週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2010年 10月 27日号
ダウンタウンの電飾アーケードで期間限定のジップライン
 9月22日付のこのコーナーで取り上げた郊外の丘陵地帯に広がる大規模なジップライン。
 このたび電飾アーケードとして知られるダウンタウンのフリーモントストリートにも小規模ながら同様の施設が出現した。同じ会社による運営だ。(右の写真をクリックして拡大表示にすると、4人が空中にいることがわかる)

 ジップライン (Zip-Line) とは、落差のある2地点を結んだワイヤーに、滑車を組み込んだ器具で身体をつなぎ、一気に滑り降りるという遊び。
 通常は丘陵地帯、山林、野山などアウトドア系のアクティビティーとして知られるが、今回登場したものは繁華街のど真ん中という極めて異例の環境だ。
 当然のことながら全長も落差も速度も制約があり、それぞれ実測値で約240メートル、14メートル、時速25km と規模は小さい。それでも群衆に見られているという快感があるのか、繁華街であるがゆえに味わえる楽しみ方があるのか、受付窓口はそこそこの賑わいを見せている。

 アーケード内という限られた空間に、どのようにジップラインを設置したのか。
 まずはその現場の様子を説明すると、スタート台が設置されている場所は、電飾アーケードの東端からさらに東に約70メートルほどの地点。
 つまり電飾アーケードから完全に外に出た歩行者天国内の場所で、そこに高さ約19メートルのやぐらが組まれ、その最上部から滑り出すことになる。

 スタートから約70メートルまでの区間の頭上は青空または夜空で、そのあと電飾アーケード内に突入し、さらに約170メートルほどを滑ってゴールに到着する。
 アーケード全体の長さは400メートル以上あるので、ゴールはアーケードの中央付近のやや手前に設置されており、アーケードの端から端までの全区間を滑空するわけではない。(右の写真は、スタートから約70メートル付近の様子)

 ゴール台の高さは地上から約5メートルの位置にあり (写真右)、結局コース全体としては高低差約14メートル、全長約240メートルほどの区間を、30秒前後の時間をかけて滑り降りることになる。
 架線は4本平行して張られているので、仲間と一緒に行った場合、4人までなら同時に楽しむことが可能だ。
 広報資料や他のニュース記事などでは、最高速度は時速約30マイル (時速約48km) となっているが、実際にはそれほどのスピードは出ていない。

 受付は、スタート台の脇にある駐車場施設の1階で、簡単に見つけられるはずだ。
 その受付で行うのは、体重測定と書類への署名、そして料金の支払いで、ちなみに料金は20ドル。ただし午後6時前は15ドルに割引される。
 体重は最低75ポンド(約34kg)、最高250ポンド(約113kg) の範囲におさまっていなければならない。これよりも軽すぎると、向かい風のときなど途中で失速し停止してしまうリスクがあり、逆に重すぎると速度が出すぎて終点での停止の際の衝撃が大きくなりすぎるという問題が出てくる。右上の写真は、軽量の者が向かい風などでコース途中で失速し、スタッフに救助されている様子。
 契約書への署名は、訴訟社会アメリカ特有の 「事故があっても訴えません」 といった内容のもので、これに署名しないと参加させてもらえない。

 それらが手続きがすべて終わると、手首に搭乗券代わりのリストバンドを付けてくれるので、一度その部屋を出て右手方向に回り込む形でエレベーターに乗り 5階まで行く。
 あとは現場スタッフの指示に従って、ハーネスなど必要な装備を身に付け、スタート台へ進むだけだ。郊外型の通常のジップラインと異なり、傾斜も速度もゆるやかなためか、速度調節など安全に関するレクチャーは特にない。(右上の写真は、スタート台から電飾アーケード方向を見たところ)

 構造的な部分における通常のジップラインとの大きなちがいは、自分と架線をつなぐワイヤーが1本ということ。つまり両手で1本のワイヤーを握るしかなく、両手で両サイドにあるそれぞれのワイヤーを握ることが出来る通常のジップラインとは異なり、からだがグルグル回ってしまいがちで、自分の向きを制御することはむずかしい。
 結局、滑空中にまわりの景色などを撮影したくても、ねらった場所を撮影することは極めて困難であるばかりか、そもそも夜間は手ブレを起こしてしまうので写真撮影は始から無理と考えたほうがいいだろう。
 基本的には景色を楽しむ以外に何もすることが無いわけだが、下界の群集に対して目立ちたい者は奇声を上げたり、通行人の真上で大きな声を出してビックリさせるなど、それなりの楽しみ方はあるようだ。
 なおゴール台に到着する際、長身の者は台に足がぶつからないよう、念のため足を少し上げたほうがよい。

 わずか30秒ほどのアトラクションではあるが、群集の頭上を滑空するという極めて奇異な体験であることだけはたしかで、これを楽しいと感じるかどうかは人ぞれぞれだが、楽しいと感じた場合のために、2回目以降は15ドルに割引 (午後6時前は10ドル)、さらに 50ドルの1日乗り放題券というものがあることを覚えておきたい。
 営業時間は、木、金、土が午後2時から午前2時、日、月、火、水が午後2時から午前0時。このアトラクション自体、3ヶ月の期間限定で、好評であれば延長もありえるとのことだが、スタート台もゴール台もかなり歩行者のじゃまになるような形で設置されているため、これが恒久的な施設になるとは考えにくい。興味がある者は 3ヶ月以内に体験しておいたほうがよいだろう。


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