週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2011年 02月 16日号
オープンスカイ協定で、ラスベガス旅行がますます便利に
 昨年10月、日米両政府は、日本初となる首都圏空港を含んだ航空自由化 (オープンスカイ) 協定を締結した。(韓国やシンガポールとの間でも協定はあるが、羽田を含むのは日米間協定が初)
 この合意により、これまで両国政府の認可などが必要だった運行や運賃の設定において、各空港の発着枠内であれば、航空会社の自由な裁量による経営判断だけで決められるようになる。また同時に、日米双方の航空会社が独占禁止法の適用除外の認可を受けることも決定。その結果、たとえば提携関係にある日本航空とアメリカン航空が話し合って運賃を決めるといった、従来ならば固く禁じられていた価格カルテルのようなことも許されるようになった。(写真は過去のもの。現在、日本航空はラスベガスに運行していない)

 このオープンスカイを受け、各アライアンス (航空連合) 内での提携強化の動きが活発化し、今までは不可能だった新サービスが続々と登場してきている。
 実際に日本航空は先月末、新たな割引運賃を発表。2月9日には、全日本空輸もラスベガスを含む10都市への北米国内線の乗継運賃廃止に踏みきるというプレスリリースを行った。またプレミアム・エコノミークラスに関するアナウンスなど、デルタ航空の動きからも目が離せない。

 以下、ラスベガス旅行に関わる北米路線の最近の動きをまとめてみた。同じアライアンス内の航空会社間では競争が少なくなるものの、アライアンス間での競争はそれ以上に激しさを増してきており、利用者にとっての利便性は確実にアップするものと思われる。ラスベガス旅行がより身近なものになることを期待したい。

各アライアンスと、日本からの北米路線に関わる主な航空会社

ワンワールド
日本航空、 アメリカン航空

スターアライアンス
全日本空輸、 ユナイテッド航空 (コンチネンタル航空)、
USエアウェイズ、 シンガポール航空、 エアカナダ

スカイチーム
デルタ航空 (ノースウェストを吸収合併)、 大韓航空

 ビジネスクラスにおいて、往路が日本航空、復路がアメリカン航空など、異なる航空会社を利用した場合、両社共通の割引運賃が適用可能に。
(例: 成田−ロサンゼルス便の利用において、航空会社が異なる場合、今までは IATA普通運賃79万5000円〜が適用されていたが、今後は 29万8000円〜に)

 往路が日本航空エコノミークラス、復路がアメリカン航空ビジネスクラスなど、クラスが異なる場合でも、2社それぞれの割引運賃が適用可能に。

 アメリカン航空のネットワークの活用で、米国内の乗継ぎが片道2回まで可能になり、割引運賃設定都市が約200都市に拡大。

 すでに運行が始まっている日本航空の羽田-サンフランシスコ路線に続き、ワンワールド陣営の羽田発着の北米路線第2弾として、2月20日からアメリカン航空が羽田-ニューヨーク路線の運行を開始。もちろん日本航空も同便をコードシェア。

 全日空がすでに羽田発着のロサンゼルス便の運行を開始。深夜0時前後の羽田出発は、仕事を終えてからでも利用できると好評。ユナイテッドも同便をコードシェア。

 ノンストップ便がない米国10都市への乗継運賃を廃止。
(例: ノンストップ便が運行しているロサンゼルスと、していないラスベガス間の乗継運賃2万円が不要になり、成田−ロサンゼルス間の運賃のみでラスベガス旅行が可能に)

 日本国内の全日空便、日米間の全日空、ユナイテッド、コンチネンタルの便、米国内のユナイテッド、コンチネンタルの便、これらすべての組み合わせが可能になり、今まで自社運航便に利用を限定していたエコノミークラスの最安運賃が、組み合わせ便でも適用可能に。
(例: 国際線が成田−ロサンゼルスで、さらに日米それぞれで国内線を利用した場合、37万3000円〜が、8万9400円〜に)

 全日空、ユナイテッド、コンチネンタル、3社の共同事業により、米国内の乗継回数が最大無制限になり、割引運賃設定都市が295都市に拡大。

 上記3社の国際・国内線ネットワークを統合し、成田空港などでの乗継に便利な運行ダイヤに変更。
(例: 名古屋便を25分遅発に変更し、北米路線と接続範囲拡大)

 国際線の共同事業対象路線については、3社いずれの便を利用しても、各マイレージプログラムのマイル積算率を一律に統合。

 エコノミークラスの最上位運賃に、払戻手数料無料、経路変更可能、旅行日数制限無し、事前購入制限無しなど、利便性を追加。

 2月20日からデルタ航空が羽田-デトロイト路線の運行を開始。

 2月21日からデルタ航空が羽田-ロサンゼルス路線の運行を開始。

 デルタ航空は、この夏から国際線にてプレミアム・エコノミークラスを 80〜160ドルの追加料金にて販売を開始。この席の予約受付は5月から可能に。

 1月1日からマイルの有効期限の廃止。手持ちのマイルが期限切れになる心配が不要に。

 このように利用者にとっては選択肢が増え、航空運賃が低廉化することにより、自由競争のメリットを享受できるチャンスが広がったといえるだろう。
 一方、航空会社側は、格安航空会社(LCC) の参入も予想される国際市場での厳しい競争に勝ち残るため、さらなる効率化や魅力あるサービスの提供が求められる。
 欧米では、2008年に米国とEU間の航空自由化が始まったあと、平均航空運賃が低下し、旅客輸送量が増加するという経済効果が生まれた。今後、成田の発着枠拡大や羽田の24時間国際拠点空港化が進むにつれ、日本の航空業界も活性化し、空の旅がより快適で身近なものになるだろう。
 最後に、ラスベガスファンにとって明るいニュースをひとつ。1日限りのチャーター便ではあるが、4月30日、大韓航空が成田からラスベガスに5年ぶりのノンストップ便を運航する。夜9時過ぎに離陸後、そのまま眠りにつき、同日午後にはネオンが輝き出す前の街に降り立つことができるという待望のフライトだ。これが今後のラスベガスへのアクセス向上の足掛かりとなることを大いに期待したい。



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