週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2001年05月23日号
短時間で楽しめる新 "コロラド川下りツアー"
 ラスベガスで大自然観光といえばグランドキャニオン。誰もが認める世界最大級の観光スポットだ。今週は、そんなグランドキャニオンを形成した "陰の主役" コロラド川を訪ねるツアーを紹介してみたい。

 グランドキャニオン国立公園の中心地 "サウスリム" とラスベガスのほぼ中間地点 (ラスベガスから直線距離で東南東方向に約 170km の地点) に通称 "グランドキャニオン・ウェストリム" と呼ばれる地域がある。
 この付近一帯はコロラド川の流れが比較的穏やかなこと、渓谷の深さがサウスリムに比べやや浅いこと、リムからコロラド川までの水平距離が短いことなど、物理的な条件ばかりか、騒音や排気ガスなどを厳しく規制する国立公園管理当局の管轄区域外にあるためヘリコプターでの谷底へのアクセスが容易という特殊な事情もあり "コロラド川下りツアー" のメッカとなっている。
(このグランドキャニオン・ウェストリム地域は原住民族 HUALAPAI インディアンが統治する極めて特殊な行政区域にあり、アメリカ合衆国政府が管理するグランドキャニオン国立公園の区域外にある)

 さてラスベガスからこの地域への交通手段に関してだが、サウスリムに比べかなり近いということもあり、陸路でのアクセスが一般的で、"コロラド川下りツアー" と称する多くのオプショナルツアーもバスでの移動を前提としている。しかし近いといっても片道3時間から3時間半かかる上、舗装されていない悪路の走行を余儀なくされるため、陸路でのアクセスは時間的にも体力的にもかなりハードだ。
 また航空機を利用した川下りツアーもすでにいくつか存在しているが、使用航空機材の速度の関係や川下りそのものの時間が不必要に長かったりで、全行程が 7〜8時間というツアーが少なくない。

 今回ここに紹介するオプショナルツアーは、プロペラ機としては突出して速い双発タイプの "Beechcraft-99" 機を使用したエアベガス航空主催のツアーで、全行程約4時間 (ラスベガス側の空港を離陸してから同空港に戻るまでの時間) という画期的なスケジュールを実現している (宿泊ホテルと空港間の送迎バスによる移動時間を含めても約5時間半)。

 この4時間の中にはグランドキャニオンウェストリムを谷底から見上げるコロラド川下り、リムと谷底との間を往復するヘリコプター体験(写真右)、崖っぷちでの大渓谷を見下ろしながらの屋外ランチなども含まれている。

 こんなスケジュールを可能にしたのは、川下りの時間を約 30分に抑えたことと、ラスベガスからグランドキャニオン・ウェストリム空港まで平均 26分 (離陸から着陸までの実質飛行時間。途中フーバーダムなどの観光飛行が含まれる往路が 29分、帰路 23分)という Beechcraft-99 機の性能によるところが大きい。
 また、細かい部分ではあるが、エアベガス航空が使用しているヘンダーソン空港が、競合他社が使用しているノースラスベガス空港よりもウェストリムに近いという点もツアー時間の短縮に貢献している。

 飛行時間が平均 26分であれば、仮に気流が悪くて酔ってしまうようなことがあったとしてもアッという間に到着してしまうので気が楽だ。ちなみに、エアベガス航空以外のさまざまな航空会社が催行しているほぼ同様なツアーにおける同区間の飛行時間は、航空機材の違いなどから 35〜45分となっている。

 陸路でのツアーに比べ料金の高さがやや気になるものの、すでにサウスリムを訪れたことがある者、川下り体験をしたい者、ヘリコプターに乗ったことがない者、時間を有効利用したい者などには非常におすすめのツアーだ。(料金や行程表など、さらに詳しい情報はこのラスベガス大全の [ツアー] セクションを参照のこと)
 なお、グランドキャニオンだけを純粋に見学したいという者はこのツアーに参加すべきではないだろう。少しでも渓谷のサイズが大きいサウスリムを見るべきだ。また、このツアーでは高速飛行に適した低翼機が使用されているため、窓からの視界は決してよくない (主翼が視界をブロックしてしまう)。あくまでも川下りやヘリコプター体験などに重点が置かれたツアーであるということを事前に了解した上で、参加していただきたい。


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