週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2011年 02月 02日号
ラグビー・ワールドシリーズ、日本代表を応援しに行こう!
 2月12日と13日、ラスベガス郊外の Sam Boyd スタジアムで、ラグビーのワールドツアー 「HSBCセブンズ・ワールドシリーズ」 のアメリカ大会が開催される。
 参加するのはニュージーランド、オーストラリア、フィジーなどラグビー強豪国を中心とする16の国と地域で、日本代表はサモア、南アフリカ、アメリカと同じ D組で予選を戦う。(写真はすべて昨年の大会のもの。提供 USA Sevens)

A 組 B 組 C 組 D 組
イングランドニュージーランドフィジーサモア
アルゼンチンウェールズオーストラリア南アフリカ
フランスケニアスコットランドアメリカ
ガイアナウルグアイカナダ日本

 残念ながら、この大会は日本ではあまり知られていない。なぜなら、このラグビーは7人制だからだ。通常のラグビーは15人制なので、半分以下の人数でプレーすることになる。
 だからといって 「ミニ・ラグビー」 などと侮ってはいけない。なんと意外にもグラウンドのサイズは通常のラグビーとまったく同じで、ルールにおいてもほとんど違いはない。つまり各プレーヤの活動範囲と運動量が格段に増え、ボールの動きなど全体のスピードも通常のラグビーをはるかに凌ぐことになり、プレーしているほうも観ているほうも非常にエキサイティングなゲームになる、というのが一般的な認識だ。

 そして関係者にとって何よりうれしいのが、15人制をよそに、この7人制は 2016年のリオデジャネイロ・オリンピックの正式種目に選ばれたということ。(15人制も100年ほど前には正式種目だったことがある)
 まったく選ばれる気配がない15人制や、毎回不安定な位置づけに甘んじている野球のことを考えると、7人制ラグビーはそれらの競技よりも将来有望な国際スポーツとして、オリンピック委員会からお墨付きをもらったと考えられないこともない。
 もちろん既存の正式種目の中にも、プロスポーツとして商業ベースに乗らない競技がたくさんあるので、必ずしも7人制の将来がバラ色というわけではないが、ラグビー後進国における今後のラグビーの普及などにおいては、7人制が中心になっていくような気がするがどうだろう。
 また日本においてもすでにこの7人制に注目している人たちがいる。高校や大学などのチームだ。昨今の少子化の影響で、どこのチームも部員不足に悩んでおり、30人集まらないとゲームが成立しない15人制のラグビーでは、練習も紅白戦もまともに出来ず、チームを存続させることが困難になってきているという。

 ちなみに 7人制は、新しいスポーツのようにも思われるが、その歴史は長い。スコットランドなどでは100年以上も前から行われており、他のラグビー先進国においても、かなり前からごく普通に存在していたようだ。
 したがって、これまでこの競技が一般の人の視界に入ってこなかったのは、たまたまメディアが取り扱ってこなかっただけなのかもしれない。
 そしてやっと近年、日本のラガーマンもリオデジャネイロを視野に入れながら、この7人制に注目し始めたわけだが、今後日本でどのように認知されていくかは、メディアの動きにかかっているといってよいだろう。
 日本代表がリオ五輪に出場できることになれば、黙っていても報道されるだろうが、そうでない場合は、7人制の存在自体、ほとんど知らされないままリオ五輪を迎え、そして終わる可能性もある。それではあまりにも寂しい。
 リオまであと5年もあるので今年はまだいいとしても、今後このワールドシリーズはオリンピックの前哨戦的な位置づけになる可能性もあるので、「リオまでの道」 として、ぜひ日本チームの戦いぶりを報道してもらいたいものだ。

 さて、日本チームの試合日程に関してだが、電車の時刻表のような分刻みのスケジュールを紹介する前に、ふれておきたいルールがある。
 さきほど、通常のラグビーとルールはほぼ同じ、と書いたばかりだが、大きな相違点がひとつだけある。それはプレーの時間だ。
 15人制が前半・後半各40分であるのに対して、この7人制はわずか7分ハーフ (合計14分) と非常に短い。大会によっては、もう少し長く設定される場合もあるが、それでも合計20分までが普通だ。
 運動量が激しいためプレー時間を短くするのは当然だが、それが結果的にオリンピックに採用された大きな理由の一つになったというから何が功を奏するかわからない。
 オリンピックの開催期間という短い日程の中で、優勝チームを決めるまで連日80分の競技を何試合も組み込むことは、選手の肉体的にも日程的にも困難だが、20分以内で終わる7人制ならば1日に数試合組むことも可能というわけだ。
 そして実際に今回の大会のみならず、7人制の大会では、同じ日に同一のチームが 3〜4試合を戦い、予選から決勝までのすべての試合を2日間程度の短期間に行なってしまうことが少なくない。これは興行的にも好都合で、今後この試合時間の短さが好まれ、7人制の普及に弾みが付くかもしれない。

 話が長くなってしまったが、日本チームはグループ予選が行われる12日の 11:36am からサモアと戦い、そのあと 2:45pm から南アフリカ戦、そして 6:25pm から地元アメリカと激突する。
 電車の時刻表のごとく綿密なスケジュールでゲームが進行するという現場の雰囲気そのものも、細かいことを得意とする日本チームに有利に働くようにも思えるが、気のせいか。
 また、通常のラグビーでは体重を生かしたぶつかり合いや、力と力の勝負になりがちだが、7人制ではスピードが一番。軽快な動きを武器とする軽量のチームが伝統的な強豪チームを破ったりすることがしばしばあるのが 7人制の特徴と聞く。
 アジアカップサッカーのサムライジャパンに続いて、ラグビーでも日本チームの活躍を大いに期待したい。この時期にラスベガスに滞在予定の人はぜひ応援に行ってみよう。

 チケットは公式サイトで 45ドルから。スタジアムの場所は、ストリップ地区のホテル街から真東方向に直線距離で約14kmの地点。レンタカーで行く際は遠回りになるが、高速道路を利用したほうが時間的には早く着く。高速15号線の北行から 93/95号線の南行に乗り換え、Russell Road で降りて東に2〜3分走れば左手にスタジアムが見えてくる。
 地図が必要であれば、グーグルマップに Sam Boyd Stadium, Las Vegas Nevada と入力。コスモポリタンおよびトロピカーナホテルからシャトルバスも出る予定なので、それらを利用してみるのもよいだろう。詳しくは公式サイト www.usasevens.com まで。



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