週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2010年 04月 14日号
市長も大歓迎、巨大ワインショップがグランドオープン
 レンタカーが無いとアクセスしづらい場所ではあるが、ワイン通にとってはたまらない必見の巨大ワイン店が 3月24日、ラスベガス西方のサマリン地区にオープンしたので紹介してみたい。
 店の名前は Total Wine。米国東海岸メリーランド州に本社を構えるチエーン店で、現在の全米店舗数は63。そのうちのほとんどは東海岸地区の一部の州に集中しており、西海岸地区にはアリゾナに6店、カリフォルニアに3店、そして今回のラスベガス1号店を入れても合計10店しかない。今後は西海岸地区にも積極的に出店するとのことで、すでにラスベガス2号店の準備も進んでいる。

 今回の開業は、景気の低迷で雇用問題が深刻化するラスベガスにとっては久しぶりの明るいニュースとあって、3月24日におこなわれたグランドオープニング・セレモニーにはラスベガス市長オスカー・グッドマン氏 (右写真の中央) もショーガールを連れて現場に駆けつけ、本社からやって来た会長のロバート・トロン氏 (同、左) と共にテープカットをおこなった。

 スピーチの席上、トロン会長は、「我々はすでにラスベガス2号店をヘンダーソン地区に準備中で、このコミュニティーの雇用創出に貢献したい」 と述べると、グッドマン市長はすかさず、「ヘンダーソンなんて知らない。そんなところに店を出さなくていい」 と横やりを入れ、会長は一瞬なんのことだかわからず呆然としたが、ショッパーを始めとする列席者は大爆笑。じつはヘンダーソンはラスベガス郊外にあるものの、行政区域としてはラスベガス市ではなく、グッドマン市長とは別の市長が率いる街だ。

 終始なごやかな雰囲気の中で進められたセレモニーのあと、ジェリー・フェリンクザック店長の案内で店内が報道陣に披露された。とにかく広い。
 ラスベガスには以前から広さが自慢の Lee's Discount Liquor という地元密着型の大型酒類販売業者が多店舗展開しているが (ラスベガス近郊に15店)、それよりもさらに広く、倉庫などを含めない店舗面積が約2500平方メートルというから驚きだ。
 数字だけで比較すると Lee's にもこの程度の広さを誇る店舗があるが、それは倉庫なども含めた数字らしいので、やはりこちらのほうがかなり広いということになる。
 いずれにせよ、家電量販店やホームセンターならいざ知らず、ワインショップで2500平方メートルは世界最大級といってよいのではないか。

 ワインショップと書いてきたが、じつは 1000種類を超えるビールもある。さらにスコッチを始めとするさまざまなアルコール類が2000種類。
 ちなみにワインは8000種類。もちろんこれら数字は種類の数で、ボトルの数ではない。ボトルの総数は店長でもよくわからないらしい。
 これだけスケールが大きいと、われらがジャパンの日本酒や焼酎の扱いも気になってくるが、これがなんと期待に反して存在感がほとんどない。全体の売場面積の500分の1 にも満たないスペースにひっそりと置かれているだけだ。(右上の写真に写っている範囲が日本酒セクションのほとんどすべて)
 テキーラ、ウォツカ、ラム酒など、世界各国のさまざまな酒類が大量に陳列されている中、これはどうしたことか。寿司ブームと言われて久しいが、アメリカの寿司店であれほど多く見かける日本酒がここにはごくわずかしかない。
 現場の説明によると、飲食店ルートに卸している業者と個人向け小売業のちがいではないか、とのこと。そうであるとするならば、アメリカ人は寿司屋で日本酒を飲むことはあっても自宅ではほとんど飲まないことになる。寿司屋での日本酒は味ではなく恰好付けで飲んでいるということか。だとするとなんとも残念だが、日本人がメキシコ料理店でテキーラやメキシコのビールを飲んでみたくなるのと同じようなことと考えれば仕方が無いことかもしれない。ちなみに韓国や中国の酒も日本酒同様、ここでの存在感は限りなくゼロに近い。

 話をワインに戻すと、ブドウの種類、地域別など非常にわかりやすく陳列されており見ていて楽しい。イタリア産やフランス産などは単なる国別だけでなく地方ごとにも区分された本格的なディスプレイが特徴で、マニアックな消費者にとっては時間がいくらあってもたりないだろう。
 参考までに、日本人に人気のロマネコンティやカレラ・ジェンセンは残念ながらこの店では売られていない。

 ビール党にとってもここは楽しい。全米各地の地ビールはもちろんのこと、ベルギー、ドイツ、英国などからの膨大な数の輸入ビールが所狭しと並んでいる。
 日本からはアサヒ、サッポロ、キリンのメジャーブランド3種、それに茨城県産の地ビール Hitachino Nest の合計4種類だけだ。
 気になる値段については、バドワイザー、ミラーライトなどの人気ブランドの小瓶が1ダース 9.49ドル、オールドミルウォーキー、ナチュラルライト、パブストなどの格下ブランドが5ドル台から。これら値段は、競合他店と比較して総じて安いといってよいだろう。
 競合といえば、前述のライバル店 Lee's が、この店のすぐ近くに新たな店を出す準備をしている。今後ますます価格競争が進みそうだ。

 種類も豊富で値段も安いとなれば行くしかないが、一般の観光客にとっては重いボトルをどうやって持ち帰るのかという問題が残る。また免税範囲も気になるところだ。
 それでも、たとえワイン数本しか買わなくても見ているだけで楽しめるので、ワイン通やビール通はぜひ足を運んでみるとよいだろう。
 営業時間は月曜日から木曜日が 9am〜10pm、金曜日と土曜日が 9am〜11pm、日曜日が 9am〜9pm。
 場所はストリップ地区の西方にあるサマリン地区のショッピングエリア "Boca Park" 内。地図を見たい場合はグーグルマップなどに以下の住所を入力。
730 S. Rampart Blvd. Las Vegas, NV 89145



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