週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2010年 08月 04日号
夏休み子連れファミリー向け、大人も楽しめる子供科学博物館
 ラスベガスの愛称はシン・シティー (Sin City)。もちろんエンターテイメント・シティーとも呼ばれており、カジノ、ショー、ナイトクラブ、グルメ、ショッピングなど、文字通りエンターテイメントにはこと欠かない。
 しかし当然のことながらそれらはすべて大人たちのためのもので、子供向けのエンターテーメントスポットは非常に限られている。それでも子連れファミリーが急増するのがこの時期で、親たちは子供との過ごし方に苦労しているようだ。

 本当はカジノで遊びたいお父さん。ブランド店が並ぶショッピングモールが気になるお母さん。そうは言っても子供優先になりがちな家族旅行。
 数少ないゲームセンターやローラーコースターもいいが、どうせなら、もう少し高尚な場所に連れて行って親の威厳を見せたい。
 そんなときに最適なのが、ダウンタウン地区にある Lied Discovery Children's Museum だ。なにやら名前は長いが、簡単にいってしまえば子供博物館、もしくは科学に関する展示が多いので子供科学博物館とでも考えればいいだろう。

 小学校の課外授業などでも利用されるので子供を持つ地元民ならだれもが知る施設だが、観光ガイドブックなどにはあまり掲載されていないこともあり、ここを知る観光客は意外と少ない。
 また、ラスベガスにアカデミックな施設は不釣合いなのか、この博物館は過小評価されがちだが、実際には展示の質、量、ともにかなり立派だ。
 それでもギャンブラー父さんなどにとっては、「子供博物館なんかに行きたくない」 というのが本音だろう。しかしそれほど嫌う必要はない。親たちもそれなりに楽しめ、家族全員が退屈しないように出来ているからだ。

 そもそも 「子供」 とバカにするなかれ。親自身が勉強になるアカデミックな展示が目白押しで、勉強どころか理解することすらできないレベルの展示も少なくない。
 たとえば物理の世界では有名な 「フーコーの振り子」。これなどは、理科系的なことが苦手という者にとっては子供に説明することも自身で理解することもむずかしいのではないか。参考までに、世界中にフーコーの振り子は点在しているが、ここのものは、ラスベガスの緯度が日本とほぼ同じなため (埼玉県と同じ)、何時間見ていてもその動きは日本のものと同じだ。

 科学的な興味や知識がなくても単純に楽しめる展示もたくさんある。たとえば音速やハリケーンの体感だ。非常に長いチューブの一端を自分の耳に当て、もう片方の一端を口に当て大きな声を出すと、自分の声が耳に届くまでに時間差があり音速の遅さを体感できる。ハリケーンの風速を体感できるカプセルもおもしろい展示で、おとなでも入ってみたくなるのか、ここでは順番待ちになりやすい。
 滑車を使って自分を持ち上げるという力学を学ぶための体験型装置や、静電気を使った各種実験などもなかなか良い展示だ。
 数を学ぶコーナーでは、100万という数字の大きさを体感できるように、1セント硬貨が100万枚展示されているのには驚く。

 低学年の子供には、各種乗り物のたぐいや、巨大シャボン玉の中に自分が入るといった遊びに近い展示も数多くあり、幅広い年齢層の子供たちが楽しめるような工夫もなされている。
 さらに自然科学の分野だけではなく、社会勉強的な展示もある。たとえばスーパーマーケットや銀行などを再現した施設での模擬体験などで、このセクションは女の子に人気だ。自動車修理工場や空港のセキュリティーチェックの疑似体験もあり、こちらは男の子向けといったところか。
 子供の肥満が社会問題になっているアメリカらしく、カロリー計算や栄養バランスなど、食生活に対する教育的な展示が多いのもおもしろい。

 今回の取材では、現場スタッフのアレックスさんが一つ一つ実演しながら操作方法などを教えてくれたのでよくわかったが、科学的知識のある無しに関わらず、展示物のいじり方がわかりにくいということは少なからずあるはずだ。
 せっかく訪れたからにはすべてをいじって体験してみるべきなので、もし操作方法などがわからない場合は、現場スタッフに遠慮なくたずねてみるとよい。ちなみにスタッフはたくさんいる。
 なお、展示物はときどき入れ換えているとのことなので、今回ここに記載したものが今後も必ず展示され続けるとは限らない。

 場所は、電飾アーケード 「フリーモントエクスペリエンス」で有名なダウンタウンの歓楽街から北へ約1.4km の地点。野球場 「キャッシュマンフィールド」 のすぐ向かい側だ。
 ダウンタウンから徒歩で行けないことも無いが、高速道路をくぐったりするため交通事情的にも、また治安的にもタクシーを利用すべきだろう。英語が苦手という場合は、運転手に目的地と番地を 「Lied Discovery Children's Museum、 833 Las Vegas Boulevard North」 と紙に書いて渡せばわかってもらえるはずだ。
 開館時間は季節によって変わるが、現在は月曜日から土曜日が午前10時から午後5時、日曜日が正午から午後5時まで。
 入館料は大人 8.50ドル、子供 (17才まで) 7.50ドル。なお、子供連れが原則となっており、大人だけでの入場は認められていないので要注意。



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