週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2010年 02月 03日号
アリアの THE BUFFET、注目はカニとデザートか
 昨年12月、大型複合施設 「シティーセンター」内にオープンした4000部屋規模のカジノホテル 「アリア」。(写真右、クリックで拡大)
 その中の食べ放題ダイニング 「THE BUFFET」 を取材した。
 場所は同ホテルのカジノフロアの一つ上の階で、シルクドゥソレイユ劇場のすぐ近く。劇場利用者の往来がない時間帯は、カジノの喧騒とは無縁の静かな落ちついた環境だ。

 天井からの無数の透明なチューブが目を惹く斬新なデザインの入り口 (写真右)。そこで支払いを済ませたあと店内に。
 ちなみに平日のディナータイムの料金は27.95ドル (金曜日と土曜日は35.95ドル)。それに8.1%の消費税が加わる。
 インテリアも基本的にはそのチューブが主役で、照明も兼ねたその細長い直線的なエレメントはかなり無機質でコンテンポラリーな空間を創造しているが、カーペットが温かみのあるレッド系のためか、全体の雰囲気としては冷たい印象はまったくない。

 料理の種類は他の高級ホテルと同様、幅広いジャンルを網羅しており、イタリアン、メキシカン、中華などはもちろんのこと、簡単なにぎり寿司やのり巻きなどの和食もある。
 そこまでならばなんら珍しいことではないが、インド料理もあるところがこの店の特徴で、日本のカレーとはちがった本場インド風のカレーや、自家製の焼きたてのナンなどはかなり本格的だ。(右下はカレーやナンを盛り付けた様子)

 焼きたてといえばピザも焼いている現場を目にすることができる。また中華のセクションでも調理人が客から見えるところで大きな鍋を振っている。
 このようなライブクッキングなどと呼ばれる実演調理は舌だけでなく客の目も楽しませることができることから近年どこのホテルでも増加傾向にある演出だが、この店の寿司セクションはその限りではなく、にぎっている様子を見ることはできない。ちなみにその寿司は型にはめて作ったものと思われ、視覚的にも味覚的にも決して高いレベルにあるとは言い難い。大きな期待はしないほうがいいだろう。

 注目はやはりなんといってもカニで、この店で出てくるカニはアメリカでは高級品とされる大きなキングクラブ (タラバガニ系)。
 他のホテルではそれよりも小ぶりなスノークラブ (ズワイガニ系) やダンジネスクラブ (日本ではあまり流通していない種類) が主流なので、見ただけでも非常にゴージャス感がある。
 右の写真は盛り付けも撮影もヘタで食欲をそそられるような感じではないが、この写真でもわかるとおりキングクラブは縦にきれいに割られているので非常に食べやすい。
 カニ以外には貝類やエビ類がシーフードセクションの中心で、それらのレベルも高い。なおこの日は調理したカキはあったが、生ガキはなかった。

 一方、肉類は種類こそ多いものの味のレベルはいまひとつという印象を受けた。
 プライムリブなどのビーフ類、そしてポーク、ターキー、さらにエスニック系の各種肉料理など、現場で調理人が切り分けてくれる演出は申しぶんないが、レアの部分をリクエストしてもかなり固かったり、ぱさついた食感のものがあったり、完璧とは言い難いものだった。たまたまその日だけの調理ミスなどの可能性もあるので、数少ない体験で軽率な批評は避けるべきだが、もしこれがいつもの傾向であるならば今後のレベルアップを大いに期待したい。
 なおソース類の位置などが不自然だったのはどういうわけか。たとえばプライムリブにかけるいわゆる "AU JUS"、ターキーにかけるグレービーソース、エビなどの冷たいシーフードにかけるカクテルソース、各種肉類に使うタマリンドソースやミントソースなど、それらがきちんと用意されていること自体は非常にすばらしいが、それぞれの肉がサーブされている場所とはまったく異なるわかりづらい位置にそれらソースがバラバラに置かれていたのには不便を感じたと同時に理解に苦しむ。そういえば箸も寿司のセクションでも中華のセクションでもない場所に置かれていた。それぞれのシェフに聞いても、「配置は担当じゃないのでわからない」 とのつれない返事。

 中華のセクションでは、リクエストに応じてワンタンヌードルや味噌汁を作ってくれる。洋食に飽きた際のこの種のつゆモノは非常にうれしい。
 ちなみに味噌汁はそのつどネギやワカメなどを入れて作ってくれるのはありがたいが、使用しているものが乾燥ワカメで、それがほぐれてやわらかくなるまでに時間を要するのは問題。ほぐれるまでにさめてしまう。
 なおこの中華セクションにチャーハンはあったがヤキソバはなかった。ヤキソバはアメリカでも広く定着している定番アイテムなので、たまたまこの日だけのことかもしれないが、この種のものは必ず出すようにすべきだろう。

 すべての料理を紹介するわけにもいかず、またすべてを食べたわけでもないので料理の紹介はこのへんにして、最後にデザートで締めくくりたい。
 相対的にこの店で一番レベルが高いと感じたのはデザートで、実際に利用者の評判もいい。たしかに甘すぎず (それでも日本のものよりはまだ甘い)、サイズも適度で、さらにひとつひとつがきれいなガラスの器に乗っているなど演出もうまい。
 そのようなわけで、今回の訪問時にあったデザートをすべて列挙すると以下のようになる。(日本語表記がわかりにくいものもあるので、現場に書かれていた英語表記をそのまま列挙)

VANILLA CREME BRULEE with HAZELNUT FINANCIER、 EXOTIC MANGO GLASS、 NUTELLA CAKE、 COFFEE SHOOTER、 CRISPY PEANUT BUTTER CAKE with RASPBERRY COMPOTE、 LEMON MERINRUE POUND CAKE with PORT BLUEBERRIES、 GRAND MARNIER CREAM PUFF、 SUGAR-FREE COCONUT LIME PANNA COTTA with CANDIED MANGOES、 COCONUT MACAROON、ASSORTED COOKIES、ASSORTED BISCOTTI、PEANUT BUTTER BLONDIE STRAWBERRY、TANGERINE、VANILLA MARSHMALLOW BROWNIE、STRAWBERRY BREAD PUDDING、BANANA FOSTER、COCONUT MACAROON、CHOCOLATE & RASPBERRY LAVA CAKE、CHOCOLATE PEANUT BUTTER PRETZEL、 GELATO (CHOCOLATE、VANILLA BEAN、RASPBERRY SORBET、COFFEE、SNICKER)

 1回だけの訪問では情報が不十分だが、とりあえず今回はカニとデザートが印象に残った。肉料理にやや難点はあったものの、その他の料理も特に悪いわけではなく、また担当ウエイトレスのサービスもよかった。行って後悔するような店ではないだろう。
 なお不景気が原因か、長蛇の列が出来るような気配もなく、並ばずに入れたということも付け加えておきたい。
 料金はディナータイム(4pm〜10pm) が前述の通りで、平日のランチ (11am〜4pm)は19.95ドル、平日のブレックファスト (7am〜11am)は14.95ドル、土曜日と日曜日のシャンペンブランチ (7am〜4pm) が28.95ドル。
 シャンペンブランチにおけるシャンペン以外のアルコール類はすべて別料金で、バドワイザー、ミラー、クアーズなどのアメリカの国産ビールが6ドル、サッポロ、ハイネッケン、コロナなどの輸入ビールが7ドル。


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