週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2001年02月14日号
MGM で 4代目の EFX が始まる
 先月30日から MGMグランドホテルで EFX の新バージョン "EFX ALIVE" が始まった。

 EFXシリーズは同ホテルの看板ショーとしてすでに丸6年続いているロングランショーだが、その間に主役はマイケル・クロフォード、デイビッド・キャシディー、トミー・チューンとほぼ2年ごとに変わってきており、今回のバージョンで主役を務めることになったリック・スプリングフィールドは4代目ということになる。

 これまでの主役交代時にも多少の内容変更が伴ったが、今回は今まで以上にかなりの部分が変わったといってよいだろう。それでもハイテクを駆使した特殊効果など、基本コンセプトの部分は初代EFX以来変わることなく踏襲されているようで、相変わらず "意味不明の派手なパフォーマンス" は健在だ。

 今回の新バージョンの説明の前にEFX自体について簡単に触れておこう。EFXはMGMグランドが 4000万ドルとも 5000万ドルとも言われる巨費を投じて完成させたラスベガス屈指のハイテクステージと一風変わった演出が自慢のナイトショーで、火、煙、光、音などを派手に使うことで知られている。かなり大きな音が出る爆竹を多用したり、観客に偏光メガネをかけさせ立体映像によるパフォーマンスを演じるなど、あの手この手を駆使した "マルチメディアエンターテーメント" として人気が高い。

 ショーのカテゴリーとしてはマジックでもサーカスでもアクロバットでもなく、またコメディーでもコンサートでもない。ストーリーがあるようで実際にはほとんどないのでミュージカルというにも無理がある。結局カテゴリーとしては "分類不能" といった感じだ。
 名称自体も意味不明で、主催者側も 「 "EFX" には言葉としての意味は特になく、しいてあげるならば "EFFECT" (効果) でも連想していただければ...」 と歯切れが悪い。
 なおテーマだけはとりあえず "超現実" (SURREALISTIC) となっており、それがこのショーのすべてを物語っているのかもしれない。
 ちなみに EFXの読み方は [エフェックス] でも [イーエフエックス] でもよいとのことで、実際に現場でも両方の呼称が飛び交っていた。

 さてそんな謎めいたEFXだが、前述の通り今回のバージョンからロック歌手として知られるスプリングフィールドが主役として抜擢された。彼はグラミー賞歌手であると同時にテレビドラマなどでも活躍していた俳優でもある。
 ショー全体としては、彼の特技やキャラクターを生かしてか、これまでの3作に比べ歌やギター演奏など音楽に絡む部分がやや目立つ構成となっている。彼のファンにとっては願ってもないすばらしいショーだが、一般の者にとっては前3作の方が楽しめるかもしれない。それでも舞台演出はさすがにEFXらしく派手さを極めている。
 まず開演は数秒間視力を失うほど強烈な閃光と、度肝を抜くような大きな爆発音の直後にスプリングフィールドが空中から登場するという過激な演出だ。そのまま宙を舞う小さなステージに乗り彼自身の往年のヒット曲をエレキを弾きながら披露してくれる。あとは従来通りのEFX風のステージが次から次へと始まり、その後も彼が中心となった舞台が続く。

 火を噴くドラゴンやスタートレック顔負けの宇宙シーンは前作と変わっていない。マジック(水中からの脱出)とジャグリングは今回からの初登場だ。ダンサーは従来と同様、多数登場するがトップレスではない。音響設備も申し分ないが相変わらず生バンドではないのが少々残念だ。
 側面の壁に爆発物(巨大な爆竹のようなもの)を多数仕掛けているためか、以前に比べ側面のステージを使う演出は大幅に減った。一方、増えたのはトークの部分で、スプリングフィールドが歌いながら観衆に語りかける部分が少なからずあり、その点においては語学力を必要とするようになった。

 総評としては、ラスベガスらしい派手なパフォーマンスを求める者や、舞台設備などに興味がある者にとっては非常にお勧めのショーといってよいだろう。その他の者にとってはかなり好き嫌いが分かれそうな内容だが、いずれにしても観て後悔するようなショーではないので、このハイテクを駆使した "意味不明な派手なパフォーマンス" を体験したいという者はぜひ観てみるとよいだろう。

 会場はキャパシティーとしては十分すぎるほど(1700席) 立派だが、ディナーショーにも使えるようにしてあるためか、座席配置がテーブル席になっており非常に使いづらい。テーブル席の場合、正面を向いて座れない席が多いばかりか、床に傾斜がないため前の人の頭が邪魔になってステージがよく見えない。子供の入場も認められているが、座高が低い子供にとってはかなり厳しい条件での観賞となりそうだ。

 料金は中央よりも前方の席が $75、後方が $55、12才未満の子供が $40(ただし5歳以下は入場不可)となっている。前作で一時期行われていた "ディナー付き" (早めに会場へ入り開演前にディナーを楽しむ) はなくなった。
 チケットはMGMグランドもしくは系列のホテルなどにあるチケット売り場で買い求めることができる。よほど特別な日でない限り当日券が手に入るので予約購入の必要はないだろう。
 なおチケットの料金にドリンクは含まれていないので飲み物が必要な場合は会場内で買い求めることになる。飲み物の料金はビールなどが $4、特製記念グラス入りカクテルが $12.50 (それにウェイトレスへのチップが必要)。
 開演は 7:30pm と 10:30pm の毎晩2回。日曜日と月曜日は休演。なお、開演前 30分ほど前からピエロに扮した役者などのおかしな余興が行われるので早めに入場した方がよいだろう。


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