週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2010年 03月 03日号
ジャズの生演奏を聴きながら高級サンデーブランチ
 朝食や昼食だってリッチに楽しみたい…。そんな人におすすめなのが、このたびウィンラスベガスで始まった Cookin' with Jazz Brunch。
 副題は Big Easy (ニューオリンズの愛称)。ジャズの生演奏を聴きながらニューオリンズ料理やシーフードを楽しもうという食べ放題形式の高級サンデーブランチだ。営業はもちろん日曜日だけ。
 会場はウィンラスベガスに隣接する高級ゴルフコース・ウィンゴルフクラブのクラブハウス内のレストラン The Country Club。(右上の写真は、このレストランの屋外テラス席で働くウエイターのスコットさん。背景は18番ホールのグリーンと名物の滝)

 気になる料金をいきなり書いてしまうと、ひとり59ドル。これに税金とチップが加わると 75ドル前後になってしまう。ブランチとしてはかなり高いが、それなりの雰囲気を楽しめるので、たまにはこの程度の贅沢も悪くないだろう。
 ちなみにサンデーブランチに付き物のシャンペンは、1杯目まではこの料金に含まれているが、2杯目からは1グラス12ドルなので要注意。ビールなども別料金だ。なお、コーラ、オレンジジュース、コーヒー、紅茶 (写真) などは飲み放題で、カプチーノやエスプレッソなども追加料金なしでオーダー可能。

 食べ放題といえば通常のバフェィが頭に浮かぶが、このジャズブランチはどこがちがうのか。
 最大の相違点は料理そのものよりも、店の雰囲気と手厚いサービスだろう。
 まず店のサイズが小さい。入口に近いメインダイニング、奥まった静かな場所にあるダイニング、そしてゴルフコースに面した屋外テラス席、以上3つのセクションに分かれているが、それらすべてを足しても通常のバフェィの半分にも満たない。また、サイズ的に落ちついているばかりか、インテリアも高級感があり、少々大げさに表現するならば 「少人数の選ばれた人たちだけの空間」 といったいい雰囲気が漂っている。

 ウエイターとのマンツーマンの手厚いサービスも期待していい。着席すると担当のウエイターが料理の説明をしてくれ、さらに水を有料のボトルにするか普通の水にするかなど、いろいろなことを確認したり説明してくれる。また、料理を取りに行っている間に、ナイフやフォークを新しいものに取り替えてくれたり、ナプキンをきれいに折りたたんでセットし直してくれたりと、通常のバフェィではあり得ないサービスが盛りだくさんだ。
 なお、メインディッシュとなる朝食メニュー (←クリック) は、各自が自由にウエイターにオーダーし個別に調理して運んできてもらう方式になっている (好きなタイミングで好きなだけオーダー可能)。逆にカニ、カキ、エビ、サーモンなどのシーフード、および各種サラダ、スープ、パン、デザートなどは、陳列スタンドまで各自が取りに行く方式だ。さらにステーキ類の実演クッキングだけは、煙が出るためか屋外のテラス席で行われているので (写真)、そこまで取りに行く必要がある。

 陳列スタンドのところにも複数の専属スタッフが客を待ちうけ、スモークドサーモンなどを切り分けてくれたり、客の前でカキの殻を開けてくれたりする。
 参考までに、カキの種類を現場担当者に聞いてみたところ、バンクーバー付近で取れた MIYAGI とのこと。これが非常にしっかりした濃厚な味で文句なしの絶品だった。あとからイーストコースト産の他の種類のカキも開けてくれたが、風味が薄すぎ、こちらはまったくダメ (写真、手前の3つが MIYAGI、奥2つがイーストコースト産)。なお、アメリカのカキファンの間で人気が高い KUMAMOTO は残念ながらなかった。
 カニは大型のキングクラブ (タラバガニ系) で、申しぶんないレベル。ニューオリンズ料理に欠かせないガンボスープもまずまずの出来だった。

 海の幸が入った高級感あふれるサラダやセビーチェが複数あり、ソース、ドレッシング、香辛料などが豊富なのもこのブランチの特徴だ。
 特筆すべきはオリーブかもしれない。独特の酸味を苦手とする日本人は少なくないが、ほとんど生の状態に近いここのオリーブは味も食感もまったく別物で (写真内の右下の緑の2個)、これを食べるとオリーブに対する認識が変わるはずだ。

 客の目の前で切り分けてくれるスモークドサーモンは塩味が限りなく薄く、ほとんど刺身に近い状態。切りたてだからか、もともと素材がいいのかよくわからないが、何とも表現しがたい絶妙な味だ。
 屋外で焼いてくれるフィレミニオンのレアも柔らかくてすばらしい。
 クロワッサンを始めとするパン類 (写真右)もアメリカで食べるものとしてはレベルが高く、ついつい食べ過ぎてしまいがち。

 オーダー制の朝食メニューは完全に任意なので、リスト内に食べたいものがなければオーダーする必要はまったくないが、あればどんなタイミングでオーダーしてもかまわない。
 ただし、オーダーしすぎてこれで満腹になってしまうと、エビ、カニ、カキなどの高級食材を食べられなくなってしまうので要注意。ちなみに右の写真はメニューの最上段に記載されているキャビア付きのエッグベルサイユで、スモークドサーモンがたっぷり入ったエッグベネディクトのような料理だ。

 デザートは種類こそ決して多くないものの、最近日本で流行のマカロンもあるなど、必要十分な品揃えといった感じ。
 日ごろから高いレベルの洋菓子に接している多くの日本人にとっては大きな期待はできないが、味はともかく、見た目で楽しむにはそこそこのレベルにあるといっていいのではないか。

 ジャズ演奏は入口に近いメインのダイニングルームの窓際で行われる。
 ジャンルとしては、明るくにぎやかなデキシーランド系というよりも、むしろ一般のポピュラーソングをジャズ風にアレンジしたエレガントなイージーリスニングといった感じで、あくまでもBGMとして脇役に徹しているところが上品でよい。金管楽器がないためか総じて音量が低く、食事中の会話が聞こえないといった不便もない。この先数ヶ月は同じグループが出演する予定になっているので、しばらくはこのスタイルが続くものと思われる。

 何やらいいことばかり書いてきたが、じつは少々がっかりしかねない事実もある。それは、このジャズブランチで出される料理のいくつかは、同じ時間帯のこのホテル内の通常バフェィでも出されているということ。調査の結果、特にデザート類 (写真右) に共通アイテムが多いこともわかった。
 したがって、20ドルほどの価格差を、料理、雰囲気、サービスのちがいの中にどのように吸収させ自分なりに納得するのか。そのへんのことをよく理解した上で利用しないと、不満が残る結果となりかねないので、細かいことを気にする人はよく考えたほうがよいかもしれない。大多数の一般の人は、価格差に見合った違いを見い出し、ゴージャスなブランチを楽しめることだろう。

 営業時間は毎週日曜日の 10:30am から 2:30pm。ジャズなどを聴きながらゆっくり食べているとすぐに時間が経過するので、できれば午前中に入るようにしたい。
 理想のセクションは生バンドを近くで楽しめるという意味でメインダイニングがベストと思われるが、春真っ盛りの今の時期は屋外も気持ちいいかもしれない。
 それほど混むわけではないので、あえて予約の必要はないと思われるが、少しでも待つことを避けたいのであれば事前に予約を入れたほうがいい。電話番号は 702-248-3463。
 なお予約の際、メニューの内容、ドレスコード、さらに連絡先などいろいる聞かれるので、英語が苦手な場合は前日などに現場に足を運んで予約したほうが手っ取り早い。
 ドレスコードはあれこれいろいろ説明されるが、現場で見ている限り、ジーンズでも入店できないことはなさそうだ。それでもきちんとした格好の利用者も多いので、男性は襟付きのシャツが望ましい。ゴルフコースのクラブハウスということを考えると Tシャツや腰パンは遠慮すべきだろう。


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