週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2001年10月03日号
アラジンホテル、わずか 13ヶ月で経営破たん
 9月 28日、開業後わずか 13ヶ月のアラジンホテルが連邦破産法第 11条の適用を申請し事実上倒産した。
 これはいわゆる "Chapter-Eleven" と呼ばれる破産手続きで、日本における会社更生法に相当する。
 したがって今後同ホテルは裁判所の管理下で債権者に対する債務の棒引きもしくは大幅な減額が認められ、新た経営陣の元で再建が図られることになる。

 今回の倒産劇はテロ事件による観光客数の落ち込みとはなんら関係ないというのが大方の見方だ。そもそもこのアラジンホテルは昨年8月の開業時点ですでに業界アナリストらから 「ホテルの規模から想定できる営業収入の額に対して、借り入れた建設資金への利払い負担が大きすぎ経営継続は極めて困難」 と指摘され、開業後わずか半年の今年の春には早くも倒産が確実視されていた (そのことはこのラスベガス大全のスポットニュースなどでもたびたび報道済み)。
 ここ数ヶ月は銀行団などに対して利払いの延期申請をするなど延命策を模索するのみで再建のメドがまったく立っておらず、テロ事件が経営陣に対して破産手続きへの決断を早めた可能性はあるものの、テロ事件があってもなくても遅かれ早かれ倒産の運命にあったことは間違いないところだろう。

 今回の倒産劇で被害を被る主な債権者 (株主を除く) とその額は、主要銀行団の 4億 3000万ドル、投資会社の GE Capital 社とスロットマシンのリース会社 GMAC 社がそれぞれ約 7200万ドル、地元の電力会社 Nevada Power 75万ドルなどとなっている。
 また一般債権者とは立場が異なるが、ラスベガスにシーザーズパレス、フラミンゴ、パリス、バリーズなどの大型カジノホテルを所有する Park Place Entertainment 社もアラジンホテルの発行済み社債の約3分の1 を保有していると言われており、かなりの痛手を被ることになりそうだ。

 なお従業員の給料などの労働債務や宿泊予約者のデポジット (予約保証金)、さらには同ホテルのカジノチップ (写真左) の所有者に対する換金債務は規則により棒引きにならない。したがって従業員はもちろんのこと、すでに宿泊予約を入れている者やカジノチップを所有している者はなんらあわてる必要はない。

 さて気になる今後の同ホテルの運営だが、新たな経営陣が決定し大規模な改革が行われるまでは、利用者にとって目に見える形での大きな変化は特になさそうだ。現にカジノもレストランもショッピング街もすべて平常通りの営業が続けられている。
 したがって、すでに直接宿泊予約を入れている者も、パッケージツアーなどで同ホテルを利用することが決まっている者も、特に予定を変更する必要はないだろう。また、予定されているコンサートやイベントも予定通り行われるとのことなので、チケットの払い戻しなどに奔走する必要もなさそうだ。




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