週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2000年11月22日号
ストリップで “世紀の花火大会”
 ラスベガス市では今、官民一丸となって 21世紀の幕開けを祝う大規模な花火大会が検討されている。
 現時点における構想によると、2001年1月1日午前零時にストリップ大通りの各ホテルの屋上から一斉に花火を打ち上げるというもので、新年を祝うイベントとしては世界最大級の規模になるという。

 今回の計画は前年の反省から来ている。2000年という節目を迎えることになった今年の元日、ラスベガス市は特にこれといったイベントをやらなかった。世界各国の主要都市から派手なイベントの様子が次々と衛星中継で報道される中、世界で最も派手な街であるはずのラスベガスだけはなりを潜めていた。何か派手なメッセージを発信してくれるだろうとテレビの前で期待していた世界中の人々をガッカリさせたに違いない。
 これは連帯意識を持たなかったことによる失敗といってよいだろう。イベントは各ホテルの裁量に任され、市などが介入することはなかったが、結果的には PARIS ホテルだけがそのエッフェル塔で簡単なパフォーマンスを披露するにとどまり、その他のホテルは何も行わなかった。
 「黙っていても満室になる大晦日にわざわざ経費を使ってイベントをやることもない」 と考えたホテルが多かったようだ。結局ラスベガス市は街そのものを全世界に売り込む絶好の機会をみすみす失ってしまった。

 今回はそんな反省に基づき、絶大なる露出効果が期待できる“世紀の節目” を最大限に生かしたパフォーマンスでラスベガスの底力を全世界にアピールしようという考えだ。
 すでにラスベガス市長も自ら地元テレビに出演するなどして前向きな姿勢を示しており、実現の可能性はかなり高いが、費用の問題、各ホテルの協力や意見調整、消防や警察との連携、さらには演出そのものの設計から機材設営に至るまでの技術的、物理的、時間的問題など、あと1ヶ月で解決しなければならない問題は少なくない。
 「開催はすでにほぼ 100% 決まっている」 という関係者もいれば、「最後まで何があるかわからないのがラスベガス」 という慎重な意見も聞かれる。近日中に最終決定が下されることだろう。

 さて、やるとなった場合にまず気になるのがホテルの宿泊料金だ。昨年は年末が近づくまで “ミレニアム特需” を当て込んだ各ホテルが 1泊 $1000 を超える強気な料金設定をしていたが、結局ミレニアムムードは盛り上がらず需要が停滞し、余った空室は $300 前後で叩き売られたといういきさつがある。
 しかしもし今回花火大会などの大きなイベントが開催されるとなると事情は一転しそうだ。多くの関係者が、客室需要が急増しそれに連動する形で宿泊料金も暴騰すると予測している。

 突然イベントが行われることになったからといって海外からの観光客や、空路に頼らざるを得ない全米各都市からの来訪者が増えるわけではないが、ラスベガスから極めて近いエリアに全米屈指の人口密集地・南カリフォルニアメガロポリスが存在しており、ロサンゼルスやサンディエゴを含むこの地域から陸路で数万人の人々がドッと押し寄せる可能性があるという。いくら近いからといっても片道4時間はかかるため、マイカーでの車中泊を決め込む者を除いても数万室の “イベント特需” があると関係者は分析している。
 日本からの観光客はレンタカーでも借りない限り車中泊というわけにもいかない。年末にラスベガス旅行を計画している者で、ホテルの手配がまだ済んでいない者は、今後の料金相場の変動に十分注意を払う必要がありそうだ。
 昨年の例をあげるまでもなく、この種の相場モノは必ずしも早く手を打った方が安く済むとは限らないところがむずかしい。それでも現在の料金を見る限り、今年は昨年とは逆に日を追って相場が上がるような気がしないでもない。ちなみに以下は 11月 21日午後5時の時点における、各ホテルへ直接予約を入れた場合の宿泊料金だ。

ホテル 12月 28日 12月 29日 12月 30日 12月 31日 1月 1日
EXCALIBUR $69 $225 $225 $225 $69
LUXOR $99 $299 $299 $299 $79
MANDALAY BAY $149 $309 $359 $359 $159
 * 「1泊一部屋」 の料金であって 「お一人様」 の料金ではない。今後大きく変動する可能性有り。

 さて世紀の花火はどこから観るべきか。各ホテルのストリップ側の高層階の客室はハイローラー(高額ギャンブラー)と呼ばれる招待客でかなり埋まってしまうことだろう。その他、エッフェル塔、ストラトスフィアタワーといった一般的に知られる夜景スポットも特別な流入規制が敷かれるか、もしくはべらぼうに高い入場料が設定される可能性が高い。また、ストリップから少々離れてしまうが、横位置から全体を見渡せる場所として知られるリオスイートなどもなんらかの入場制限が加えられる可能性がある。
 そう考えると意外と穴場になりそうなのが各ホテルの駐車場の最上階かもしれない。もちろんそれら駐車場も自由なアクセスが保証されるとは限らないが、歩行者としてアクセスできる可能性は高い。


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