週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2010年 06月 02日号
オトナのプール "Beach Club" がアンコールにオープン
 先週の木曜日、アンコール (ウィンラスベガスの新館。写真右、クリックで拡大) に Beach Club と称するプールがオープンした。
 ちなみにこのホテルには他のホテルと同様、宿泊者のための通常のプールはすでに存在している。つまり今回オープンしたプールは通常ではないということ。では何か。
 ここ数年、ラスベガスでブームになっているいわゆる 「オトナのプール」 だ。名前から想像できる通りコンセプトはクラブで、ナイトクラブのプール版と考えればわかりやすい。21才未満は入場できない。

 ディスクジョッキーと激しいサウンド、そしてアルコールと高い料金のソファーなど、そこまではナイトクラブとまったく同じだが、踊るような場所は一部の小さな水上お立ち台 (右写真の中央) を除いてほとんどない。
 だからといって泳ぐような場所があるわけでもなく、ここにあるのは 「オトナの水遊び場」 程度のプールと、あとはすべてソファーやビーチベッドなど、くつろぐための施設ばかり。簡単なプールサイドカジノもあるにはあるが (写真右下)、このプール施設の本質を支える不可欠な要素ではない。

 ではここでみんな何をするのか。基本的には男女の出会いの場と考えていいだろう。
 もちろんカップルやグループでの利用もあるので、「出会い」 と限定すると異論もありそうだが、結局は男女の社交の場であることにちがいはない。
 おのずと独身者の利用が多くなりがちで、一般のプールに比べ利用者の年齢層は総じて若い。

 そのへんのことは、場所を提供する側もきちんと心得ており、男性心理をうまくついたマーケティングなどには驚かされるばかりだ。
 入場料こそ大した金額ではないが (曜日など混雑度によって日々変動)、入場しただけではビーチチェアひとつ利用することができない。一般のプールでは自由に使える無料のビーチチェアもここではすべて有料で、種類やサイズにもよるが最低でも150ドルはする。

 その負担がいやならば、水の中で立ち尽くしているか、プールサイドの熱いコンクリートの上に座り込む以外に居場所がなく、ビールなどを置くテーブルすら確保できない。
 そんなみじめな状態では、よほどのイケメンでない限り、いくら声をかけても美女は寄ってこない。女性はくつろげる場所を求めており、中には日影の場所を絶対条件としている者さえいる。パラソルの下の円形ソファはもちろん有料だ。

 参考までに各種ソファやビーチベッドなどはサイズにもよるが最低でも数百ドル、カバナやバンガローは千ドル以上と、とてつもなく高い。
 ちなみにここでいうカバナとは、テレビや冷蔵庫などが備わった日よけ用の小屋のこと。バンガローはさらにそれをゴージャスにした施設で、日影を求める女性にとっては垂涎の的だ。(右写真の赤いカーテンで仕切られている部分がカバナやバンガロー)
 好きな女性もしくは素敵な女性との出会いのためなら、ホテルの宿泊料金の10倍もするようなそれら施設に散財してしまうのが男の心理というもので、じつにうまいマーケティングといっていいだろう。

 さて、この記事を読んで 「ぜひオレも」 という男性読者のために具体的な利用方法を補足説明しておくと、カジノの常連客やクラブにリストされているVIP客などではない限り、一般の列に並び入場料を支払って施設内に入ることになる (右写真がその入口)。なお、通常のプールと異なり、アンコールやウィンの宿泊者である必要はない。
 入場料は需給バランスで変動するが、ちなみに開業直後の先週の週末は男性100ドル、女性30ドルだった。今後は平日男性40ドル、女性20ドル前後にする予定とのことだが、こればかりはかなり流動的なので、そのつど確認するしかない。

 ビーチチェア、ソファー、ベッド (写真右) などを利用したい場合は、ブルーのシャツを着た現場スタッフと交渉することになる。
 レンタル料金は入場料と同じく 「時価」で、さらに利用人数などによっても変わることがある。
 ちなみにカバナは26戸、バンガローは8戸しかないので、必ず借りられるとは限らない。

 価格交渉などがまとまり借りることが決まると、手首にリストバンドを巻いてくれる。
 その色によって 「ソファーの持ち主」、「ベッドの持ち主」 などと区別され、一段高い位置にあるカバナやバンガローのセクションには、それなりの色のリストバンドを巻いていないとアクセスできない (通路の入口に監視スタッフが立っている)。

 つまりリストバンドの色は、その者がどこにくつろげる場所を持っているかの標識であり、女性側から見ると、男性の品定めをする際の重要なチェックポイントとなる。
 鍛え上げた自慢の肉体美をいくら頑張って披露しても、手首に何も巻いていない男は寂しい思いをすることになりかねない。男にとってはきびしい世界だ。ちなみに右の写真の男たちは赤のリストバンドをしていることがわかる。

 女性も入場方法は基本的には同じだが、女性だけのグループなどにおいて、いわゆるイケているグループは現場スタッフによる優待があったりすることも。優待の内容は、並ばなくてもいい、割引などさまざまだが、明確な規則があるわけではないので、ここでそれを文字にして示すようなことはできない。
 運営側にとって、イケている女性がたくさん集まることは、施設全体の評判がアップし、結果的にお金を落としてくれる男性客が集まりやすくなるので、女性客の洗練度は重要な関心事だ。女性にとってもきびしい世界といえそうだ。

 容姿などによる差別禁止、男女平等などがさわがれるこの時世に、こんな理論で運営されていること自体なんとも驚きだが、これでうまく回っているからおもしろい。
 数年前から、マンダレイベイ、ミラージ、MGM、ベネシアン、シーザーズパレスなど、オトナのプールは続々と誕生しているが、夏が長いラスベガスの新しいビジネスモデルとして今後益々増えそうだ。

 なお、今回オープンしたこの Beach Club は、他のオトナのプールに見られるトップレス解禁にはなっていない。それでも、落ちついたカップルの利用が目立つ他のホテルのオトナのプールよりも、なぜか若者のグループが多く、結果的に一番活気があることはまちがいないところで、出会いなどを期待する者にとってはラスベガスナンバーワンのプールといってよいのではないか。営業時間は原則として午前11時から午後7時まで。カバナなどの事前予約は 702-770-7300 まで。



バックナンバーリストへもどる