週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2010年 12月 01日号
トロピカーナホテルでビートルズのトリビュートコンサート
 11月2日から、トロピカーナホテルでビートルズのトリビュートコンサート Yesterday が始まった。
 ビートルズ関連の同様なショーは過去にもいくつか存在していたが、今回のものはコミカルな出し物などは一切含まない純粋なコンサートとして、「正統派」 との呼び声が高い。さっそく現場に足を運んでみた。
(写真、左からポールマッカートニー、ジョージハリソン、ジョンレノン、リンゴスター。クリックで拡大表示)

 場所は同ホテルの伝統ある劇場 「ティファニー・シアター」。
 ブース席とテーブル席が混在する往年のラスベガスのディナーショー形式を堅持したクラシカルな劇場だ。(あくまでも座席配置の話で、今回のこのショーでディナーが出るわけではない)
 観客の大半は当然のことながら中高年が目立つ。劇場の雰囲気と客層の相乗効果か、最近のラスベガスのショーとしては珍しく、ほのぼのとした温かい雰囲気が漂う。
 空席も目立ったが、近年はビートルズを知らないゼネレーションも多いと聞くので、やむを得ないといったところか。

 最初に登場する4人の衣装は上下ブラック。実際のビートルズでもしばしば見られた象徴的なステージ衣装だ。
 ヘアスタイルも本家本元の 「マッシュルーム・カット」 をうまく再現しており、なかなか良い。
 各メンバーの顔については意見がわかれるところだが、似てると思って見れば、そこそこ似ているようにも見え、似ていないと言われれば、その通りかもしれない。
 いずれにせよ、顔は整形手術でもしない限り、努力でどうにかなるというものではないので、その部分を深く突っ込むべきではないだろう。

 顔とちがって仕草などはよく研究され、かなり似ている。当然といえば当然だが、細かい部分での努力がうかがえ、たとえばポールは両膝を付けるように足を閉じてサウスポーで演奏するのに対して、逆にジョンは大胆に脚を開いて派手に歌う。
 しゃべり方、歩き方、目つきなどもよく研究されており、比較的目立たないジョージでも、そのぶっきらぼうな表情などは、なかなかいい味を出している。

 演奏もそれなりのレベルで、かなり本物に近いと言ってよいのではないか。
 曲目は、「全部は公表しないで欲しい」 とのことなので一部にとどめるが、Help!、Yesterday、She Loves You、Hey Jude、Revolution、Something、Back in the U.S.S.R. など、おおむね想定される範囲の曲は期待通りに聴くことができる。想定外なのは Let It Be。大ヒット曲であるにもかかわらず、なぜか演奏されない。

 公演後の対談インタビューにおけるジョン (写真右) の対応がおもしろかった。
 「なぜレットイットビーを演奏しないのか。著作権の問題などがあるのか?」 とのこちらからの質問に対して、「それを演奏すると時間オーバーになってしまい劇場側から追い出されるから」 とのふざけた返事。
 「ラスベガスに来る前はどこで演奏していたのか。結成はどこか?」 との問いにも、「結成はリバプール」 と冗談を連発していたが、あとから 「ロサンゼルスがルーツだ」 とこっそり真実を教えてくれた。
 ちなみにラスベガスに来る前はアトランティックシティーで演奏していたとのこと。
 それ以前の活動のことに話が移ると、彼らは日本ファンであることをさかんに強調。過去6回、日本に行って公演をしたことがあるとのことで、日本にビートルズファンが多いこともよく知っていた。
 機会があったらまた行きたいとしているが、このトロピカーナホテルでの公演が成功すれば、なかなかその機会に恵まれそうもないことを残念がっていた。
 日本の話題が出たついでに、対談の最後で、「オノヨーコはこのショーの存在を知っているのか。彼女に会ったことがあるのか?」 とたずねたところ、「あいつは元ダンナに対しては弁護士を通さないと会ってくれない。オレはもう彼女とは直接会えない」 と冗談で締めくくられた。

 ラスベガスでときどきコンサートを行なっているポール(本物) のライブは見たことがあるものの、往年のビートルズは映像でしか見たことがないので断定的なコメントは避けるべきだが、顔以外の部分でのレベルはかなり高いように思える。
 本物のビートルズを見たことがある者もない者も、4人そろったライブを見ることができない今となっては、この種のトリビュートコンサートで当時を偲ぶしかない。29ドルという値段もリーズナブル。ビートルズファン必見のショーと言ってよいだろう。
 公演は、月曜日を除く毎日午後5時30分から。会場は前述のとおりトロピカーナホテルのティファニーシアター。正面玄関をカジノ内に入ってすぐの右側にある。チケットは現場で買い求めることが可能。



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