週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2010年 06月 30日号
スロットマシン "Sex and the City" のプレー方法 (後編)
 先週に引き続き今週もスロットマシン 「セックス・アンド・ザ・シティ」 について。
 今回のメインとなるボーナスゲームの話題に入る前に、このスロットマシンの払戻し率についてふれておきたい。
 製造メーカーである IGT 社側がやっとそのデータを教えてくれ、また、当サイトでの公開も許可をもらえた。
 結論から先に書くならば、その払戻し率は 89.9〜94.9% とのこと。すべてのトランプのカードが均等の確率で配られるビデオポーカーなどと異なり、それぞれのシンボル (このマシンでは各リール 12シンボル) の出現率が均等ではないこの種のマシンの払戻し率を第三者が検証することは極めて困難で、メーカー発表のこの数字をそのまま信じるしかないが、90パーセント台の前半であれば、他のマシンに比べて特に良いわけでも悪いわけでもなく、常識の範囲内といったところだろう。

 ちなみに数値に5%もの幅があるのは、前号でもふれた通り、このマシンには同時進行可能なスロット画面の数の選択肢が 1面から4面まであり (写真右)、さらに1プレーごとに賭ける金額も可変で、それらスロット画面の数や賭金の大小によって払戻し率が変わるように設定されているためだ。
 そのことは実際のマシンにも表示されており (右下の写真の上部の黄色い文字)、もちろんたくさんの画面でプレーし、たくさん賭けたほうが払戻し率は高くなる。

 参考までに、ここでいう払戻し率とは、無限大の回数をプレーした場合に、それらプレーにつぎ込んだ金額の総額に対する払い戻された金額の比率と考えればよい。
 したがって、たとえば 「払戻し率 94%の台」 の意味は、その台で毎回1ドル賭けて10万回プレーした場合、その間のさまざまな的中に対して払い戻された金額の合計が 9万4000ドル前後になることを意味する。
 もちろんこれら数値はあくまでもプレー回数が無限大に大きい場合の話であって、限られた時間しかプレーしない一人ひとりのプレーヤーは投入金額に対して100%以上戻ってくることもあるし (つまり勝ち)、逆に94%を大きく下回る場合 (あっという間の負け) もある。それらはすべて運、つまり母数が小さいためのバラツキであり、実際の結果が期待される数値と大きく異なっているからといって、それは払戻し率が間違っているわけではない。

 払戻し率はまさに期待値だ。勝つ期待を少しでも高めたければ4面でプレーし (写真右)、さらに最高金額を賭けるべきだろう。
 しかし考えようによっては、必ずしもその方が得とは言い切れない。
 なぜなら、期待値 89.9% よりは 94.9% のほうがいいに決まっているが、それでも 100%には満たないわけで、その種の賭けをより多くの回数、もしくはより大きな金額でプレーすることは、より多く負ける可能性を秘めているからだ。
 このことを理解しにくい場合は次のジャンケンの例を考えればわかりやすいだろう。
 たとえば、「ジャンケンをしてオレが勝ったら 100円よこせ、おまえが勝ったら 80円やる」 という相手と勝負する場合、数回の勝負ならば儲かることもあるが、1000回もやったら確実に損をするであろうことはだれでも想像がつく。そこでもしこの相手が、「単位を大きくしよう。オレが勝ったら 1,000円よこせ、おまえが勝ったら 900円やる」 と言ってきたらどうだろう。期待値は確実に改善されているが、まだまだ不利で、より大きく負ける可能性がある。さらにこの相手が、「片手だけでなく、両手両足を使って同時に平行して4つのジャンケンをしたら、それぞれの勝負に対してオレの勝ちは10,000円、おまえの勝ちには 9,500円を払う」と言って来たらどうか。期待値はさらに改善され、その部分だけを考えるとこれが一番有利だが、短時間で大きく負ける可能性はますます高くなる。
 これらジャンケンは極端な例だが、このスロットマシンの場合でも、「4面使ってたくさんプレーすれば 5%の範囲内で期待値を高く設定してあげますよ」 と言っていることに他ならない。つまり 1面プレーにするか4面プレーにするかは、「かなりの確率で小さく負ける」 か、「大きく負けることもあり得るが勝てる可能性もそこそこある」 のほうがいいのか、という選択になるが、カジノという娯楽の本質を考えれば、後者のほうを選ばないと夢も楽しみもほとんどないことになる。ぜひ4面プレーで楽しむようにしたい。
 なお、IGT社側の説明によると、89.9〜94.9%という変動幅は、設置カジノによって多少異なり、この数値よりも変動幅を少さく設定しているカジノもあるとのこと。

 さていよいよボーナスゲームについでだが、ボーナスゲームで回りだす円盤に割り当てられたシンボルは、先週号でも紹介したとおり、指輪、ドレス、シューズ、ギフトボックス、そして実際のドラマに登場する5人の役者の名前だ。(写真右)
 ちなみにこのボーナスゲームへの突入の確率は、最高額でのプレー、つまり4面プレーでそれぞれに 150ポイント賭けた場合 (1回のスピンに6ドル賭けることになる)、約25回に1回の頻度で4面のどこかに出現するように設定されているとのこと。

 ではまずは指輪から。これは4桁の数字、つまり最高 9999ポイントまで期待できるスリル満点のボーナスゲームで、その数字の決定プロセスがエキサイティングでおもしろい。
 円盤が指輪のマークの位置で止まると、 画面に宝石箱が10個表示される。それら宝石箱の中には 0〜9までのいずれかの数字が入っているが、選択(画面上の任意のひとつの宝石箱をタッチ)するまで中の数字はわからない。
 選択すると中から数字が飛び出し、その数字が4桁のボーナスポイントの下1桁になる。下1桁が決まると、また新たに宝石箱10個が表示され、同様な作業をくり返しながら、2桁目、3桁目、4桁目と順番に数字が決まっていく。
 つまり、4回目における宝石箱の選択作業が一番影響が大きく重要ということになるが、腕を磨けばなんとかなるというものではないので、すべて運に任せて選ぶしかない。
 なお、3回目の選択の際だけ (3桁目の数字を決めるときだけ)、宝石箱の中に隠された数字は2〜9 になっている。(右の写真は箱を選び、その結果が 7 とわかったあと、すべての箱の中身がオープンになった状態)
 つまり3桁目だけは 0 や 1 になることはありえない。これは、仮に4桁目で運悪く 0 を引いてしまった場合でも、最低200ポイント以上は保証されていることを意味する。
 なお、これらのボーナスポイントは、その数字がそのまま 1セントになるわけではなく、この数字に、最初の賭金のユニット ( 1枚賭け、2枚賭け、3枚賭け、のいずれか) を掛け合わせた数値が最終的にゲットできる金額ということになる。たとえば右下の写真は、4桁目があいにく 0 で、0759 に決定したあと、2枚賭けだったため、それの2倍が最終獲得ポイントになったところ。
 指輪以外の以下のボーナスゲームにおいても同様で、掛け算するユニットは、1画面に総額50セント賭けている場合が 1、100セント賭けている場合が 2、150セント賭けている場合が 3 ということになる。
 なぜなら、各画面に対してウィニングラインが全部で30ヵ所、そしてボーナスゲームに割り当てられた負担額が20 (仮想のウィニングラインが20 あると考えればよい)、この合計の50に対して何枚賭けるかで 1画面 1プレーの賭け金の総額が決まるようになっているからだ。

 次にギフトボックス。このボーナスゲームに突入すると、そのギフトボックスがシンボルになったスロットが回り出す (右の写真は回り出す直前)。数秒で自動的に停止し、その際にギフトボックスのシンボルは最低5個、最大で15個まで可視範囲に現れる。
 この数は多ければ多いほどよく、その数に応じてボーナスポイントが決まることになるが (ポイントの一覧表が画面右端に表示される)、さらに楽しみが仕掛けられており、スロット停止時にギフトボックスのシンボルが、セックス・アンド・ザ・シティの役者4人のそれぞれの顔、バラの花、ワインボトルなど、別のシンボルに自動的に変化する (写真右下)。そしてそのシンボルの種類と出現数に応じてボーナスポイントが決まる。
 たとえばキャリー(役者の名前) のシンボルが可視範囲に 10個現れた場合は1000ポイント、15個表示された場合は15,000ポイントだ。
 そしてさらに、なんとこのゲームでは同じことを連続5回できるようになっていて、5回の合計ポイントがすべて加算され、それが最終獲得ポイントとなる。

 次にドレス。このボーナスゲームに突入すると、ドラマに登場している役者4人、キャリー、シャーロット、ミランダ、サマンサの写真が表示されるので、まずはだれの衣装を着替えさせたいか、希望の人物を選ぶ (画面をタッチ)。
 各役者には毎回自動的に 1つ星から4つ星までが割り振られるが、画面をタッチして選択するまでその星の数はわからない。(右の写真は、サマンサを選び、3つ星であることがわかったところ)
 星の数が多いほど、このあとに表示される6種類の各ドレスに割り振られるポイントも高くなり、良い結果が期待できる。ちなみに1つ星の場合、ドレスのポイントは100〜750だが、4つ星の場合は 250〜2000だ。
 画面の右端に6種類のドレスと、それらドレスに対して割り振られたポイントが表示され、さらに左側に 12枚のミラーが表示される。ミラーの中には各ドレスが隠されており、トランプの神経衰弱のごとく各ミラーをタッチして開いていくことになるが、開いたミラーは閉じることなくそのまま衣装が表示され続け、その後も次々にミラーを開き、最初のマッチング、つまり同じ衣装をめくってワンペアが出現した瞬間にこのゲームは終了となる。ペアとなった衣装のポイントがこのボーナスゲームの獲得ポイントとなる。

 次にシューズ。このボーナスゲームに突入すると、7つのシューズの箱が表示される。(写真右)
 その段階では箱の中にどんなシューズが入っているかはわからないが、どれか好きな箱を選びそれにタッチすると、中からシューズが出てきて、このゲームにおけるシューズが決まる。
 ちなみに各シューズには格があり、キャリーの顔写真とセットになったシューズが一番ポイントが高い。
 シューズが決まるとすぐに、横3ライン、縦5リールのスロットが表示され、そのシューズのシンボルはスロットの中央の位置に固定される。
 この状態からスロットを回し、中央に固定されているシューズと同じシューズがどこか他の場所に表示されたら、それもその場所に固定される。連続5回スロットを回し、最終的に固定され残ったそのシューズの配列によって獲得ポイントが決まる。

 ここまでの4種類とはまったくちがうのが、役者の名前が書かれた位置にボーナスゲームの円盤が止まった場合で、これは比較的単純なのでわかりやすい。
 この場合、それぞれの役者の持ち物、たとえばミランダだったらバッグ、サマンサだったらサングラスが画面に3つ並ぶ。この3つの中のどれかひとつはプログレッシブ型の賞金で、その金額は上段のパネルに常に大きく表示されている。ちなみにプログレッシブ型とは、その賞金が的中するまで、リンクされている同種の台に投入された賭金の一部を積み立てて基準額の上に加算していく方式。したがって金額は刻々と変化しているのが普通で、固定された通常の的中とは趣を異にしている。
 残りの2つの持ち物の中にはそのつど自動的に割り振られたポイントが入っている。そのポイントの額は変動的だが役者によって格付けがあり、ミスタービッグ、キャリー、サマンサ、ミランダ、シャーロットの順で低くなる。出現し得るそれぞれの最高ポイントは 20,000、7,500、2,500、1,500、750 と登場人物による差はかなり大きい。
 なお、このボーナスは、最初の賭金のユニットに応じて選ぶ回数に差があり、1枚賭の場合は1ヵ所、2枚賭の場合は2ヵ所、3枚賭の場合は3ヵ所、つまり全部開くことができる。

 以上長々と書いてきたが、これでもまだすべてを説明しきれているわけではない。ただ、ここまでのことを知っておけば、あとは現場でなんとか対応できるはずだ。また、メインの画面の下にある [MENU] から簡単な説明画面(英語) をいつでも表示させることができるようになっているので、スロット初心者でも特に不便を感じることなく楽しめるのではないか。
 最後に、イスにも高性能スピーカーが装備されるなど、このマシンには IGT社初のサラウンド型の音響システムが採用されており、プレー中のさまざまな局面において映画の中に登場する役者のリアルな声や映像も楽しめるようになっている。ギャンブルに興味が無い者でもセックス・アンド・ザ・シティのファンはぜひ体験してみていただきたい。


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