週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2010年 09月 15日号
マンダリンが高級食べ放題ブランチ "Sake Sundays"
 昨年12月にオープンしたばかりのマンダリン・オリエンタル・ラスベガス。(右の写真内の左側のビル。ただし下半分のみで、上半分はコンドミニアム)
 マンダリンは日本でも広く知られる香港系の高級ホテルチエーン。その格調高いコンセプトはここラスベガスでも踏襲されており、カジノ施設を持つことが当たり前のこの地において、あえてこのホテルはカジノを持っていない。ショッピング街やナイトショーなどの劇場もなく、閑静なたたずまいと、きめ細かなサービスが自慢だ。
 そんなマンダリンが、中華でも洋食でもない、やや和食にコンセプトを置いた日曜日だけの食べ放題ブランチ "Sake Sundays" を始めた。

 場所は同ホテルの3階にあるレストラン MOzen Bistro。もちろん宿泊者以外も利用可能で、料金は一人 58ドル。
 タイトルが Sake となっているが、これは 「料理は日本酒にも合います。ぜひ日本酒をお試しください」 といった程度の意味で、この料金に酒が含まれているわけではない。酒どころかソフトドリンクなども別料金で、ちなみにコーラは8ドル、紅茶は9ドル。メニュー内ですすめている酒は16ドル。税金 (8.1%) やチップも含めるとすぐに100ドル近くになってしまうのでかなりリッチなブランチだ。

 予算的には一般のホテルの食べ放題サンデーブランチの 2〜3倍ということになるが、この種の高級ブランチがラスベガスにまったく存在していないわけではない。
 この週刊ラスベガスニュースのバックナンバー691号、684号、125号などで紹介された店がまさにそれで (記事掲載時と現在の料金は異なるので要注意)、現在も高級ブランチはいくつか存在している。

 しかしこの MOzen Bistro のブランチは、他の高級ブランチと比べてかなり様相が異なっており、良くも悪しくも個性的だ。
 まず良い部分をあげると、やはり何といってもマンダリンらしい手厚いサービスだろう。ちなみにこの店はホテル直営で、テナントではない。
 宿泊者でなくても入店時に名前を聞かれ、その後、ウエイターから 「ミスター 〇〇」 といったように名前で呼ばれる。これを心地よいと感じるか悪いと感じるかは人それぞれだが、高級感を増幅してくれることだけはたしかだろう。
 規模が小さいところもこの店の特徴で、雰囲気的にはひっそり静まり返った隠れ家といったところか。客の数も比較的少ないため、ほとんどマンツーマンのサービスを受けることができる。
 そこそこ立派な寿司カウンターがあり、日本人の寿司職人が客の前で握ってくれるところもうれしい。右上の写真は今回の取材でいろいろ案内してくれた Kats さん。かつてシーザーズパレスの寿司店で働いていた人気寿司職人だ。

 陳列されている料理以外に、独自にオーダーできるのもこの店の特徴で、選択肢はあまり多くないが、クンパオ・シュリンプ、鯛の蒸し煮、インドカレー、スパゲティーなど、ジャンルにこだわらない興味深い料理がメニューリストに載っている。
 そしてこの店の自慢は生ガキ。生鮮食品なので日によって味にバラツキはあると思われるが、取材時に陳列されていた3種類のカキはどれも絶品だった。
 ケーキなどデザート類のサイズが総じて小さいところもありがたい (写真右下)。サイズが小さければ、いろいろな種類を楽しめるからだ。

 悪いところもある。一番気になる部分は、陳列されている料理の絶対数が他の店に比べてかなり少ないこと。前述の個別オーダー可能な料理の存在を考慮しても、他の店の半分にも満たないのではないか。特に肉料理が極端に少ない。
 もちろんどこの店に行っても実際に食べる料理はせいぜい10種類程度だろうから、品数を特に気にする必要もないが、見た目の華やかさという意味での見劣りは避けられない。
 肉料理が少なければシーフードが充実しているのかというと、そうでもなかったりする。他の高級ブランチでは当たり前のカニが無い。寿司カウンターで作ってくれる酢の物などの中にカニが入っていることはあっても、カニそのものが提供されることはまずほとんどないとのこと。

 ここまでの事実を総合的に考えると、このブランチは 「生ガキを食べに行く場所」 と考えるべきかもしれない。もちろん寿司を目当てに行ってもそれなりに楽しめるが、品数的にはあまり大きな期待は禁物だ。
 その他の部分でこのブランチに求めてよいものは、やはり雰囲気だろう。静かで清楚な空間という意味では、ここに勝る店を探すことはそう簡単ではないはずだ。
 落ち着いたゴージャスな雰囲気の中でゆっくり日曜日のブランチを楽しみたい。そんな人はぜひ行ってみるとよいだろう。営業時間は 11:00am 〜 2:30pm。よほど混んでいる時期でない限り予約は不要。



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