週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2000年9月27日号
豪邸見学 STREET OF DREAMS
 今週は通常の定番観光コースには含まれていない少々風変わりな観光スポット STREET OF DREAMS を紹介してみたい。

 この STREET OF DREAMS はストリップ地区のホテル街から南南東約 15km の地点に広がる小高い丘陵地帯 Seven Hills 地区の一画に出現した文字通りの "夢のような住宅街" だ。
 といってもロサンゼルスのビバリーヒルズのようなものを想像してはいけない。街の規模や格が違うという意味ではなく、存在自体のコンセプトがまったく違うからだ。
 ここはあくまでも期間限定 (10月29日まで) のイベントで、日本流の表現をするならば、さしずめ 「モデルハウスの展示会場」 といったところか。それでも住宅業界専門のイベント屋、その名も STREET OF DREAMS 社が主催しているだけあって、日本の住宅展示場とはエンターテーメント性がまるで違っている。家を買える者に購買意欲を与え、家を買えない者にも夢を与える演出は、誰が訪れても非常に楽しい。

 豪邸を専門に手がける建設業者を一堂に集めたという会場には、各社自慢の建材や工法を駆使したゴージャスなモデルハウスがずらりと並び、その数、全部で9軒。それぞれに番号と愛称が付けられ、その独創的なデザインや華やかなインテリアを競う姿はまさに "住宅のファッションショー" といった感じだ。どの豪邸がナンバーワンかを競う賞品付き投票などもあり、イベントとしての演出もなかなかうまい。

 どの家にもプール、ジャクージ、ビリヤード台、巨大シャンデリアなどは当たり前のように備わっている。中にはまるで映画館のようなオーディオビジュアルルームを持つ家や、地下にレストラン並みのワインセラーを持つ家、さらには 20畳以上もあるウォークインクローゼット、レストランの厨房のような広くて豪華なキッチンが自慢の家も少なくない。

 また、ほとんどの家は、リオスイートホテルのハイローラー用に作られた高級リゾートゴルフコース Rio Secco Golf Club に面しており (写真左)、はるか彼方にはラスベガスストリップの街並も見えるというゴージャスなロケーションに立地している。
 余談だが、このゴルフコース内にはあのタイガーウッズのコーチとして世界的に知られる Butch Harmon 氏運営の Butch Harmon Golf School もある。

 それぞれの家の広さは、現場資料のアメリカ式単位をそのまま使って表現するならば、土地面積約 1/2 エーカー前後 (約 2000平方メートル、約 600坪)、床面積 6000〜8500平方フィート(約 560〜790平方メートル、約 170〜240坪) となっており、この数字自体はアメリカの豪邸としては大したことはない。むしろ豪邸という言葉を使っていいのかどうか悩むほど平凡な数字だ。ビバリーヒルズなどにある 「門の外からでは家の玄関が遠くて見えない」 といった何千坪もの敷地を持つ正真正銘の豪邸に住む者から見れば 「ウサギ小屋」 かもしれない。それでも日本の一般の住宅から比べるとケタ違いに大きいことは疑いのない事実で、日本からの観光客は度肝を抜かれることだろう。

 気になる販売価格(土地付きの価格) だが、これは非常に高く、展示されているモデルハウス 9軒 (イベント終了後は買い手の者がすぐに入居予定) のほとんどが 250〜300万ドル (おおむね3億円前後) となっており、ラスベガスにおける一般的サイズの住宅の約 10倍だ。
 大きさ的には土地も家も 3〜4倍しか違わないにもかかわらず 10倍もの価格差が生じてしまう最大の理由は、建材や設備の違いもあるが、いわゆるビュー(View) と呼ばれる庭からの景色の違いによるところも大きい。美しいゴルフコースとストリップの街並が見えるというだけでとんでもない価格差が生じているのである。
 一般論として国土が広いアメリカでは、土地の広さよりもビューの良し悪しの方が不動産価格に遙かに大きな影響を与えている。それを裏付けるかのように今回展示されているモデルハウス9軒の内、2軒だけはゴルフコースに面していないが、それだけの理由でその価格はなんと約 100万ドルも安い。家や土地の広さ、さらには建材や設備もほぼ同じ家が、隣同士で 100万ドルも違っているというところが何ともアメリカらしい価値観で興味深い。
 なお、ラスベガスにはゴルフコースに面している住宅はたくさんあるが、それらすべてが 100万ドルもの付加価値が上乗せされて売買されているというわけではない。この展示会場に建てられた家から見える Rio Secco とストリップのビューが飛び抜けて美しいという、あくまでもこのロケーションにおける話である。
写真: 庭から見るストリップ 】 ←クリック

 それほど見晴らしの良い場所に建つゴージャスな家を見ることは決して無駄にはならないだろう。「たかがモデルハウス」 と考えるのは早計で、ぜひ行ってみることをおすすめする。
 「いつかは自分もこんな家を」 と思うこと自体、それが非現実的な人にとっても現実的な人にとっても夢や目標を持てるという意味では大いに意義があるはずだ。その夢が仕事の励みになり、日々の生活に活力が生まれるようなことにでもなれば大いなる成果だろう。ただ、カジノでその夢を実現しようと考えることだけはやめておいた方がよさそうだ。

 今回のこの STREET OF DREAMS の一般公開は残念ながらわずか6週間で、10月 29日に終わってしまう (その後はカーペットなどが張り替えられ購入者が入居することになる)。時間は毎日 10:00am から 5:00pm まで。ただし金曜日と土曜日は 7:00pm までオープン。月曜日は休み。なお見学は無料ではなく一人 9ドルとなっている。
 日本のモデルハウスのようにセールスマンが一緒に付いて回るようなことはまったくなく、各自が自由に家の中に入って見学する形式なので、入場券を買う際以外に英語を話す場面はなく、語学に自信がない者でも何ら心配はいらない。
 週末は 1000人以上の来場者があるとのことでかなり賑わっているが、並ばなければ家には入れないということはないので何曜日に行っても問題はないだろう(ただし月曜日は休み)。

 交通手段だが、地元民の富裕層を対象としているイベントのため、残念ながらシャトルバスなどはなく、観光客にとってはレンタカー以外にアクセス方法がない (タクシー利用は帰りが困ってしまう)。それでもホテル街から片道 20分程度で行くことができるので(高速道路利用時。下道の場合は約 30分)、レンタカーさえあればむずかしいことはない。
 行き方は、ストリップのホテル街から高速 15号線の南行き(ロサンゼルス方面)に乗り、3分ほど走り 215号線の東行き(マッキャラン空港およびヘンダーソン方面)に乗り換え、4つ目の出口 Eastern Avenue で高速を降りる。降りたら右折 (南方向)し、Eastern Avenue をそのまま 3分ほど走ると St.Rose Parkway (最近道路名が変更になったので、レンタカー会社がくれる地図には旧名の Lake Mead Drive と書かれている可能性大) が出てくるのでそこを右折(西方向)。St.Rose Parkway を1分ほど走ると左手に SEVEN HILLS コミュニティーへの入口が見えてくるので左折する形でゲートを通り抜け中に入る。あとは青い案内表示 (右上の写真) に従って進めば目的地にたどり着く。
 高速道路の運転に慣れていない者はストリップのホテル街から Flamingo Road もしくは Tropicana Avenue を東へ 5〜10分走り(時間は交通事情により異なる)、Eastern Avenue を右折(南方向)。10〜15分程度走り続けると上記の高速 215号線をくぐり St.Rose Parkway にぶつかるのでそこを右折。あとは同じ。


■ STREET OF DREAMS 社について:
シアトル郊外に本社を置く不動産業界を対象としたイベント企画会社。1985年創業。高級住宅の展示会である "STREET OF DREAMS" は同社の商標で、年に数回全米各地で開催している。各地の建設業者からの協賛金や入場料が主な収入。ちなみに発展いちじるしいラスベガスは、今後毎年グリーンバレー地区 (ホテル街の南東部にある高級ベッドタウン) で開催する予定とのこと。


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