシュガーファクトリーの成功に便乗してか (少なくとも失敗はしていないように見受けられる)、タウンスクエアモールに "IT’SUGAR" 、マンダレイベイホテルのショッピングモールには "Lick" というキャンディ専門店が最近開業した。近い将来、街中にキャンディショップが乱立することになるのだろうか。

 せっかくのラスベガス旅行、記念にロリポップを買ってみるのも悪くないだろう。珍しいもの好き、新しいもの好き、デコ好きな人へのみやげとしては最適だ。
 このシュガーファクトリーパリス店の場所は、パリスホテルのラスベガス大通り沿い。大通りからもホテルの館内からも直接アクセス可能で、営業時間は24時間。外側のカフェは月〜木が午前7時から午前2時、金〜日が午前7時から午前3時。なお隣接する場所に "Sugar Factory American Brasserie" というアメリカ料理のレストランもあり、こちらも24時間営業。

 参考までに、ミラージュ店の場所はシーザーズパレス側の入口から入り、カジノフロア方向へ進んだ右側。ロゴ (写真右) に使われているのと同じデザインの大きなアヒルが目印。営業時間は午前8時から午前2時。この店舗ではアイスクリームの販売はしていない。
 ミラクルマイル店はモール南側 (Pink's Hot Dogs に近い方) 玄関から入った 2軒めの右側。時間は日〜木が午前8時から午前1時、金・土曜が午前8時から午前2時。なおこれら2店は小規模な店舗なので、できればパリス店に行ったほうがよいだろう。


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