週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2010年 05月 05日号
バリーマニロウ、新天地パリスホテルで公演再開
 バリーマニロウのコンサートがパリスホテルのシアターで始まった。
 昨年末までラスベガス・ヒルトンで5年間に渡り行われてきたショーなので、まったく新たに始まったショーというよりも、移籍・再スタートといったほうが正しいかもしれない。それでも会場施設が新しくなり、内容も一新されているので、同一のショーとは考えないほうがいい。ヒルトン時代と異なる部分などをさぐってみた。

 日本での人気や知名度はなぜか今ひとつのマニロウだが、アメリカでは誰もが知る米国音楽界屈指のスーパースターで、特に中高年層からの支持は絶大だ。
 その常駐ショーがホテル街のど真ん中にやって来たとあって、注目度や存在感は半端ではない。
 また、その宣伝がパリスホテルの大型マーキーに入るなど (写真右上、クリックで拡大)、ビジュアル的な露出度も他のショーを圧倒しており、もはやラスベガスを代表するナイトショーのひとつといっても過言ではないだろう。

 ヒルトン時代と大きく変わったところを列挙すると、まずは会場そのもの。
 今までは完全に独立した二階構造だったが、パリスホテルの会場はすべてのフロアが同一平面内に収まり、極端に高いところから見下ろすような二階席はなくなった。
 その反面、奥行きや上下の段差が少なくなったぶん、左右の幅が広くなり、両端の壁に近い席からのステージの角度はかなりきつい。チケットを買う際は、前後の奥行きよりも左右の位置関係を気にしたほうがよさそうだ。

 ショーの内容の相違点としては、全体の雰囲気があっさりしてきたということ。サラリとしたと言い換えたほうがわかりやすいかもしれないが、ヒルトン時代はその逆の雰囲気が強かった。
 なんとも抽象的な表現だが、アイドルとその熱烈なファンの親密度とでも言うべきか、そのどろどろした関係があっさりしてきたということで、これはマニロウ自身もそのファンも歳を取り、全体としておとなしくなったと考えるべきかもしれない。ただそれは、活気がなくなったといった悪い意味ではなく、ショー全体が 「よりオトナの雰囲気になった」 と解釈すべきだろう。ちなみにヒルトン公演を最後に取材したのは約2年前、マニロウは来月67才になる。
 この歳になってもさすがはジュリアード音楽院を卒業しているだけあって音楽センスがよく、コンサート全体の流れもかなり洗練されている。話しているトークのときは声がかすれたりすることもときどきあるが、歌い出すと声量は十分で、往年の美声にまったくかげりは見られない。

 曲目については、Mandy、Even Now、Can't Smile Without You、I Write The Songs、This One's For You などのヒット曲は今まで通りだが、It's A Miracle、Weekend in New England、 Could it be Magic など有名どころで歌わなくなった曲がいくつかあった。
 また、ヒルトン公演では歌っていたシナトラの曲がなくなっていた反面、フランシスレイの Love Story (ある愛の詩) を入れるなど、選曲にもかなり工夫や変化が見られた。
 ピアノの弾き語りなどはヒルトン時代同様、惜しみなくたっぷり披露してくれる。最後はもちろん Copacabana の熱唱で、これは不動の定番と考えてよい。

 入場時にケミカルライト (ペンライト) が手渡されるのはヒルトン時代と同じ。
 また、写真撮影禁止のアナウンスが無く、シーザーズパレスのコンサートで見られるような手荷物検査がないのも今までと同様で、あまり緊張感がないほのぼのとした温かい雰囲気はマニロウのコンサートらしく好感が持てる。実際にこのショーでは原則として写真撮影が可能だ。
 客層はやはり 50〜60代が中心で、女性グループや中高年のカップルが目立つ。熱狂的なファンもかなり見受けられるが、年齢的に体力が無いのか、終始立ちっぱなしという客はほとんどいない。

 今回のパリスホテルへの移籍における契約内容は年間78公演の2年契約、合計156公演。
 原則として金、土、日の週3日で、公演が無い週もある。したがって、常駐ショーではあるが、毎日もしくは毎週開催されるというわけではない。開演時刻は 7:30pm。
 とりあえず現時点で確定している 5、6、7月までの公演スケジュールは以下の通り。
 5/7, 8, 9, 13, 14, 15, 28, 29, 30、6/4, 5, 6、7/2, 3, 4, 9, 10, 11, 16, 17, 18。

 会場のサイズは約200席減って1500。前述の通り左右極端に離れた席は避けたほうがいいが、後方はどんなにうしろでもそれほど遠くなくステージがよく見えるので特に悪い席ではない。
 チケット料金は、95、125、175、250ドル。なお、ヒルトン時代には存在していた、ステージ上にイスを並べたファンのための特別席はなくなった。
 チケット売り場はホテルのフロントロビーの奥、劇場の手前のわかりやすい位置にある。www.ticketmaster.com などのネットでの購入も可能。



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