週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2001年01月24日号
ファッションショーモールの拡張工事が始まる
 ラスベガスの目抜き通り THE STRIP に面している大型ショッピングセンター・Fashion Show Mall の大規模な拡張工事が始まった。

・ 現在の工事現場の様子 ← クリック

 しゃれた名前に加え主要ホテルから徒歩でアクセスできるとあって、このショッピングセンターは日本人観光客の間でも人気が高い。
 ちなみにこのしゃれた名前は単なるファッション感覚で付けられたわけではない。中央にある広場では実際にファッションショーが行われたりする。また今回の拡張工事の完成後は、その広場に巨大スクリーンが設置され、世界中のファッションショーやファッション関連の映像が常時流されるという。

 ここのショッピングセンターには現在5つの百貨店と約 170の小売店およびファーストフード店がテナントとして入居しており、すでに近隣の Forum Shops (シーザーズパレスホテルに隣接するショッピングセンター・テナント数約 100) や、Grand Canal Shoppes (同、ベネシアンホテル・60) をはるかに上回る規模を誇っているが、今回の拡張工事が完成するとさらに百貨店が3店増え、一般テナント向けのフロアも倍増するという。
 新たに増える百貨店は Nordstrom、Bloomingdale's、Lord & Taylor で、既存店 Nieman Marcus、Saks Fifth Avenue、Robinsons-May、 Macy's、 Dillard's もフロアの拡張を予定している。またいくつかの百貨店ではなぜか相互にその位置関係が入れ替わる予定だ。

・ 完成後の鳥瞰図  ← クリック

 基本的にはストリップと反対側(西側)の空き地に伸びる形での拡張工事となるが、ストリップに面した部分(これまでテーマレストラン DIVE があった場所。DIVE はすでに閉鎖されている) も大幅にリニューアルされ、2-3階建てのガラス張りのカフェテリアやレストランの建設が予定されている。

・ ストリップ側から見た完成イメージ ← クリック

 なお今回の工事に伴い、ごく一部の店はすでに立ち退きなどで営業を打ち切っているが、百貨店も含めた既存店の大部分は営業を続けながら最終的なリニューアルを目指すという。
 ただ、Saks Fifth Avenue、Robinsons-May、Dillard's などは移動を伴うため、営業を継続しながらの引越しには疑問を持つ関係者も少なくない。ひょっとすると数ヶ月の休業ということもあり得そうだ。
 いずれにせよ完成後はラスベガス屈指の巨大ショッピングセンターが出現することになり、ショッピング族にはたまらないラスベガスの新名所となるだろう。

 一方、今回の拡張計画に対しては多くの業界アナリストが商業物件の需給バランスという観点から疑問を投げかけている。ストリップ地区にはすでに大小さまざまなショッピングゾーンがあり供給過剰というわけだ。
 事実、昨年アラジンホテル内にオープンした大型ショッピングセンター Desert Passage などは週末でも人通りが少なく、入居テナントの多くが業績不振に悩んでいるという。テナントの収益が悪化すれば家賃を負担しきれず、結果的に賃貸相場の暴落を招くなど、商業不動産市況は悪化する。
 マンダレイベイホテルとラクソーホテルの間にショッピングセンターを建設するという計画も、昨年一度中止になったかに見えたが、今年に入ってまた話が持ち上がってきており、もし計画が実行に移されれば供給過剰のトレンドに拍車がかかるのは必至だ。

 カジノホテルの建設にしてもテーマレストランの開業にしても、ラスベガスでは何ごとにおいても需要を先に見越した供給先行型の経済が常識化している。一歩間違えば大不況に陥りかねない危ない経済構造だ。そういう意味で今回のファッションショーモールの大規模な拡張は期待と同時に不安も抱えており、21世紀の地元経済を占う試金石といってもよいだろう。完成は 2003年の秋を予定している。


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