週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2010年 05月 26日号
日本人女性マジシャンが快挙、ついにベガスで定期公演!
 日本からラスベガスに乗り込んだ2人組の女性マジシャンが、ラスベガスのホテル街のほぼ中央に位置するシアターで定期公演ショーを行うことがこのたび決定した。
 この快挙を成し遂げたのは、名古屋に拠点を置くマスタマクス社所属の女性デュオ 「Ai and YuKi」。(向かって左が Ai、右が YuKi。クリックで拡大表示)
 日本人初となるその定期公演マジックショーは、6月18日からプラネットハリウッドホテルに隣接するサックス・シアターで始まる。
 タイトルは "Zen Magic"。数ある競合マジックショーとの違いを鮮明にするために、終始一貫して 「和の美」 を追求したところが特徴だという。練習スタジオで準備に余念が無い二人に話を聞いた。

日本人初の快挙、おめでとうございます。 ついにやりましたね、この日を長らく待っていました。
応援して頂き、またお越し頂き、本当にありがとうございます。
練習でお忙しいとは聞いていましたが、本当に忙しそうですね。機材の修理とかもご自身でやっちゃうんですか。(実際に、練習の合間に小道具を修理中。写真右、クリックで拡大)
そうなんですよ。この傘、骨とかがすぐに壊れちゃうんです。やはり自分たちで直したほうが安心なので。
あと15分でまた練習開始ですよね。時間がなさそうですので、ありふれた質問は飛ばして、さっそく始めちゃいましょう。
ありふれた質問でもいいですよ。
いや、経歴や自己紹介的な話、それに 「何歳からマジックを始めましたか?」 とか 「練習は毎日どの程度?」 といった質問はスキップです。ここの読者はそういう話、あまり期待していませんので。ありきたりの話題は他のまじめなメディアに任せましょう。
ありきたりじゃない、ってどんな質問ですか?
意地悪な質問ですよ。ラスベガス大全の中ではミスターベガスというヘンなマスコットキャラクターが毒舌をウリにしていますので、失礼な質問も多いかと思いますが、よろしくお願いします (笑)。
えぇ〜。
ではいきなりですが、会場に決まったあそこのシアター、設備もロケーションも最高ですが、今までほとんどのショーが失敗して短命に終わるっているんですよ。ようするにジンクス的には良くない。
えぇ〜、そうなんですか。でもいいです。占い師から、「悪い運も良い方向に変えるだけのパワーを持っている」って言われているんで、そんなジンクス、 Zen パワー全開でふっ飛ばしちゃいます。
そういえばタイトルが Zen でしたね。それってラスベガス大全の 「全」 ですか。そんなワケないですよね。
その全も含んでいますよ。禅、善、全の3つの Zen ですから。
なんだかうれしいですね。でもマジックショーって競合が多くて前途多難じゃないですか。世界的に不景気でタイミング的にも最悪。あ、本当に意地悪な質問ばかりですね (笑)。
きびしい世界であることはもちろん承知しています。だから他とは違う差別化を図っています。
たとえば?
日本的な要素ですね。和の美みたいな感じの。
それ、いいですね。最近アメリカでも漢字の入墨を彫っている人とかけっこう見かけたりしますからね。和がブームなんでしょうか。
ウリは 「和」 だけじゃないんです。マジックショーなのにアクロバットやダンスの要素も取り入れています。特にエアリアル(空中)アクロバットなんてすごいですよ。さらにストーリー性も持たせているので、他のマジックショーとはぜんぜん違うんです。
エアリアルってシルクドゥソレイユなどでよく見かけるあれですか。かなり危険なワザですよね。マジックショーでそれをやっちゃう?
そうです、すごく危険な演技です。もう Ai ちゃんの手を上からギュ−っと握っているときなんか本当に二人とも命がけでやっています。
失礼な言い方かもしれませんが、マジシャンがアクロバットなんてやっちゃって危なくないですか。
(奥にいるスタッフを指差しながら) 彼らの中には、シルクドゥソレイユとかジュビリーで仕事をしていた人もいるんです。ブリトニースピアーズの公演でアクロバットを担当した経験もあったり。それなりの専門知識を持った人にサポートされていますので大丈夫です。マジック以外も手を抜いていません。本格的ですのでぜひ見に来てください。
そんな本格的なアクロバットも着物のような衣装で和の要素を取り入れながらやっちゃうんですか。事故にはくれぐれもお気をつけください。
はい、基本的には着物などを着たままやっちゃいます。
あ、和のアクロバットといえば、また意地悪な質問になりますが、インペリアルパレスでやっている 「MATSURI」 と競合しちゃいますね。時間帯もちょうどぶつかりますが、負けない自信のほどは?
本当に意地悪な質問ばっかり! MATSURI さんとは、一緒に和の文化をアメリカに広めて、日本とアメリカの架け橋になるように頑張りますので大丈夫です。
マジックに話を戻しますが、本当にこの街にはたくさんのマジシャンがいます。 同業者の目線で見て、一番好きなマジシャンとか尊敬するマジシャンはだれですか。 おっと、それじゃぁありふれた質問になっちゃいますので、どのマジシャンが一番ひどいですか? キライですか?
えぇー、そんなのここで言えないですよ (笑)。
でも読者はそういうの期待していますし、嫌いなマジシャンって絶対にいるはずですよね。
でも記事になっちゃうんでしょ? ムリムリ、そんなの。
じゃぁ質問を変えて、好きな順にベガスのマジシャンの名前を列挙してください。その最後の名前の人が一番嫌いなマジシャンということにしますので (笑)。
えーそれじゃぁ同じじゃないですか。じゃぁその一番最後の人の名前だけ先に小さい声で言っちゃいますと、ダー××ー×ー。
あ、それってトラを使うイニシャルDAの人ですよね。つい最近、公演やめちゃったみたいですけど、あの人のどこがダメですか?
だって、宣伝用の写真に比べて実物はかなりオジサンっぽくないですか。
だったら同じくトラを使うイニシャルRTの人も、もっとオジサンっぽくない?
DAさんよりはマシに見えますが…。
ランスバートンがお好きとは聞いていますが、クリスエンジェル、カッパーフィールド、マックキング、ペン&テラーなどはどうでしょう。あ、そうそう、あと、よくお二人と比較されがちなプリンセステンコーさんとか。
んもぉー、意地悪な質問ばかりですね。一番好きで尊敬しているのはランスバートンということでこの質問はお許しください (笑)。
そういえばランスは日本びいきですからね。寿司とかも好きだし。 あ、和といえば、いわゆるチャイニーズの旧正月のとき、ラスベガスの街中がチャイニーズ系の縁起物で飾られるのに、5月に鯉のぼりが飾られたりするようなことはないですよね。そもそも日本に行っても2月の豆まきなんかよりもハロウィンとかのほうが盛大にやっていたりして。海外にいる我々が日本文化を守らなきゃダメっていう感じですので、ぜひお二人の力で和の文化をアメリカに広めてください、期待してます。
あ、豆まきなんていいですね。2月になったらステージでやっちゃおうかな。
ぜひやってください。そのときは見に行きますので事前に教えてください。それより、2月までに撤退したりしないでくださいよ(笑)。ところで今回の公演は何年契約なんですか?
とりあえず記事の中では、ロングラン長期契約ということでお願いします。
この記事を読んで初めてファンになった人も、すでにファンの人も、「日ごろの Ai and YuKi の素顔に接してみたい」って思っている人、多いと思うんですけど、実際に食事に出かけたりするとき、どこのレストランに出没することが多いですか?
自炊することが多いけど、外食するとしたら、寿司屋さんですと…
あ、ちょっと待ってください。日本人経営の店は宣伝になっちゃったり、あれこれ問題になる可能性があるので寿司屋はやめておきましょう。
和食以外だと、IN-N-OUT-BURGER かな。
その店ならラスベガス大全でも2年ほど前に特集記事を書いたことがあるので問題なしです。いくつか店舗がありますが、そのロケーションまではお伺いしないほうがいいですよね。ファンに取り囲まれたらゆっくり食事できませんから。ところで休日とかはどこで何を?
公演が決まった今は忙しくてほとんど休日なしで頑張っています。
おっしゃる通りたしかに忙しそうですが、「休日なし、趣味なし」 じゃぁ記事としておもしろくないので何かないですか。たとえばカジノが好きとか。
あ、カジノですか。そんなにハマっているわけではありませんが、社長がけっこう好きなので、それにつられてときどき…。
社長! (少し離れた場所でスタッフと打ち合わせ中)、この忙しい時期にカジノなんかに行ってて大丈夫ですか? そもそもラスベガスにいらっしゃることが多いと聞いていますが、名古屋の本社にいなくていいんですか?
本社はボクがいないほうがうまく回るみたい。だからここに長くいてもまったく問題なし。カジノ? 嫌いではないですね (笑)。
今後、このショーが益々有名になり、こちらの仕事が増えたら、名古屋とベガスのご滞在の配分はどんな感じになるんでしょうか?
もう今でもほとんどラスベガスになっちゃっている感じ (笑)。
(Ai & YuKi さんとの会話に戻って) おおらかで楽しい社長さんでいいですね。 ところで、日本にもアメリカにも星の数ほどたくさんのマジシャンがいるなか、ラスベガスのヒノキ舞台に立てることになった大成功の理由や秘訣はなんだと思いますか? ラスベガスの、それもホテル街のど真ん中のステージに立つなんて、テニスの世界にたとえればウィンブルドンのセンターコートに立つようなもの、高校野球児にとってみれば甲子園、ゴルファーにとってのセントアンドリュースやオーガスタのような聖地ですよ。
(遠くから手を横に振りながら) それは言いすぎ、ほめすぎ。まだセンターコートじゃないですよ。上には上があるからね、シーザーズパレスのコロシアムとかウィンのステージとか。もちろん夢は大きく持ちたいから、そういうところに行けたら行きたいよね。
成功の理由ですか…、うーん、むずかしい質問ですねぇ、なんだろう…。
この対談、お笑い形式ですから 「私の実力です」 とか、冗談っぽく答えちゃってもいいですよ。あ、それ、意外と冗談じゃなくてホンネだったりして。
日本の伝統を大切にしながら、歌って踊ってといった普通にはない要素も大切にしてきたことでしょうか。 でも本当の理由は、私たちが頑張って来たということよりも、やはり社長が頑張ってくれたことですかね。ずいぶんお金も使ってくれたし (笑)。いや、冗談抜きに社長には本当に感謝しています。
社長! すごいことを言ってくれていますよ!
(笑みを浮かべながらも感激している様子)
そういう心温まるお話をおうかがいしてしまうと、なんとしてでも成功して頂かないと困りますので、ふざけた質問で練習のじゃまをするのはこのへんにして、最後はまじめに読者へのメッセージや抱負をお願いします。
社長と一緒に3人で描いてきた夢がやっと実現しようとしています。日本の伝統美も取り入れた見どころ満載のショーですので、ぜひ観にいらしてください。もう素直にそれだけですね。応援よろしくお願いします。

(ここには登場しませんでしたが、実際の対談では、統括マネージャー、広報ご担当のPR部門マネージャー、マーケティングディレクターなど、たくさんの方々にご協力頂きました)

 アメリカでの正式な表記は 「Ai and YuKi」。YuKi は 「ユキ」 ではなく 「ユーキ」。愛と勇気というわけだ。そして K はなぜか小文字ではなく大文字。理由は秘密とのこと。その大きくした K にこそ、何か成功への運とパワーが秘められているように見えるのは気のせいか。
 公演スケジュールは毎日 4:30pm (変更の可能性あり)。とりあえず最初の1ヶ月は休演曜日なしで頑張るという。場所は、プラネットハリウッドホテルに隣接するショッピングモール「ミラクルマイル」内にある Saxe Theater 。チケットは $44.99、$54.99 (税、手数料は別)。子供料金はないが、10才未満の子供は大人1名につき1人無料。



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