週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2011年 03月 02日号
超高級モール 「クリスタルズ」、ようやく店舗が出揃う
 2009年12月にオープンしたシティセンター内の超高級ショッピングモール 「クリスタルズ」。(右写真の下半分の施設。クリックで拡大表示)
 景気低迷といった外部要因のみならず、高級ブランド店ばかりで一般の人が楽しめる雰囲気がない、隣接するハーモンホテルの計画が頓挫した、といったこのモール独自の問題もあり、開業時にはおよそ半分のテナントが出店を見合わせていたが、それから約1年が経過し、予定されていたテナントがようやく出揃ったので、あらためてショップの紹介をしてみたい。

 出揃ったといってもすべての店舗スペースが完全に埋まったわけではない。いまだ出店予定のない場所が何カ所かあり、また、高い天井までの吹き抜け部分が広いこと、建物の下半分しか店舗として使われてないことなど、開業当時に感じた開放感、悪くいえばスカスカ感は相変わらずだ。
 モール側も同じことを思ったのか、店舗のない場所はシティセンターの広告写真で埋め、少しでも賑わいを出そうとしており、また、開業当時にはまったく無かったベンチをいくつか設置するなど、快適なモールにしようとする努力もうかがえる。

 高級モールといえば、すぐに思い浮かべるのが、シーザーズパレスに隣接する 「フォーラムショップス」。
 実際クリスタルズのテナントのうち、およそ3分の1 がフォーラムショップスにも出店している。しかしこの2つのモールには大きな違いがある。
 フォーラムショップスは高級というイメージが強いものの、決してすべての店がハイエンドというわけではなく、むしろ高級ブランドではないテナントの方が多い。カジュアル系のチェーン店やファストファッションの人気店までそろえ、幅広い客層を集めることに成功している。また、1時間に1度おこなわれる無料のショーも、集客に大きく貢献していることはいうまでもない。
 一方、クリスタルズは 「世界一の超高級ショッピングモール」 と掲げるだけあり、ほぼすべての店がハイエンド。
 無料ショーの代わりに、著名アーティストによる芸術作品、たとえば円柱の中で水が渦をまく "Halo" (写真右) や、氷柱の "Glacia" といったオブジェなどがあるものの、それらが集客に貢献しているとは言い難い。

 では、高級店ばかりでモールは閑散としているのかと言えば、必ずしもそうではない。最近は少しずつではあるが、賑わいを見せてきている。
 ただしこれは通行人が増えてきているというだけで、買い物をしている人が大勢いるということではない。
 クリスタルズ東側 (ラスベガス大通り側) の2階は、プラネットハリウッドホテルからコスモポリタンホテルを結び、さらにマンダリンオリエンタルホテルまで続くブリッジの一部。西側にはアリアホテルとの通路と、ベラージオホテル・モンテカルロホテル行きのモノレールの駅があり、まわりのホテルとのアクセスの利便性が高いため、多くの人にとっては通過するだけの場所となっているようだ。

 したがって、一部の人気ブランドではにぎわっているものの、ほかの多くの店では手持ち無沙汰なスタッフの姿が散見されたりする。しかし逆に考えれば、店がすいているということはゆっくり商品を選ぶことができるということでもあり、ショッピングを楽しみたい者にとっては、これほど落ち着いて買い物ができる場所はない。店員をつかまえやすいという利点もありそうだ。

 このモールにはラスベガス初進出のブランドが多い。小売テナント36店中15店がそれに該当しており、ミュウミュウ、ステラ・マッカートニー、ポール・スミス、トム・フォード、ランバンといった日本で人気のあるショップもラスベガス進出を果たした。
 比較的大きな店が多いというのも特徴のひとつ。店内はその広さを生かし、かなりゆったりとした空間になっている。ティファニー、ディオール、ゼニア、ヴァンクリーフ&アーペル、ミキモトはラスベガスでいちばん大きな店舗とのこと。
 さらに上をいくのがルイ・ヴィトンで、北米最大の面積を誇り、世界中に12店しかない 「メゾン」 と呼ばれるフルラインを扱う店舗となっている。高さ10メートル、1,600個のヴィトンのモチーフからなるシャンデリアなど、店内のインテリアにも見どころが多い。

 インテリアと言えば、店内にトレビの泉をつくったフェンディも負けてない。ちなみに泉の裏側は本来ならショーウィンドウにするところだが、ここを壁にしてトレビの泉の壁画を描き、さらにのぞき窓までつくるという遊び心あふれるものになっている。
 ショップの贅沢な内装とモールのモダンなインテリアにも注目してみれば、何か面白いものが見つかるかもしれない。
 なお、ブランド店には日本人、あるいは日本語を話すことができる店員がいる可能性があるので、日本語での接客を希望する場合は、そのようなスタッフがいるかどうか聞いてみるとよいだろう。"ジャパニーズ、スピーキング、プリーズ" とでもいえばわかってもらえるはずだ。
 なお無線によるネット接続は後述する、"THE CUP" というコーヒーショップで無料で利用することができる。
 営業時間は日〜木曜が午前10時から午後11時、金・土曜が午前10時から深夜12時まで。以下が現在営業している店舗リスト。(店名うしろの ※ はラスベガス初出店)

【1階と2階】
Ermenegildo Zegna、LOUIS VUITTON、PRADA、TIFFANY & CO.

【1階】
BALLY、BOTTEGA VENETA、 BULGARI、Christian Dior、 HERMES、 H.Stern ※、 LANVIN ※、 MARNI ※、 MIKIMOTO、 miu miu ※、 Paul Smith ※、roberto cavalli ※、TOM FORD ※、VERSACE

【2階】
ASSOULINE ※、BALENCIAGA、BRUNELLO CUCINELLI ※、 Cartier、 de GRISOGONO ※、 DONNA KARAN ※、 EMILIO PUCCI、 FENDI、 GUCCI、 ILORI、 HARRY WINSTON、 KIKI DE MONTPARNASSE ※、 nanette lepore、 PORSCHE DESIGN ※、 STELLA McCARTNEY ※、 TOURBILLON ※、 Van Cleef & Arpels、 YVES SAINT LAURENT

【準備中】
TAG Heuer(2011年春オープン予定)、 PHILIPP PLEIN(2011年中にオープン予定)

 以下はレストラン。スターシェフと呼ばれる有名シェフの店や、すでに高い評価を受けている店が多いが、気軽に入ることのできるコーヒーショップもある。

◎ Social House
バックナンバー502号で紹介した和風創作料理店が、トレジャーアイランドホテルから移転。ランチメニューのラーメンとどんぶりを試してみたが、どちらも美味。ランチは土・日曜の正午〜午後4時のみ。ディナーは日〜木曜が午後6時〜午後10時、金・土曜は午後6時〜午後11時。

◎ WOLFGANG PUCK PIZZERIA & CUCINA
スターシェフ、ウルフギャング・パックによるピザとイタリア料理の店。時間は日〜木曜が午前11時半から午後10時、金・土曜は午前11時半から午後11時。

◎the pods by wolfgang puck ウルフギャング・パックによるカジュアルなカフェ。日〜木曜は午前9時から午後4時、金・土曜は午前10時から午後5時。

◎ TODD ENGLISH P.U.B.
ベラージオホテルに "Olives" を出しているトッド・イングリッシュの店。パブだけにビールとワインが充実しており、ラスベガスの地ビール "Tenaya Creek Pilsner" も扱っている。甘いものが好きなら、チョコレートフレーバーのビールは試してみる価値あり。日〜木曜は午前11時から午後11時、金・土曜は午前11時から深夜12時。

◎ MASTRO'S OCEAN CLUB
モールで最も目立つ、木のオブジェの中にあるレストラン。シーフード店のような名前だが、ステーキの評判が良い。日〜木曜は午後5時から午後10時、金・土曜は午後5時から午後11時。

◎ Beso STEAKHOUSE
人気ドラマ 「デスパレートな妻たち」 に出演していたエヴァ・ロンゴリア・パーカーの店。日〜木曜は午後5時半から午後11時、金・土曜は午後5時半から深夜12時。なおレストランの上階は、エヴァのナイトクラブ "Eve NIGHTCLUB"。水〜土曜午後10時半から午前4時。経営難で会社更生法を申請。

◎ THE CUP
ハイエンドなモールの中で、唯一ほっとできる庶民的な店。コーヒー・紅茶3ドル〜、スムージー5ドル〜。サンドイッチ、ピザ、サラダもあり軽食をとることもできる。Wi-Fi が無料で利用可能、パスワードは店員に確認を。店の時間は午前9時から深夜12時。場所は少々わかりづらいが、アリア側玄関の真下、1階にある。

 モール内のことばかり述べてきたが、最後にモールの外について。ラスベガス大通り沿いの歩道は広く、街路樹や花壇のある気持ちのいい場所だ。歩道は曲がりくねっているが、本物の街を歩いているような気分にするためわざと蛇行させたという。これからの季節は気候が良いので、ショッピングとは別に、散策を楽しむのもよいだろう。



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