週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2010年 12月 15日号
世界最大の H&M がフォーラムショップスにオープン
 DJがプレイする音楽が店内に響き渡り、ミラーボールが光る。壁のライトは紙吹雪のように舞い、マネキンが空中で踊る。
 パーティーシティー・ラスベガスを表現したというディスプレイとともに、12月11日、シーザーズパレスの人気ショッピングモール 「フォーラムショップス」 内にラスベガスで3店目となる H&Mがオープンした。
 トレンドを取り入れた衣料品を手頃な価格で提供する H&Mは、現在世界37カ国に2,100店以上を展開。そのなかで最も広い店舗がこのフォーラムショップス店で、売場面積はおよそ5,600平方メートル。ニューヨーク五番街店の約2倍の広さにあたる。

 数週間前からラスベガスでは H&Mの広告を目にすることが多くなっていた。
 ラスベガス大通りを走る路線バスはラッピングを施し (写真右、背景はシーザーズパレス。クリックで拡大表示)、シーザーズパレスの向かい側にあるフラミンゴホテルの壁面にも同店の巨大広告が出現。(写真右下)
 さらにオープン前日には一般客対象のパーティーを催し、当日も先着1,000名に商品券を進呈するなど、既存2店の開業時とは比べものにならないくらい華々しい演出で新店舗を盛り上げていた。

 実は、感謝祭 (11月第4木曜日) 前の週末に営業を開始する予定だった。しかし直前になり、準備不足を理由に突然オープンを延期することに。感謝祭の週末といえばラスべガスは旅行客で賑わい、小売店にとっては一年のうちで最も売上がある年末商戦が始まる時だ。
 そんな好機を逃してまでも、自分たちが納得するまで開店しない。このことからも、H&M のフォーラムショップス店に対する意気込みがうかがえるのではないか。

 さて、世界一と聞くと相当広いスペースを想像するが、現場に足を運んでみると、思ったほどではないという印象だ。
 店舗は3階建て。1階はマネキンや商品が比較的ゆったりと配置されているうえ、高さ15mの吹き抜け構造が縦方向を強調し、すっきりとした印象。しかし、2階、3階は商品の陳列にゆとりがなく、一般の H&M の店舗と同様、ややごちゃごちゃした感じは否めない。

 それでも "LOUNGE" と名付けられた女性用下着売り場には、女性専用試着室とソファが設けられ、広々としたスペースとなっている。
 ちなみにソファは、連れの女性が下着を選んだり試着するのを待つ間、男性が座っていても変な目で見られることはないので安心だ。
 休憩所はメンズ売り場にもあり、ソファの前にはスポーツ中継を流す大型ディスプレーが。このような休憩所はラスベガスの他の店舗にはなく、広さを生かしたスペースづくりと言ってよいだろう。

 さらに既存の2店と大きく違う点がある。それは、有名デザイナーとのコラボレーションで、今回のオープン時には世界200店舗限定というフランスの老舗ブランド LANVIN によるコレクションを販売していた。(写真右)
 H&M は2004年以来、著名なデザイナーのコレクションを年に数回発売し、毎回大きな話題になるものの、生産量が少ないためか取り扱い店舗が限定され、これまでラスべガスの店頭に並ぶことはほとんどなかった。このたびようやく限定コレクションを売るのにふさわしい店がラスベガスにも誕生したことになる。
 デザイナーとコラボレートすることで H&M は自身のブランドのイメージアップをしたと言われており、高級ブランドが軒を並べるフォーラムショップスという立地は、H&M の高級感をさらに高めるのに一役買っていると言ってよいだろう。

 売り場はメンズが2階、キッズは3階、ウィメンズは各階にあり、1階が通勤にも使えるような婦人服、2階は10代向けのライン、下着、アクセサリーや服飾雑貨、3階はジーンズ、カジュアル、マタニティーなど。
 H&M のすべてのラインが揃うことになるが、特別にフォーラムショップスやラスベガス限定といった商品があるわけではない。

 商品の値段は、賃貸料が全米屈指の高さを誇る高級モール内の店だからといって、価格に反映されているわけではなく、ラスベガスのどの店舗で購入しても基本的には同じだ。
 ちなみに、Tシャツ 15ドル〜、ジーンズ 20ドル〜、セーター 20ドル〜、シャツ 25ドル〜、男性用ジャケット 40ドル〜、パーティードレス 20ドル〜、といったところで、コートや革製品で100ドルを超えるものがあるものの、多くの商品が 50ドル以下。セールになると、5ドル前後にまで下がるものもめずらしくない。
 こんなに低価格で家賃が払っていけるのか、他人ごとながら心配になるが、H&M はアパレル専門企業では昨年度の売上高1位、一年間の新規出店数が200を超える今最も元気の良い企業のひとつなので、この勢いが続く限り心配は無用だろう。

 行き方は、シーザースパレスのカジノフロアからフォーラムショップス内に入って左方向、つまり無料アトラクション 「アトランティス」 の方向に進み、一つめの広場のような場所の右側。
 店内のいたるところで、馬がオブジェや商品ラックとして使われているのが目についたが (写真右)、今回 H&Mが出店した場所は、今年1月に閉店するまで13年もの間、巨大な木馬が店頭に立っていた F.A.O. Schwarz という玩具店があった場所だ。前の主と何か関係があるのだろうか。
 フォーラムショップスの営業時間は、月曜から木曜と日曜が午前10時から午後11時、金曜と土曜が午前10時から午前0時。

 なおフォーラムショップス店に行って、欲しい商品が売り切れで他の店舗で探したいという時のために、他の2店を紹介しておくと、立地が良いのは、プラネットハリウッドホテルに隣接するモール 「ミラクルマイルショップス」 (写真右) 内にある店舗だ。
 しかし、店舗面積がフォーラムショップ店の10分の1 しかないため、扱っている商品はメンズとウィメンズのカジュアルラインのみ。
 もうひとつが、ストリップ地区のホテル街からやや離れた場所に位置する人気の屋外型ショッピングモール 「タウンスクエア」 内の店で、商品構成はフォーラムショップス店とほぼ同様、メンズ、ウィメンズ、キッズが揃う。
 なお、このタウンスクエアには高級スーパーマーケットの Whole Foods Market や、カジュアルウェアの American Eagle Outfitters、Aeropostale など、日本人にも人気だがホテル街には店を構えていないショップも出店しているので、H&M 以外にもいろいろ楽しめるはずだ。アクセスは簡単で、2連結の急行路線バス SDX の南行きに乗り、マンダレイベイの次のバス停で降りれば、目の前にこのモールが見える。



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