週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2010年 10月 13日号
ダーク・アーサーがアットホームな小劇場で復活デビュー
 トラやヒョウを使ったマジックショーをトロピカーナホテルで長らく公演してきたダーク・アーサーが、先月、フラミンゴラスベガス隣のカジノ、O'Sheas (写真右下) に場所を移し、新しいショーをスタートさせた。
 トロピカーナ時代と比較すると、会場は客席約100席と非常に小さく、落ち目のマジシャンとの印象は否めないが、数あるラスベガスのマジックショーの中でも、これだけアットホームなものは他にないだろう。
 洗練された完成度の高いショーを期待する人には不向きだが、プロのマジシャンを間近で見ることに興味がある人には、ぜひお勧めしたい。

 まず、O'Sheas のカジノフロアから、きしむ階段を登って会場に入ると、一列目の席が無残に背もたれだけとなり、座席部分が取り外されていることに気付く。これは、ステージから客席の最前列が近すぎ、トラやヒョウはもちろんのこと、ダンサーの足などが観客にぶつかるのを防ぐための配慮と思われるが、本当の理由はまだ確認していない。
 そして、その一列目の背もたれのひとつに、出し物の順序が示された手書きのプログラムがテープで貼られており (写真右下)、2〜3メートル離れたステージから役者たちがそれを確認できるようになっている。観客に見えてしまうそのような場所に、なぐり書きのプログラムを貼るとはなんとも無頓着で驚きだ。

 個々の出し物は、奥行き3メートル、幅6メートルほどの狭い舞台に収まるよう工夫されており、60分の公演内に15以上のマジックが散りばめられていることから、息をつかせないテンポの良さで全く退屈することがない。
 マジックショーでは常にサプライズが必要要素であるため、出し物の詳細は割愛するが、バックステージから見たマジックの種明かしや、子供をステージにあげての二人羽織風マジックなど、コメディの要素も含まれていて楽しい。
 また、突然、日本語で 「あなたは太陽。あなたは光。」 という歌詞のテクノミュージックが流れ、緑の縁に赤い着物風のミニドレスを着た女性が登場する日本風のコーナーもあるところには驚かされる。

 このショーの一番の見どころは、ダークが飼育しているベンガルトラ、ホワイトタイガー、ヒョウだけでなく、父がライオンで母がトラという希少なライガーまでが日替わりで登場するところであり、間近で見ると、その大きさと動きに圧倒される。
 途中、彼が自宅で飼っているトラやヒョウと戯れる映像が映し出されるなど、動物愛護をモットーとしていることをアピールする演出もあった。
 なおこれは余談だが、終始網タイツで登場するダンサー3人のうちの1人のタイツに3ヵ所ほど大きな伝線穴が空いており、「ダンサーまでもがトラやヒョウの世話に忙しかったのか」 とも思ったりしたが、その穴の原因は定かではない。
 途中、笑いをとりながら大道具担当までが登場する場面もあり、その協力的な姿勢はなんとも微笑ましく、少人数であるがゆえ、仲のよいチームであることを覗わせた。
 ここまで至近距離であれば、1つくらいマジックの種がわかるものかと目を見張っていたものの、さすがラスベガス常駐のマジシャン、最後までノーミスでスムーズにショーをまとめ上げたあたりは立派だ。
 なお、初演から約1ヶ月ということもあり、メディア向けの写真はまだ用意されておらず、「ポスター写真を使ってほしい」 との異例の対応を受けた。それ以外の部分でも、メディアに対する売込みに熱意が感じられなかったは気のせいか。

 カジノ側との契約期間については、「2年」 との回答があったものの、信憑性は極めて低く、現在の観客数を見ている限り、すぐに打ち切りになる可能性も否定できない。興味がある者は早めに足を運んでおいたほうが良いだろう。
 公演は、水・金曜日以外の毎日、夜7時と9時からの2回。チケットは、一般席22.95ドル、前から五列以内のVIPシート33.95ドル+税+手数料。今のところ、知名度が低く空席が多いため、わざわざVIP席を買う必要はない。
 2枚チケットを買うと、受付でトラのぬいぐるみ (写真右上) が 1つ手渡されることになっているが、3枚購入して2つもらえることもあり、あくまでも現場担当者の気分次第のようだ。チケットはフラミンゴホテルのボックスオフィス他、半額チケットショップとして知られる TIX4TONIGHT でも売り出されることがあるのでチェックしてみるとよいだろう。



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