週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2001年05月02日号
本格派ブラジル料理 SAMBA Grill
 「ラスベガス大全にはグルメ情報がない!」 との意見がこれまで多くの読者から慢性的に寄せられていた。
 たしかにその指摘は事実で、日経BP社経由で発行した CD-ROM 版ラスベガス大全 (97年発行) に対する社内的な事情などから、これまでこのウェブ版ラスベガス大全ではその種の情報をあえて掲載してこなかった。

 このたびその方針を変更し、今後は食事に関する情報も積極的にこの週刊ニュースなどで取り上げ、さらにそれら情報を蓄積し、近日中に [レストラン] セクションを新設することとした。
 特定の店の宣伝になってしまわないよう配慮しながら、一般の観光ガイドブックなどにはあまり掲載されていない穴場的な特徴ある店を紹介していきたい。

 今週はそんな方針変更の第一回としてブラジル料理店 SAMBA Grill を紹介してみたい。
 ブラジル料理と言えばなんといっても Churrasco だろう (正式には "シュハスコ" と発音するとのことだが、ここでは一般的な "シュラスコ" で表記を統一)。大きな肉の塊を太い串に刺して豪快に焼くブラジルの代表的な肉料理だ。
 ラスベガスにもいくつかブラジル料理店は存在しているが、観光客にとっては立地的にも内容的にもこの SAMBA Grill をおいて他にあるまい。

 場所はミラージホテルのカジノフロアのほぼ真ん中。なにやら騒々しい場所にあるが、陽気に食べるブラジル料理においてはカジノの活気と喧騒も決して悪いものではないだろう (ちなみにこの店のダイニングルームとカジノは完全に仕切られてはいない)。
 周囲の雰囲気のみならず、店名のロゴも入口の飾りもじつにカラフルだ。また、インテリアもバナナやバナナの葉をあしらったデザインで、とにかくそこにいるだけで楽しい気分になれる。

 テーブルに案内されるとまずは飲み物を聞かれるが、ここは何も考えずに SAMBA 名物巨大マルガリータ "Super Samba Margherita" をオーダーしてみたい。 [ 料金 ]、[ 写真 ] 。

 飲み物が運ばれて来ると次は食事のオーダーとなるが、この店では 10人中 9人がシュラスコ体験メニュー "RODIZIO EXPERIENCE" [ メニューの詳細 ] を選ぶという。$29.95 で 9種類の豪快な串刺しバーベキューおよび各種副菜が食べ放題となっているセットメニューだ。
 なお、この "RODIZIO EXPERIENCE" をオーダーすると、ウェイターから簡単な "ルールの説明" があるので、その場で英語を理解する自信のない者は [ ここをクリック ] して今ここで事前にその内容を知っておくとよいだろう。

 オーダーを終えるとただちにパン、サラダおよび数種類の副菜 [ 写真]、[ 写真 ] が運ばれてくる。ここで重要なのは、それらの食べ物を食べ過ぎてしまわないようにすることだ。適当に残すぐらいのつもりで食べないとすぐに満腹になってしまう。いくらパンやサラダがおいしいからといっても、この店へ来てシュラスコを食べないで帰ったのではお話にならないだろう。

 さていよいよシュラスコの登場だ。つまりウェイターが次から次へと焼きたての肉を客の目の前まで運んで来る。肉は長さ1メートルほどの串に刺さった状態で運ばれてくるので [ 写真 ]、焼き具合 (ひとつの串にさまざまな焼き具合の肉が刺さっている) と量をウェイターに遠慮なく告げよう。その場で切り分けて各自の皿に乗せてくれる。何も告げずに黙っていると適当なサイズのウェルダンを置いていってくれることになるが、ウェルダンやミディアムはかなりパサパサしているのでレアやミディアムレアがおすすめだ。もっとも、コースに含まれている 9種類の肉の中にはポーク、チキン、ターキーなどビーフ以外のアイテムが多く (それらは原則としてレアでは食べられない)、焼き方を指定できる機会は意外と少ない。

 この種のブラジル料理において多くの日本人が直面する悩みは、もらう量と食べるタイミングだ。次から次へとウェイターが肉を持って来るため、ひとつのアイテムをたくさんもらってしまうと、それを食べ終わる前に次の肉がやって来てしまい、結果として冷えた肉ばかりが皿の上に山積みになってしまう。足りなければあとから追加でもらうことができるので、とりあえず始めは少なめにもらうのがシュラスコを楽しむ際のコツだ。なお、希望のサイズを英語で伝える自信がない者は、"スモールサイズプリーズ" などと言いながら親指と人差し指で肉の厚さを適当に示せばわかってもらえる (ソーセージなどはサイズ指定ができないため個数で指定することになる)。

 さて気になる味だが、レアで食べることがむずかしいアイテムが多いせいか、パサパサした印象を受ける肉が目立つ。したがって純粋に肉の味を楽しむという意味では一般のステーキハウスでフィレミニオンやニューヨークステーキもしくはプライムリブなどを食べた方がよいかもしれない。それでも味付けがかなりシンプルであっさりしているため味自体は日本人の口によく合う。そしてなにより、陽気かつ豪快なブラジル料理の雰囲気やシュラスコ独特のサーブシステムを体験すること自体が非常に楽しい。まだシュラスコを体験したことがない者はぜひ行ってみるとよいだろう。食べ放題という部分に価値を見い出す者ならなおさらおすすめだ。

 営業時間は日曜日から木曜日が 5:30pm〜11:00pm、金曜日と土曜日が 5:30〜1:00am。特に予約の必要はないが、曜日や時間帯によっては現場で 30分から 1時間程度待たされることがあり、結果的に目の前にあるカジノで散財してしまう可能性がある。そういう意味ではギャンブル癖のある者はあらかじめ予約してから行った方がよいだろう。電話番号 702-791-7223 (英語のみ)。


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